こんにちは。世田谷区千歳船橋女性のための漢方専門店
せたがや漢方堂 の横山ですニコニコ

夏休み終わりましたね。日本中のお母さんのため息が聞こえてくるようですにひひ




さて、秋になると急に便秘の相談が増えます。

急に気温が下がるから、大気が乾燥するから、自律神経が乱れるから、食べ物が美味しくて食べすぎるからなど、理由は色々言われています。

東洋医学では秋は「肺」が弱くなる季節と言われています。
風邪をひきやすくなったり、ぜんそくが出たり、空咳が続いたりという方も多く、「秋は肺が弱くなる」というのは、想像つきやすいですね。

そして、五臓六腑の法則で、「肺は大腸と表裏(ひょうり)にある」と言われています。
肺と大腸は密接な関係があるという意味です。

つまり、肺が弱くなる秋は大腸の働きも弱くなるということです。

特に変わったことをしていなくても、普段便秘にならない方も、秋は便秘になりやすくなります。
元々便秘症の方は更にひどくなり、いつも飲んでいた便秘薬では効かなくなったという話もよく聞きます。



ということで、今日は便秘の漢方薬のお話です。


便秘はよくある症状で、あまり深刻に考えていない方も多いかもしれません。

しかし、たかが便秘、されど便秘!なのです。

慢性的に便秘をしていると、腸の上にある胃の調子も悪くなってきます。
胃がもたれやすい、むかむかする、食欲がわかない、などといった症状の方によくお話を聞くと、長年便秘だったり、毎日出ていてもスッキリしないという方が多いです。

口から肛門までは、一本の管でつながっていると思ってください。
そう考えると大腸で便が詰まっていると胃もつまってしまうのです。

また、口臭が気になる、という方にも便秘の方が多いです。

これもまた同じで、大腸も小腸も胃も詰まって、食べたものがいつまでも消化管に留まっていると、食物が発酵して、消化管の入り口である口から嫌なにおいとして出ていきます。

また、東洋医学では大腸の状態は直接皮膚に現れると言います。

アトピーやにきび、肌荒れでご相談に来る方には、便秘がちであったり、便秘と下痢を繰り返していたり、いつもお腹が張って苦しい、と訴える方が多いです。

その他、便秘が原因で起こると言われる症状として、高血圧、痔、頭痛、肩こり、生理痛などがあります。

これらは全て、慢性的な便秘によってお血(おけつ:血液が汚れること)を引き起こしたためと考えられます。

東洋医学では血液の汚れは便から出ると考えられているからです。


まさに便秘は万病のもと!ですね。
便秘を治しただけで、色々な体の不調が一気に治る方も多いのです。


ではここで、タイプ別に漢方の便秘薬をご紹介しましょう。

漢方で便秘薬というと、大黄という生薬が入っているものが多いです。
大黄はセンノシドという瀉下作用のある成分があります。飲んで次の日には効果が現れますが、連用すると体を冷やす作用がありますので、他の生薬と組み合わせて、体を冷やし過ぎないように工夫がされています。
また、タイプによっては、大黄のような瀉下作用のある生薬を使わずに便秘を解消する場合もあります。
大黄が使われていないものの場合は、便秘が改善するまで数日かかることがあります。



熱の便秘
肉や脂っこいものをよく食べ、野菜が不足しがちの方に多いです。冷たいものが好きで、喉が乾きやすい。
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)、大承気湯(だいじょうきとう)など

食生活の不摂生による便秘です。野菜や果物を食べて、肉や揚げ物は控えましょう。
上記の処方はどれも大黄が使われています。


気滞の便秘
ストレスが多く、便秘と下痢を繰り返す、いつもお腹が張った感じがする。通常の便秘薬では、下痢になったりお腹が痛くなってしまう。
四逆散(しぎゃくさん)、桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)、加味逍遥散(かみしょうようさん)など

過敏性大腸炎の方もこのタイプです。(過敏性腸症候群の漢方薬も読んでみてください)生理前に便秘になり、生理が始まると下痢をするという方もいます。
上記の処方には大黄は使われていません。気を巡らせ、腸の働きを整え、お腹の張りを軽減してくれます。



冷えの便秘
お腹が冷えている感じがする、冷たいものをよくとる、通常の便秘薬では、下痢をしてお腹が痛くなる。
小建中湯(しょうけんちゅうとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)など

お腹を温め、腸の働きをよくしてくれます。上記の処方にも大黄は使われていません。
小さいお子さんの便秘にもよく使います。


お血の便秘
生理痛や、痔、肩こり、頭痛などもあり、生理前に便秘がひどくなる方が多いです。
血液の汚れが原因です。
桂枝茯苓丸加大黄(けいしぶくりょうがんかだいおう)、駆お血丸(くおけつがん)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)など

血液の汚れを便から出すお薬です。全てに大黄が入っています。
血流がよくなるので、生理痛や痔、肩こり、頭痛なども改善します。


血虚(けっきょ)の便秘
便がうさぎの糞のようにコロコロしている。生理が遅れ気味、髪や肌がぱさつく、目のかすみ、貧血があったり、立ちくらみやめまいがある場合もある。
潤腸湯(じゅんちょうとう)、麻子仁丸(ましにんがん)など

血液が不足気味で、腸にも潤いがなくなり、便が出にくくなっています。
上記のお薬はどちらも大黄が入っていますが、体を冷やさないように温性の生薬が入っており、お腹が痛くならずに排便を促します。同時に四物湯(しもつとう)などの血虚のお薬と併用すると効果的です。


ドラッグストアや薬局などで、様々な便秘薬が簡単に手に入りますが、それらの便秘薬のほとんどは、ビサコジルなどといった、腸に直接刺激を与える成分が含まれており、それによって、腸を動かし、排便させています。
こういったお薬をむやみに続けていると、腸は刺激に慣れてしまって、薬の効きが悪くなってくることもしばしばあります。

長年便秘でお悩みの方、市販の便秘薬が合わないという方は、是非一度ご相談ください。




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