繰り返さないためにも | セセデブログ

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共和国が拉致を認めたという報道が流れた。


当時、私は中学生。


その事実が報道された数日後の下校時にこんなことを言われたのを記憶している。


とある通行人(恐らく日本人だったと思う)が私の顔を覗き、話しかけてきた。


「あなたは朝鮮人なの?」


「はい、そうですが」


「早く朝鮮に帰れ!」


「…」


「拉致被害者の家族に謝れ!」


「私は3世です。私の先祖は、植民地時代に日本に連れてこられました。それは拉致じゃないんですか」


「サンセイって?…」


(そんなことも知らないんだ)

「私は日本で生まれ育ちました。私たちの先祖を連れてきたのはあなた方の先祖じゃないんですか? 帰れって、一体どこに帰れというのですか。」



私が言った言葉の意味を知ってかしら知らずか、その見知らぬ人は急に血相を変えて手を振り上げた。その瞬間、私は怖さのあまり、その場を走り去った。


その時の格好は、チマチョゴリ。


目に涙を溜めながら、意地でも泣くもんかと歯を食いしばりながらとぼとぼ帰ったのを今でも覚えている。


「悔しい」。不意にこぼれた本音とともに、堪えていた涙も我慢の限界だったのか、それは滴となり、私の頬を伝った。



あれから13年。


共和国が核実験を行なったという報道が流れた。


子どもがウリハッキョに通っている父母と話す機会があり、児童たちが嫌がらせを受けていないかと聞くと、やはりあったという。それも、日本学校に通っている児童からの暴言で、私が過去に言われた「朝鮮に帰れ」の言葉だったとか。



なぜこんなことが繰り返されるのか。


いつまでこれを繰り返すのか。


このままでは何も変わらない。


現状を変えるためにはまず、真実が何かを学ぶことが大切だと、私は考える。