早速ですが‘お施餓鬼(おせがき)’ってご存知でしょうか?
簡単にいうと、ご先祖様をお迎えにいく行事とでも申しましょうか??
難しくいっても、ご先祖様をお迎えに行く行事としかいい様がないんだけど、私は毎年きちんとお寺に行って、お迎えしております。
ちなみにお迎えしたならば、お送りしないといけません。
なのでまた来週送りにお寺に行きます。
なかなかしっかり者で皆のハートを鷲掴みのはず。
元々はわざわざお寺さんに出向いてまで行ってた訳ではないのですが。
なかなかお嫁に行かない私にマミーはいつも、少しの嫌味とたっぷりの愛情で、‘あなたが30歳になるまでは、毎日ちゃんとお弁当作ってあげるね!’
と、言っていました。
しかし私が30歳になる5日前に、この世を去りました。
今でも自分でお弁当を作るたびにこの言葉を思い出し、少し切なくなるのです。
マミーはあまり夢に出てきませんでした。
ごくまれに‘友情出演’程度に出てくることが数回。
喋ることもなく、何をするでもない、そんな夢ばかりでした。
ある日。
とても久しぶりにマミーが夢に出てきました。
とてもリアルに。
夢の中では私は実家にいて、玄関のチャイムが鳴ったのでドアを開けてみると、マミーが立っていました。
「お母さん!!」
「セシル!!」
二人で手を取り合ってものすっごくピョンピョン跳ねながら、笑いあいました。
今でもあの‘手の感触’ははっきり覚えています。
とにかく私は嬉しくって、何から話をすればいいのか分からず、とにかく握った手を離さずに、‘お母さん!お母さん!元気そうやん!そうそう私、今はここに住んでないよ?知ってる?あっ!それにゴンちゃんっていう、ヨーキー飼ってるねん!お母さん見た事ないやろ?連れてくるからちょっと待って!あーーー!!とにかく家に入りよ!’
と、まくしたてて喋りだし、お母さんの手を引っ張って、家の中に入ろうとしました。
でもお母さんは絶対に家の中には入ってこようとしません。
それどころか、門すらくぐる様子もない。
少し困った顔して笑ってる。
何か喋っていたようにも思うけど、聞き取れないし思い出せない。
最初に大きく私の名前を呼んでくれたのだけは分かった。
私は何度も、「ねぇお家に入ってお話しようよ!ねぇねぇ!」
と言っても、てこでも動かない母。
まるで、門があっちとこっちの世界の分かれ目の様に・・・。
フッと横を見ると、顔は分からないが男の人と一緒のマミー。
‘誰だ・・・??おじいちゃんかな・・・??’
ちょうどその頃、リアルにゴンちゃんが‘朝ごはん、頂戴よー!’と私を起こしに来てるのが分かった。
‘ちょっと待って!久しぶりに夢にマミーが出てきてるねんから!あと少しだけ・・・もうちょっとだけ・・・’
ゴンに通じる訳ありません。
手で‘もしもし?’とか体全体を私の顔に乗っけてきたりしながら、嫌がらせのオンパレードで、何がなんでも起こそうとしてる。
‘あー待ってって!!目が覚めるよ。だめだめーー!’
もう目が覚めるそのぎりぎりのところで、マミーの横にいるのが誰だか分かった。
‘お父さんだ・・・’
それから1ヶ月後、父は心筋梗塞であっけなくこの世を去った。
この夢の意味は分からない。
ただの偶然かもしれない。
でも。
なんとなくマミーはちゃんとお父さんを迎えに来たんだと思う。
死んでも夫婦なんだなと思った。
お母さんがお父さんを呼んだのではなく、きっと寂しがりやの父がお母さんを呼んだのだと思う。
こうしてセシル家の名を継ぐものが私しか居なくなった今、施餓鬼というものを私がする様になった訳です。
家にはお仏壇もあるし、お墓へも毎月行くんだけど、こうして年に一度、お寺にお迎えに行くと、‘あぁ・・・今年も半分以上過ぎたなぁ・・・。みんないなくなってしまったなぁ・・・’としみじみさせられるのが、施餓鬼。
今でも父や母がいないというのは、あまり実感がなく、そもそも居たのか?と思う時もあるほどだけど、やっぱり彼らが居たから私がいる訳で、これからもずっとお寺にお迎えに行って、ちょっとセンチメンタルにお弁当を作り続けるんだと思う。
いつか私がお母さんになったら、うちのマミーみたいになりたい。
あんな素敵なお母さんは何処を探してもいないから。
・・・・・・だいぶタイムリミットきてるけどね・・・。
随分長い文章になっちゃてごめんねーー!!
最後まで読んでくれてありがとう!
明日からまたじゃんじゃん薄ら笑いでいくわよーー!!
よろしく!
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