2026年01月01日(木)に行われた皇后杯決勝@国立競技場。
NHK総合(生中継)
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まず、両チームのWEリーグ第14節までのSTATSを表にまとめます。1試合当たりの平均値で示します。

I神戸は2025/2026リーグ戦で11勝2分け1敗、34得点8失点で1位。期待通りの結果を出している。
STATSを見ると、1位の数字は1つだけ。決して圧倒して首位にいる訳では無い。
また、CUP戦はここまで1PK勝1敗と苦しんでいる。
皇后杯は、過去10回の決勝進出で、優勝7回。この試合に勝てば、2年ぶりの優勝である。
システムは4-3-3を主に使っている。
夏に昨期得点王スアレス選手ら主力外国人選手達が抜け、怪我人も多かったが、
新戦力が機能し、若手が台頭して、リーグ戦で勝ち点を積んで来た。
ところが、11月8日の第13節でMF7愛川選手が負傷・長期離脱。GK1大熊茜選手・MF8山本選手・MF14水野選手と試合中の負傷退場が続出。
このところの5試合くらいを見ていると、リーグ戦首位にふさわしい内容とは言えない。
さらに、この皇后杯では、今期台頭したDF40金月選手らは、下部組織で大会に出場しているので使えない。選手状況は苦しい。
システムは、4-3-3。
負傷していた1大熊茜選手・8山本選手・14水野選手が先発復帰。どのくらい戻っているのか?が、この試合を大きく左右しそう。
11髙瀬選手・16道上選手らはベンチスタート。
S広島Rは2025/2026リーグ戦で4勝6分け4敗、15得点17失点で6位。強い相手に良い試合をするのに、下位チームに勝ち点を溢している。CUP戦は3連覇に向けて2連勝と順調。
皇后杯は初の決勝進出だが、
I神戸とはWEリーグ創設以来相性が良く、今期の2勝を含め4連勝中である。
システムは4-3-3。たまに4-4-2もやる。
夏の移籍が一段落した時点では、リーグ屈指の選手層だと思っていたが、3呉屋選手に始まって怪我人が続出、稼働率が上がらない選手もいる。
特別指定した選手たちは、所属の学校で出ているので、この大会では使えないため、こちらもやり繰りが厳しい。
直近のリーグ戦第14節N相模原戦では0-3で負け。内容的にもパッとせず。
S広島Rもチーム状況が良いとは言えない。
この試合も4-3-3。
右SB:20島袋選手、アンカー:18渡邊選手、右FW:30李選手の配置で準決勝と同じ。
7伊藤め選手、25塩田選手らはベンチスタート。1木稲選手はリーグ戦第10節以来の登録。
準決勝ではサブメンバーに空席があったが、解消している。
前半、I神戸の立ち上がりが良かったが、S広島Rが盛り返して先制する。
後半、I神戸が追い付いたが、ATにS広島Rが決勝点を取って初優勝している。
シュート状況は下図の通り。
I神戸は、最後に失点して苦敗。
ただ、チャンスの数・質ともに劣っていて、大差になってもいても、仕方ない試合だったと思う。
怪我から復帰した8山本選手・14水野選手には時間が足りなかったのだろう。いつもの動きでは無かった。
19久保田選手も得点は取ったが、仕掛けの数は減っていたし、
9吉田選手に至っては、空回りしていてシュート無し。
守備も11中嶋選手に最後まで苦労していたし、
ゴール前のマークがいつもより甘く、危ないシュートを浴びていた。
試合的には盛り上がったけれど、内容的には悪かったと私は思う。
S広島Rは、皇后杯初優勝。
これでCUP戦含めて一発勝負の決勝は3戦無敗、I神戸には5連勝。
11中嶋選手の殊勲の決勝弾は、広島ローカル放送は勿論、今後の皇后杯中継で何度も使われるシーンになったと思う。
内容的には、チャンスを沢山作っていたし、良かった。
中盤でのボールの回収力で、I神戸を上回っていたし、11中嶋選手・15藤生選手の左サイドは終始有利に進めていた。
ただ、PKを含めて決めるべきシュートを沈められず、試合を苦しくしていた。
最後決まったから良かったモノの、危うかった。
では、いつものようにコーナーキックを見ていく。
(1)両チームのディフェンスシステムと攻撃体制。
I神戸は、2-4-1(+1)のゾーンディエンスで、マンマークを2人付けている。
S広島Rは、マンツーマンディフェンス中心で3人のゾーン固定配置。

下表に、スタメンを身長順に並べる。
互角の範囲のマッチアップ関係。
(2)統計
例によって、私が採っているSTATSを紹介します。
2nd回収A:守備ラインが上がり切る前に2次攻撃(シュート・クロスなど)
2nd回収B:守備ラインが上がりきってから2次攻撃(同上)
2ndロスト:守備側がボールを拾って確保
2nd逆襲:守備側がボールを拾って逆襲
トータルシュート数:{プレーの中断、守備側の確保、攻撃側バックス陣帰陣}までに打ったシュート数。
(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー
A.I神戸のコーナーキック
a)体制
キッカーは13桑原選手(左利き)10成宮選手・6松原選手(右利き)。
受け手の体制は、以下のようにして始まっている。
・ニアへ: 24太田選手・5三宅選手
・正面からファーへ: 4井手選手・25大熊環選手
・GK脇: 9吉田選手・19久保田選手
・ファーポスト脇: 8山本選手
・ショートコーナー: -
・コボレ狙い: 10成宮選手
・セーフティー: 14水野選手
b)結果概要
1本目 (05:02) 右CK 13桑原選手→11中嶋選手ヘディング→5市瀬選手クリア。スローイン。
2本目 (10:03) 左CK 10成宮選手→11中嶋選手クリア
⇒13桑原選手回収・クロス→GK石田選手キャッチ。
3本目 (35:32) 左CK G前密集陣形 13桑原選手→9上野選手ヘディング→11中嶋選手クリア。スローイン。
4本目 (81:01) 左CK G前密集陣形 ショートコーナー 6松原選手→13桑原選手→6松原選手クロス→14水野選手ヘディングシュート・15藤生選手ブロック。再CK。
5本目 (81:41) 右CK 13桑原選手→24太田選手ヘディングシュート→8小川選手・15藤生選手・14水野選手・38嶋田選手・5市瀬選手→4井手選手シュート。浮いてGキック。
6本目 (86:49) 左CK 6松原選手→GK石田選手キャッチ。

c)全般的な印象と特記すべきプレー
2本普通に蹴ってから、4本ゴール前に密集陣形を敷いた。
ア) 普通に蹴った2本:それなりに良かったが不発。
最初の2本は、ゴール前に居た3選手が、スクリーンを掛けている。
9吉田選手が9上野選手、19久保田選手がGK石田選手、8山本選手が38嶋田選手の外側に出させないようにしている。
ただ、キックがゴールラインに近過ぎて、いずれも11中嶋選手にクリアされている。
また、戦略的にも、ニアを狙ったようにも、ファーを狙ったようにも見えない。アバウトなモノだった。
「相手守備のキーマンに蓋をして、少し外側から攻める。」程度のコンセプトだったと思う。
2本目 (10:03)が下図で、11中嶋選手がクリアしたプレー。

ゴール前の3人が少し動いて、蓋をする。
4井手選手は、ニアへ走る24太田選手マークの5市瀬選手をピックしようとするが、18渡邊選手の抵抗に遭って、結果24太田選手の邪魔をしてしまうことに。
さらに、5三宅選手と25大熊環選手がクロスのピックプレーを仕掛けるが、8小川選手に上手く迂回されて不発。
キックも悪かったが、受け手側の2組も空回りしたプレーだった。
イ)密集陣形の4本:見るべきところが無かった。
密集を作って、蹴ったボールに各自が反応しているだけ。
キックに合わせて密集から外に出る選手や、スクリーンを掛けて守備選手を抑えようとしている選手はゼロだった。
このチームのエースキッカーは8山本選手だが、怪我明けでチームとして合わせる時間が無かったのか、長時間の出場が見込めないためか、蹴っていない。
キッカーの精度に期待出来ないため、アバウトな攻め方しか出来ていないのだと思う。
B.S広島Rのコーナーキック
a)体制
キッカーは8小川選手(右利き)。
受け手の体制は、以下のようにして始まっている。
・ニアへ: 15藤生選手・38嶋田選手
・正面からファーへ: 30李選手・9上野選手・5市瀬選手
・GK脇: 20島袋選手
・ショートコーナー: 23柳瀬選手
・コボレ狙い: 18渡邊選手
・セーフティー: 11中嶋選手
b)結果概要
1本目 (03:03) 右CK ショートコーナー 8小川選手→20島袋選手→23柳瀬選手・19久保田選手カット・ドリブル・8小川選手カット
⇒18渡邊選手回収→(15藤生選手)24太田選手クリア。スローイン。
2本目 (28:59) 左CK G前密集陣形 8小川選手→8山本選手クリア。スローイン。

c)全般的な印象と特記すべきプレー
1本目 (03:03)のショートコーナーは、19久保田選手が素早い対応で、23柳瀬選手のボールを引っ掛けて不発。
19久保田選手のプレッシャーがこんなに早く届くとは、S広島Rは予見していなかったのだろう。早くにプレーが壊れて、何を企画したのかもわからなかった。
2本目もキックが悪くて特記すべきことはない。
以上です。
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2-4 局面的な技術:パターン② クロス 2015/12/06
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