誌面デザインにおいて必要なものとは何か?
前々回くらいにも少し触れたが、現在セセデ9月号を制作している中で、改めて誌面デザインについて思い直してみる。
これは個人的な、特に現地点でのあくまで一意見。
まずは誌面デザインの目的は何か確認してみる。
これは一言で言うと「共有」だ。
書き手の意図を最適な手段で読み手に伝達し、考えや知識の共有を目的とした設計を組むこと。
情報を伝達し共有するという行為、つまりこれはコミュニケーションだ。
会話や手紙、テレビやラジオ、そして雑誌などのあらゆる情報伝達ツールは、コミュニケーションであり、共有を目的としている。
手段が言葉なのか文字なのか、映像や音楽なのかというのが分別されるが、性質と目的は共通している。はず。
つまり雑誌媒体でのデザイナーの仕事とは、書き手と読者のコミュニケーションを円滑に進めるための中継役となる。
だとすれば、これに必要となるのは、書き手の意図を読み取るコミュニケーション能力。
そして読み手に伝えるためのコミュニケーション能力。
これには受け手の生理学的、社会的な側面などを考慮して情報を整理、設計する能力が必要である。
こういった技術的な手段が必要なのは、他のコミュニケーションも同じであろう。
そこで重要なのは、中継役本人の、人との関わり合いに対するスタンスだ。
芸術感覚は二の次で構わないと思う。
不足は言い訳にしかならず、手段はいくらでも講じることができる。
コミュニケーション能力とは技術なので、鍛えることができるのだから。
自分にプレッシャーを与える感じになったが、とにかく9月号を頑張ろう。