皇后杯の3回戦が12月1・2日行われましたが、C大阪堺の今年最後となったこの試合を3番目にチェックしました。
 
双方相手のバックラインを崩すところまで行くことが少ない試合だった。
 
 
C大阪堺は11宝田選手をセンターバックに入れた布陣でスタートした。
前半粘って、終盤11宝田選手をフォワードに上げ点を取り、1-0のような試合で勝つことがゲームプラン。なでしこリーグ第16節以降この戦いをしていて、浦和に勝って、I神戸・日テレには負けたモノの、それなりの感触を得たのだろう。

前半からC大阪堺がどちらかと言えば優勢に進めていたと思う。7北村選手8松原志選手が機能していて左サイドから攻めていた。が、失点。
71分に11宝田選手をFWにポジションチェンジ。体格を活かしたポストプレーが加わって優位を拡大。89分にはもう少しで同点ゴールという所まで迫ったが阻まれた。90分にダメを押され、今年のゲームが終わった。

来年はなでしこリーグ2部になるが、選手は若く成長も見込めるので、断トツの1位抜けを果たして欲しい。一環した育成機関は東に偏って居るが、西日本に分布を広げるのが、日本女子サッカーにとって、最も手っ取り早い若手強化手段だと思う。そのためにもC大阪堺にはその中心として頑張ってもらいたい。
 
ところで、11宝田選手と言えば、どこのポジションでもこなしていて器用だし、サッカー頭脳も良いのだろう。しかも、AFC年間最優秀ユースプレーヤーに選出されたほどの選手だ。
来年のW杯や、東京五輪メンバーを目指しているのなら、チームを離れ、海外か、なでしこリーグ1部に移籍し、FWに専念すべきなのは明白。U-20W杯で活躍した7北村選手10林選手を含め、動向に注目している。
 
 
一方マイナビは、少ないチャンスをしっかり決めて辛勝。それなりにバックラインはしっかりしているのだが、中盤でボールを繋げない・相手にプレッシャーが掛からないのは、今シーズンを通しての課題。そして、ゲーム終盤まで、しっかり動ける選手が少ない。
この試合もそんな展開で、良くも悪くも27三橋選手がキーになった。C大阪堺が攻め込んでいた左サイドを守っていたのは27三橋選手だし、89分の失点を防ぎ、90分に決めたのも27三橋選手
 
この試合はたまたま勝てたけど、次は日テレ。対面は復帰した植木選手か、宮澤選手・小林選手という活きの良いところ。ドリブルで翻弄される前に、体格を活かしたコンタクトプレーがいくら出来るかが活路なんだろうが、27三橋選手に出来るかな?
この試合25奥川選手が登録外、22万屋選手が試合中負傷だが、回復してくれないとサイドバックが人材不足で、監督さんは頭が痛いだろう。
 

得点:
 25分(24:26 ポインタ29:56~) (40m左サイド)9小野(40m左ライン際)6奈良(15m左)
   10浜田(ヘッド25m左)9小野(11宝田をカワシ_シュート)
 90分(89:35 ポインタ1:50:06~) (40m左FK)6奈良(6m右ポスト前)
   27三橋(ヘディングシュート)
 

その他の主なチャンス
  SB:Shoot Block S:Save FS:Fine Save B:Bar P:Post
  F:Free(GKと1対1など)
 
以下はYouTubeポインタの時間で、試合時間では有りません。
 YouTube ポインタ指示時間 前半:+05:30 後半:+20:31
 
C大阪堺
 18:52~S, CK21:16~,CK32:04~,CK41:57~
 CK1:13:05~,1:15:25~S,FK1:28:31~,1:31:37~S,1:39:09~SB,1:40:48~,
  1:41:45~,1:48:44~SB,1:49:09~S

マイナビ
 FK23:46~,29:09~S,48:39~
 1:22:08~,FK1:26:03~,1:29:56~,1:35:17~F_SB,FK1:52:19~,
 
 
では、いつもの通り、コーナーキックを分析していく。

(1)両チームのディフェンスシステム
 
ともに2-4-4ゾーンディフェンスで、ゴール前の2-3部分は動かさない。一見同じだが、考え方がだいぶ違う。
 
C大阪堺
① コンセプト
 11宝田選手18筒井選手はボールに集中。
 他の選手は、攻撃選手のフリーランに合わせて前に入られないように
 押さえていて、エリアを守りつつも、近づいてくる相手選手よって
 ポジショニングを修正している。
 特に相手の中心選手・2名程度を密着カバー。競ることよりもボールの到達点に
 行かせないようにしているようだ。
 この試合では、5坂井選手10浜田選手にマークを付けた。
 2-4-4と言うより、(2-4-2)+2と言った方が近いかも。
② 疑問点
 27三橋選手にマンツーマンマークを付けなかったが、
 私は現時点でなでしこリーグ最強のヘディング力だと思っている。
 2人の密着マークなら、5坂井選手を外してこちらを押さえるべきだと
 思うのだが・・・。
 
マイナビ
① コンセプト
 170cm以上の選手が複数居る。攻撃側がランニングジャンプしてきても、
 スタンディングでも高さ負けはしないと言うことだろう。
 各自しっかり持ち場を守ってボールに集中。フリーランしてくる選手は
 自由にさせている。
 3市瀬選手が時折相手中心選手のポジショニングを阻害しに行っている程度。
② 疑問点
 過去ファーサイドの結構良い位置でシュートを打たれている。
 ここくらいは誰かポジショニングを変えてケアするよう、
 取り決めしておくべきと思うのだが・・・。
 
イメージ 2
 
 

ちなみに、先発選手を背の順にならべる。
 C大阪堺 11    18     16    28      8        7     13     3     17  10
        宝田 筒井 田中 田畑 松原志 北村 矢形 脇坂 善積 林
         169  168   163   163    162   161   160   160  159 157
 マイナビ  27    5      10     9      6     3      23    22     7     11
        三橋 坂井 浜田 小野 奈良 市瀬 樫本 万屋 田原 安本
         173   171  170   166  165   160   159   159  157   151
 
マイナビやや有利。
 

(2)統計

例によって、私が採っているSTATSを紹介します。

                C大阪堺   マイナビ
コーナー本数         4      2
得点(1次攻撃)        0      0

センタリング→シュート  0/1     0
センタリング→パス     0      0
ルーズボール         0        0
クリアー             1/0    2/0
キーパーパンチ      1/0     0
キーパーキャッチ       0      0
オフェンスファール       0      0
ディフェンスファール      0      0
 * フリー/競り合い
キックミス                0      0
ショートコーナー不発     1      0
 
 
フリーになった選手      0      0
    (ボール受け/ボール来ず)
ピックプレー:推定含む    0      0
     (成功/失敗)     (成功/失敗)
 

(3)特記すべきプレー
 
C大阪堺が4本、マイナビが2本。
攻撃側が先着出来たのは、C大阪堺の1本だけ。低調なコーナーキックだった。

A.C大阪堺のコーナーキック
 
キッカーは、1~3本目は8松原志選手(右利き)。4本目は7北村選手が早く始めたくて蹴っている。
16田中選手をニアに走らせるが、主力の11宝田選手18筒井選手をファーポスト前で勝負させるのが主な狙いだったようだ。
 
 1本目(15:46 ポインタ21:16) 左CKを5mニアサイドへ。10浜田選手がクリア。
 2本目(26:34 ポインタ32:04) 左CKを5m右ポスト前へ。17善積選手28田畑選手
   競り掛けたが、GKパンチ。
 3本目(36:27 ポインタ41:57) 左CKを7m右ポスト前へ。27三橋選手11宝田選手
   競り勝ったが、ヘディングシュートは浮いてゴールをオーバー。
 4本目(52:34 ポインタ1:13:05) 左CKを7北川選手が早く始めてショートコーナー。
   8松原志選手とで攻めようとしたが、味方選手の準備が遅れて企画倒れ。
   セーフティーに戻す。
 
 
B.マイナビのコーナーキック
 
左右CK各1本。キッカーはいつもの通り6奈良選手(左利き)。
 
 1本目(43:09 ポインタ48:39) 右CKを5m右ポスト前へ。27三橋選手
   走り込んだが、間に合わず11宝田選手がヘディングクリア。
 2本目(75:33 ポインタ1:36:04) 左CKを5m正面へ。11宝田選手がヘディングクリア
   したが、5m右サイドで23樫本選手が拾ってクロス。7m右ポスト前で11安本選手
   ヘディングシュートするが、8松原志選手がブロック。11安本選手が回収し、
   右コーナー付近から再び23樫本選手がクロス。GKが2mゴール正面でキャッチ。
 
1本目を図にするが、YouTubeもご覧いただきたい。
マイナビの攻撃と言うより、C大阪堺の守備を評価する。
前述したC大阪堺の「人に対応するゾーンディフェンス」のコンセプトが良く出ているプレーだと思う。
そのコンセプトはチームに浸透していると思う。ただし、良いところばかりとは言えない。
① 9小野選手のフリーランに対し、ニアを固めていた10林選手
  前を取られぬよう対応したのは立派。
  28田畑選手もファーサイドを攻めてこられないか、良くマイナビの選手の
  動きに注意しているのは評価できる。
② 10浜田選手5坂井選手のマンマークに行った3脇坂選手16田中選手ともに
  前を取られ、役割を果たしているとは言いがたい。
  個対個の戦いはC大阪堺にとって現状厳しいようだ。
③ 27三橋選手のニアへの走り込みに対し、7北村選は全く対応していない。
  ミドルシュートや2ndボールに対応するため、あまり動かないのが役目かも
  知れないが、ちょっと邪魔になる程度の動きは有っても良いと思う。
  それで、タイミングを狂わせられればいい。
イメージ 1
 
 
 以上です。

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