こんにちは。世田谷区千歳船橋「せたがや漢方堂」の横山です。
今日は、女性に結構多い「痔」のお話です。
女性が一番痔になりやすい時期というと、やはり妊娠、出産の時ですね。
あれだけ大きなものがお腹に入っているのですから、圧力で肛門周囲が鬱血してしまうのはしょうがないです。
また、妊娠中は便秘になりやすいですよね。
妊娠中は便秘薬を使うのも心配だし、思いっきりいきむのも怖かったりして、便秘が解消しないまま、出産を迎える方も多いと思います。
産後は産後で、母乳をあげると血液が不足気味になり(母乳は血液からできているので)、便が固くなりやすく、引き続き便秘で悩むことに。
痔の主な原因は、下半身のお血(血液の滞り)と便秘なので、当然妊娠中、出産後は痔になりやすくなります。
その時期だけで治ってくるなら、市販の塗り薬などで凌いでいてもいいかもしれませんが、一度痔になってしまうと、産後何年もたっても痔が治らなかったり、いったん治ってもまた再発したりで、産後を境に「痔主」になってしまう方も多いようです。
場所が場所だけに、病院に行くのをためらう方も多いようですね。また、ひどくなると手術を勧められる場合もありますが、これもできたら避けたいですよね。
そんな方には、漢方薬がお勧めです!
漢方薬は痔の治療が結構得意なんですよ。
いぼ痔、切れ痔でお悩みの方には、まずは便通を整え、肛門周囲の鬱血を取る薬(お血の薬)を飲んでもらいます。
出血が目立つ方には、止血作用のある生薬、痛みの強い方には、鎮痛作用のある生薬の入った処方を出す場合もあります。
痔以外にも、頭痛や生理痛など、お血の症状が顕著な方には、全身の血流をよくするお薬、冷えて血行が悪い人には、冷えを取るお薬などを出します。
よく使われるお薬は、乙字湯、桃核承気湯、桂枝茯苓丸、カイカク丸などです。
また外用としては紫雲膏がよく使われます。
妊娠中などで、外用も市販のものを使いたくない時などは特にお勧めです。
切れ痔やいぼ痔とは、性質が少し違いますが、脱肛(肛門粘膜脱出)にも漢方薬はよく効きます。
当店のお客様で、よく効いた例をご紹介します。
70代 女性
脱肛と静脈瘤のお悩みでご来店。
脱肛はかなり前から気になっており、排便後には毎回脱出するので、手で戻していた。2年位前から悪化してしまい、歩いたり、しゃがんだりした拍子にも脱出してしまうくらいになった。日常生活にも支障が出るようになったので、手術をしようか迷っていた時に、当店の前を通りかかり、漢方薬を飲むことに。
お薬は、血流を良くし、気を補う作用のあるものを15日分処方。
15日後、脱肛の出てくるのが、3分の1くらいになったと、喜んでご来店。
その後、1か月同じお薬を続けていただきましたが、だいぶ小さくはなってきたものの、完全には引っ込まないということなので、内臓下垂に効果のあるものをプラスして飲んでいただくことに。
それから1か月後に、脱肛がすっかり引っ込んで、排便時も出なくなったと、大変喜ばれてご来店。
静脈瘤も、完治ではないですが、だいぶ薄くなってきたようです。
まだ少し無理をして歩きすぎたり重たい荷物を持ったりすると、出てくるような不安感があるため、現在も漢方薬は服用していただいています。
その他、いぼ痔、切れ痔は治療例多数あります。またいつかご紹介します。
痔でお悩みの方、漢方薬という方法もありますよ。是非一度ご相談ください。
女性のための漢方薬専門店 せたがや漢方堂