「年を重ねていく」という言葉が久美の頭を駆け巡った。
優子が言う様に年齢と共に風格が出、カッコ良くなっていく男もいる。
年輪を刻むごとく、
頭髪が白くなり例え顔のシワが増えても「ダンディ」と賞賛される。
もちろん、人生経験を積んだことによる言動力や包容力を
兼ね備えていることは言うまでもないが、多少ふっくらした風貌の方がもてはやされる。
その人の生き様が出てきた方が味があって良いと評されることが多い。
それに引き換え女性はどうだろう?
アンチエージングが声高らかに叫ばれ、
肌のはりと潤いを保ち、しわ取りをし、髪の毛を染め、
いかに見た目の若さを維持できるかに奔走している。
男達は皆『ほっそりした若い女が好み』だと言う呪文を唱えながら、
女達は、化粧を重ねて行く。
久美はガラスに映るそんな男と女は不思議だなと思った。
「久美~ちょっとこっちに来なさいよ!」
奥のテーブルからほろ酔い気分の晴美が手招きした。
いつの間にか優子もその席にいる。
「男は昔に生きるロマンチスト。私達女は今に生きる動物よね!」
どうも中村が槍玉に上げられているらしい。
「その通り!」
回りにいる女性軍は次々に声を上げる。
話が見えない久美も「そうよ、そうよ」と同意してビールを飲み干した。
です。
