一人寂しくラーメンを食ってる女が、厄年らしい。
年末の夢には旦那がオカマと浮気するっていう、問答無用の夢を見た女が厄年らしい。
おっぱい占いで乳首、真っ黒だった女が・・・。
もういいですかね？ひつこいですかね？
そうなんですよ、厄年ですって！奥さん！
いやだわ・・・。
でも。
経験者は語る。
タイトルにもある通り、本厄よりも後からやってくる後厄の方が、パワー炸裂してんのよ。
知ってた？
まごうことなき適職執事さん、知ってた？？
厄の野郎、‘今か？今か？’とチャンスを伺い、ＭＰ満タンにして強烈な一撃をしかけてくる。
あれは・・・。
数年前だった。
当時私には結婚する気、満々の彼がいた。
現在一人身のところを見ると、どうやら幻だったようだが、当時は満々だった。
そして同棲的なものを開始したわけ。
それが本厄の年だったわ・・・。
私はですね、とにっかく家を出たくて出たくて仕方がなくってね。
その頃ちょうど色々あって、‘もう無理だ！家を出て一人で住む！！’と、彼に発狂したわけ。
したら冷静な彼が、‘そんなお金もないくせに、感情に身をまかせて行動してはダメ！もう少しだけ待ちなさい。’と。
２つ下の彼に言われましてね。
むぅ・・・。
その通りだけど。
ある日。
彼が「会社の先輩の家にお呼ばれしたから、一緒に来て」と。
あんまそういうの、得意じゃないけど、ここは彼の顔をたてるべく、同行。
部屋に入っても真っ暗。
人の気配もない。
したら彼が。
「お誕生日おめでとう！一緒にココで暮らそうね！」
ぬぅおおおおおおおおおおーーー！
なんだ！このシチュエーション！！
いい奴ーーー！お前超いい奴ーーー！
巴投げとかさせろーーー！！
そして同棲が始まったわけ。
社宅ともしらずに。
正式には、彼の会社が所有するマンション。
１室だけ会社とは無関係の住民が住んでいたが、夜逃げしたため、開いた部屋を彼が借りたというわけ。
それでも。
彼の気持ちが嬉しかったさ。
あぁそうさ。
嬉しかったはずだった。
私、いちよう‘引越して来ました、セシルです’って挨拶まわりした。
最上階の南向きの、一番広い３ＬＤＫ（１００㎡ぐらいあんのよ）に住む、社長の愛人（ガキは３歳）とこにも行った。
後日。
ピンポ～～ン。
ガチャッ。
「こんにちわ！セシルさん！この間はわざわざご挨拶、ありがとうね。」
出た。
愛人だよ。
「あ・・・。いえ。えっと・・・どうかされました？」
「あ！そうそう。せっかくだから、セシルさんの歓迎会をしようと思って。社長からお金、たっくさんもらったし」
（そんな情報いらないんだけど）
「え！？そんなの結構ですよ！ほんといいですから・・・。」
「遠慮しないで！お金ならいっぱいもらったから。」
（だからそんな情報もお金もいらないから。早く帰りなさいよ！）
「え・・・。あのほんとに・・・」
「じゃ来週の（金）、〇〇ってうどん屋さん、知ってる？あそこの２階で予約してるから。ここのマンションの奥さんも、み～んな来てくれるって！じゃ！」
死ねばいいのに。
お前主催だったら、皆風邪引いて寝込んでても、奥さん連中、這ってでもくるよ・・・。
生理２日目でも来るさ。
こんな歓迎会は序章にすぎなかった。
またまた後日。
私は全ての生活を彼のお金で成り立たせていたから、とーても気楽に過ごせていた。
家の中限定だけど。（当時はまだゴンはいません）
無職女がやる事といったら、それはもうプレステしかないじゃない。
朝までずっとやるしかないじゃない。
そんなある朝。
９時まで寝ずにゲームしまくってた私。
たばこがきれた。
買いに行って寝るか・・・と商店街まで。
自販機でたばこを買って、取り出そうとした私の方をポンポンと叩く人が。
ものすご～く嫌な予感がして振り向くと・・・。
出た。
部長の奥さんだ。
「おはよう
」
「あ・・・。お早うございます・・・。」
「今ね、そこの喫茶店でモーニング食べてたら、セシルさんが見えたから、一度ちゃんとお話したいと思って。よかったら一緒にモーニング、食べない？」
もう眠いんですけど・・・。
あんた達は全うな生活してんでしょうけど、わたしオールですから・・・。
けど、部長の奥さんだ。
彼の顔をたてなきゃまずい。
渋々付き合いましたよ。
２時間も。
いっときますけど、まだまだこんなの序章ですよ？
この‘モーニング大作戦’ですけどね。
これをきっかけに毎朝続くんです。
毎朝。
９時になったらピンポーン。
新聞屋の勧誘でもすればいいじゃない！！
もうこの朝９時が近づくと、寝てても鳥肌たってくる。
彼が帰宅する時鳴らす、愛のピンポンでさえトラウマで、‘お願いだからチャイム鳴らさず入ってきてくれる？’って懇願するほど。
ダメだ。
絶えられない。
社会不適合なセシル。
そもそもこんな奥さん連中と話が合うわけもなく、ただただタバコをわずか２時間で１箱吸ってしまうほどの、イライラ感。
今度こそ・・・。
今度こそ断るんだから。
この戦いは明日も続く・・・。
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やっぱり遠い目２（使い回し）