ティール組織の重要な構成要素の一つである
「全体性」について、説明します。
全体性とは?
ティール組織における「全体性(Wholeness)」は、
組織内の個々のメンバーや部門が孤立せず、
相互につながり合い、組織全体としての一体感や
統合性を持つことを指します。
まるでアメーバのように、
それぞれの細胞が意思を持ち、
独自に行動しながら全体で統制が取れているのです。
これは、従来の組織の分業や階層構造とは
異なるアプローチであり、
個々のメンバーが自己組織化され、
自己管理されることで実現されます。
全体性の考え方では、
組織は単なる部分の集合ではなく、
相互に関連し合う要素やプロセスの
ネットワークとして捉えられます。
個々のメンバーは、
自己の役割や責任だけでなく、
組織全体の目標や使命に貢献することを
意識し、感じ取り、自ら行動します。
組織内の情報や意思決定は、
階層的な指示命令ではなく、
透明性と信頼に基づいた
共有や合意形成によって行われます。
全体性の重要な側面の1つは、
個人の本来の自己を表現すること
が求められる点です。
組織内では、
個人の感情や意見、能力を抑制せずに表現し、
他のメンバーとの関係をより深めながら、
より良い結果を生み出すことが期待されます。
全体性の概念は、
ティール組織の主要な原則である
「自己組織化(Self-organization)」や
「目的志向性(Purpose)」と密接に関連しています。
自己組織化されたメンバーが
組織全体の目的に向かって協力し、
相互に補完しあうことで、
組織の全体性が高まります。
したがって、ティール組織における全体性とは、
「組織内のメンバーや部門が相互につながり合い、
一体となって共通の目標に向かうこと」を指します。
「個々のメンバーが自己を表現し、
自己管理すること」によって実現されていきます。
従来組織で全体性を高める方法
どうすれば職場の全体性を
高めることができるのか?
これは何もティール組織に
するときだけ必要なものではなく、
従来組織でも必要なことです。
従業員全員が一致団結して
課題に取り組むこと、
それはどんな組織でも
望んでやまない環境のはずです。
まずは、リーダーが
従業員から信用されていなければ
なりません。
その前提がなければ、
小手先の組織改善の手法で
変えようとしても悪循環です。
まずは、
経営陣全員が意識を変えて、
組織メンバーを信頼することが
最も重要です。
最も重要な部分ですが、
最もシンプルな作業となるので、
詳細を説明するのは割愛します。
1人の人間として、
相手の気持を想像すれば
分かることです。
その次に、
「全体性」と「存在目的」の視点を
どう取り入れていくかを考えます。
簡単に言うと、
全体性とは「不安や抵抗をやわらげる」こと。
全体性が実現している組織は
「メンバーが、仮面を脱いで、
自分自身のすべてを職場に
持ち込むことが出来る組織」です。
組織メンバーが不安に思っていることを
全員が集まる場で、互いに話し合い、
解決していきます。
また、存在目的は、意思決定の軸となる
ものであり、同じく話し合いの場で、
みんなで意見交換をしていきます。
これは、ミッションやビジョンのように
固定化された表現でなく、
メンバー一人ひとりが耳を傾け、
感じるもの、です。
1人ひとりの言葉で語られ、
周囲のメンバーがそれに同意したり、
違和感を感じた部分を話したり、
その意見交換を繰り返すうちに
形成されていきます。
ティール組織の事例の多くでは、
固定的な戦略、中期の事業計画、
短期の予算や目標を設定しないかわりに、
定期的にメンバーが集まり、
個人と組織の存在目的について
語る場が設けられています。
倫理的にどうするべきかに
全員異論がないはず。
問題なのは、
組織として正しいことを選択しようとして
被るマイナス面をどうリカバーするか?
余裕がないので今回は内緒にしよう、
目をつぶってもらおう、
ということになるのか?
個人の存在目的と組織の存在目的が
共鳴しているかどうか?
意思決定に迷った際は、
経営者の意向ではなく、
存在目的が拠り所となるのです。
従来の組織では
「組織の成果」と「人の幸せ」はトレードオフでした。
これからは、
「個人の存在目的」と「組織の存在目的」を
大切にすることで、共存を目指すのです。
存在目的を感じて対話する機会を設けることは、
自主経営で重要となる、
信頼を土台とした現場での
意思決定ができる環境づくりにつながります。
日常的に自らの経験を通して
「大切にしたいこと」を振り返る習慣があれば、
次第に「個人の大切にしたいこと」が浮かび上がってきます。
従業員全員でこの振り返りの時間を共有することで、
みんなの考えがまとまってきます。
ひとり浮いているな、と感じる人は
やがて組織を離れていきます。
この試みを、経営幹部の1人に仕切らせたり、
間接部門(人事、業務、研修)にまかせっきりに
しないでください。
本質を理解せずに行う改革は
時間と金の無駄でしかありません。