こんにちは。世田谷区千歳船橋女性のための漢方薬専門店
せたがや漢方堂 の横山です
3月下旬というのに、寒い日が続いていますね。そして今日はすごい風と雨!まさに春の嵐ですね。
私も今日はびしょぬれになりながらお店までやっとたどり着きました。
こんな日は家でゆっくり読書なんかが良いですね
最近、私は寝る前に30分くらい本を読んで寝るようにしています。
そうすると、大変寝つきが良くなる、ということを発見しました。
更年期に入ってから、ここ数年、寝つきが悪くて寝るまでに結構時間がかかっていて、色々な方法を試しました。
まだ試行錯誤の途中ではありますが、この所は寝る前の読書でかなり効果を実感しています。
本は、ミステリーや恋愛ものなど、続きが気になる面白い本ではなく、ちょっと退屈くらいの本が、すぐに眠くなって良いです。
30分くらいで読める短編のエッセイなども良いのですが、どうせなら仕事に役立つものにしようかと、最近は健康啓発本や漢方薬の本を読んだりしています。
これが大変寝つきが良くなり、ほんの数ページですぐに眠くなるものもありますので、寝つきが悪くて悩んでいる方にお勧めです
そんな夜の読書の一冊として、以前から一度はちゃんと全部読んでみたいと思っていた貝原益軒先生の「養生訓」を読んでみました。
漢方薬を勉強している方なら、知らない人はいないだろうというくらい、業界では有名な本です。
私が漢方薬を勉強し始めた30年位前から、色々な場面で「養生訓」の話を聞いたり、抜粋した文章を読む機会がありましたが、なぜか一度もちゃんと読んだことがなかったのです。
古い本だから、本屋さんには並んでないかなと思い、アマゾンで検索したところ!たくさん出てきました。
色々な方が、色々な形で編集して、新しい本としてたくさん出版されていました。
未だに新しく出版され、多くの人に読まれていることに驚きました
この本の内容を簡単にご紹介すると、貝原益軒という方は江戸時代の儒学者、博物学者です。
生まれつき体が弱く、幼少のころは病気に苦しんでいたとのこと。しかし、大人になって、自分なりの健康法を見つけ出して、平均寿命が50歳くらいだった当時、83歳まで長生きし、歯も一本もかけず視力も衰えずに、最後まで健康で、生活を楽しみながら生き抜いたという方です。
その方が、当時の富裕層に向けて書いた健康啓発本というところでしょうか。
この「養生訓」の中で、繰り返し書かれていることは、「禁欲」と「努力」です。
飲食の欲、色恋の欲、寝すぎ、休みすぎる欲などを我慢し、心を穏やかにして過ごし、自然の気に逆らわずに生活すること。
この教えが、本の中に何回も出てきます。
当時は、今より貧富の差が激しかったでしょうから、好きなだけ飲み食いできたり、自分であまり動かなくてよい人といえば、かなり裕福な方たちと考えられます。
そういった方たちに向けて、食事の仕方、お酒の飲み方、性生活の節度、運動不足などを、事細かに(かなり口うるさいくらい)に書いてある本です。
現在、日本も豊かで便利になり「あまり動かずに好きなだけ飲み食いできる」ということはやろうと思えば大多数の方が可能ではないかと思います。
それなのに、わざわざ、食べられる物を食べないで、休んでいてもよいのに動く、ということは、人間の本来備わっている生き物としての欲に反した行動とも言えるのかもしれませんね。
これは、現代では、多くの方がやっている、ダイエットや運動習慣ということになります。
そういった現代人が体のためにやっていること、健康になるための生活習慣つまりは「養生」という考えを初めて世の中に広めたのが、この本なのだと思います。
私もお店にご相談に来た方に、漢方薬を出すだけではなく、必ず「養生」についてお話しします。
養生は、私も日々実践していますし、漢方治療をする上では欠かせないものと言えます。
(「養生訓」は大変すばらしい本ですが、この本は主に男性に向けて書かれた本で、生理や妊娠、出産など、女性のための養生については、ほとんど触れられていないということが、ちょっと残念なところです。)
「養生」について、より深く知りたいという方は、是非一度読んでみてください。
ちなみにこの本も寝る前に読むととても寝つきがよくなりますよ
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