ゼロックス・スーパーカップは、サンフレッチェ広島が3-1でガンバ大阪を下したが、
2点目のPK判定は、ビデオ判定すれば覆っていたかも知れない。
また、バスケットボールで
[【バスケ】シャンソン判定問題ドロ沼 県協会「主審ミス認めた」本人は否定:スポーツ報知]
のような騒動も起きている。
 
ビデオ判定は、アメリカンフットボールのNFL・バスケットのNBAでは常識であり、W杯ラグビー・MLBでも行われるようになった。
また、画像処理による判定が、バレーボールや、テニスのアウト・イン判定や、サッカーでもゴール判定がW杯などでも実施されるようになった。
 
しかし、サッカーでハンドなどの判定は果たして有効だろうか?
私の結論から言うと、テレビ放送の入るような大きな試合なら可能だが、
Jリーグの試合では難しいと思う。
 
サッカーでのビデオ判定を議論するより、その前に審判を増やすべきだと思うのだが、それはまた別の話で、ここでは触れない。
 
ビデオ判定について
[「ゼロックスで起きた”誤審”は、ビデオ判定の呼び水になるのか?」:清水英斗氏]
で、費用のネックが問題であると指摘されている。
 
この点私も同意見ではあるが、私のビデオ判定に関する意見と根拠は以下の点。
①機材等の初期設備投資が高額だし、それ以上に人材・人件費の問題がある。
 サッカーグラウンドは広く、また、ボールの蹴られる距離も長いため、
 ワイドに撮影される。それを即時に再生拡大できる設備が必要になる。
 また、観客を納得させるための、大型ビデオスクリーンも必要だろう。
 しかし、ワイドに撮影された画像からは、今回のようなハンドの判定や
 ラフプレーなどの判定は困難である。
 それなりに拡大した画角で撮影しないと判定には使えないが、
 カメラでボールを追いかけられる複数の優秀なカメラマンとスィッチャーが
 いなければ機能しないだろう。
 年25試合程度のホームゲームのために撮影スタッフを抱える、
 それは各クラブの負担が大きすぎることである。
②ゴール判定は実施すべき
 固定カメラをゴールの両サイドに設置すれば良いことなので、
 カメラマンは不要だし、それくらいはやるべき。
 ルール的には、キャプテンによる要請で、1試合1回制限くらいで良いと思う。
③ルール上の課題として、ビデオ判定の代償を如何に求めるか?
 うまくやれば、ドキドキ出来る。
 
 アメリカンフットボールのNFLでは、試合中原則2回のビデオ判定を
 要求できて、失敗すればタイムアウトを失う。
 要は、「タイムアウトを取るから、その間にビデオ見てよ。」と言うのが
 基本精神で、判定が覆る根拠が見つかれば審判は「ごめんね。間違ってたから、
 タイムアウトは減らさないよ」と言うのがシステムである。
 アメリカンフットボールにおけるタイムアウトは試合の流れを変えるため
 だけではなく、残り時間わずかになった時のタイムコントロールにも使われる。
 その重要なタイムアウトを賭けて「チャレンジ」するのである。
 
 一方バレーはビデオ判定を導入したが2回/セット許されている。
 セット終盤において、覆りそうにない判定にもビデオ判定が頻繁に要求される
 傾向にあり、ほぼ2回のタイムアウトが増えたのと同じ状況にある。
 アメリカンフットボールに比較しバレーでは「チャレンジ」の要素は少なく、
 「ドキドキ・わくわく感」も少ない。
 サッカーで導入するなら、ドキドキ感あるものになるよう工夫すべきで、
 交代枠を賭けるとか、リスクを付ければ、観客は楽しいと思う。
 

なお、日本人はビデオ判定をしたら、結論をしっかりビデオから得られないと
納得しない傾向が強過ぎるように思う。
清水氏のコラムもそのように受け取れる。
 
また、
[昨年のNPB日本シリーズ第5戦でソフトバンク李大浩の打球の判定に7分も掛かった:報知新聞]
もそうだ。
 
ビデオ判定を行うことは、必ず「証拠の画像」を見付けて「判定の根拠」として示すことではない。
確たる証拠が無ければ「無い」で良くて、判定は覆らない。
審判のコールが優先・ビデオは補助だと言うことを、ルール上明記し、
観客などもそれを十分理解すべきだと思う。
 
 
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