前回は、「最近の世代は新しい感覚を持っていて、
知性の発達段階が高いレベルに到達している人が増えている」
まで説明しました。
この説明は、知性の発達レベルを調査したものであって、
組織マネジメント力とはあまり相関がありません。
では組織マネジメントの発達はどうでしょうか?
組織マネジメントの発展の歴史
英治出版から2018年に出版された「ティール組織」は、
組織の発達段階を、
無色→マゼンタ→レッド→アンバー→オレンジ→グリーン、
そしてティールと7段階に分類し、
組織が段階的に発達するしくみを説明しています。
これから新しく主流になるティール組織の特徴を、
12社のパイオニア組織の調査結果からまとめています。
著者の意図により、ティール組織導入のハウツー本として
素人にも分かり易く紹介しベストセラー化させることより、
参考事例を可能な限り紹介し、社員自らが職場で相談し、
いろいろ試しながら、独自のしくみを作り上げていくことを
想定して書かれているため、
内容が難解で(濃すぎて)消化しきれない人が多いようです。
本当に求めている人(実践する気がある人)に役立つ情報
に特化したため、流行に飛びついた人は最後まで
読み込む気力がなかったようです。
ある意味著者の意図通りですが、本気でティール組織を
作りたいと切望している人なら、600ページ近くある
本書は「よだれが出るほどおいしいケーキ」なはずですが、
案の定、しくみだけ手っ取り早く取り込みたいと思って、
前半100ページだけ流し読みした人は結構な割合で失敗しています。
「ティール組織は、ある程度レベルの高い社員でないと
仕切れない」
「ティール組織を導入したら、
社員が何をしているのか収集つかなくなった。」
「社員を信用して管理しないなんて、危なくて無理」
特に、すぐ実践できるスタートアップの50人以下の
ベンチャーなど、言葉の端々から、
明らかに読み込み不足を感じます。
ティールパラダイムまで発達していないリーダーが、
本質を理解せずに形だけ真似たから失敗したのです。
ティールパラダイムと、それ以前の違い
各パラダイムの説明なら、検索して頂ければ、
山ほど「うわつらの説明」が出てきますので省略します。
ティールパラダイムとそれ以前のパラダイムと
何が違うのでしょう?
それは「恐れを超越すること」です。
自分の人生を突き動かしているものはなんでしょうか?
支配したい、自分を好ましく見せたい、
保身、野心、願望、恐れ、などが見えてくるなかで、
純粋な自分の生きる目標を見つめ直し、
それ以外の欲求を不要なものとして最小化する術を得ること。
例えば大谷翔平のように、「高みを極めたい!」、
「子供のような純粋な心で楽しみたい!」
という気持ちで心の中を占めていると、不要な「エゴ」、
「恐れ」は消えていきます。
「恐れ」が消えると、「ドライに見える」ことも
あるかもしれません。
恐れから来る「現状維持」より俯瞰的視野で自分を客観視し、
「変化を楽しむ」大胆さが生まれるからです。
でもそれは、多くの人が共感し、憧れる振る舞い、
生き様となります。
つまり、ティールパラダイムの人達が大部分を占める
ティール組織とは、
個人の知性発達段階が、最上位である自己変容型人材が
心地良く過ごせる組織環境なのです。
ちなみに、欧米圏でティールパラダイムに達している人は、
2~5%以下だそうです。日本では0.5~2%ぐらいな感触です。
いくら細かな資料でティール組織の良さをプレゼンしても、
理解が深まることは決しありません。
無理やり馬に水を飲ませることは出来ないのです。
頭がいいとか、大企業とか、経験豊富とか関係なく、
ピンと来る人にしか理解されないようです。
個人の知性が発達するとティール組織との親和性が高くなる
最近、センスのいい若者が増えています。
かれらは、辛く険しい人生経験を経なくても、
なぜかティールパラダイムの価値観を理解しています。
知性の発達レベル対年齢の調査結果のグラフを見ると、
20代~30代で急激に向上し、30才頃に少し落ち着き、
60代までリニアに発達し続け、一生成長していることが分かります。
(英治出版「なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか」より)
そして、20代で上位の人は、その時点ですでに、
40~50代の平均値よりはるかに高い知性を持っています。
何を言いたいかというと、現場でベタな仕事の進め方は、
普通の上司先輩にも指導出来るかもしれませんが、
人間としての知性の発達の観点から言うと、
年長者という理由だけで若者に口をはさむのは、
足手まといにしかならない場合が多いのです。
ましてや世の中の変化が早まり、
過去のベタな経験や人間関係が通用しなくなり、
ますます年長者の存在理由が減りました。
過去の経験の分析やナレッジマネジメントもAI化により、
ますます情報は共有され、
管理職の存在意義はなくなりました。
そんな上司に若い世代の社員の人事評価など、
出来る訳がありません。
馬鹿らしくてやってられないでしょう。
今後、自然にナレッジマネジメントと評価制度は、
AI化に移行し、結果的に会社組織は大きく改善されます。
派閥やコネや表面上の品行方正を考慮する評価より、
AIが行う評価の方がマシと考える社員の方が多いのでは?
高齢者が増えることもあり、
20代から60代まで正式のポジションは
横並びにせざるを得なくなります。
でも現場では、
能力や実力に応じて自然発生的に権威は付いてきます。
評価は、
AI併用で周囲の同僚からの
360度評価となると私は予想します。
「出過ぎた杭」的優秀な若者をどう評価するか、
の課題は別として、
ほとんどティール組織のしくみに
似てくるでしょう。
AIメンターとは?
「AIメンター」として2023年4月の時点で、
すでに商品化されていますが、まだまだこれから
発展していくでしょう。
現時点で「自己主導型知性」の知性に導く程度の
役割しかできないと予測しますが、
それでも十分、現状の普通の上司より優秀な
指導が出来るでしょう。
しかし、今後、求められるのはもっと高い次元の「メンター」、
人間の「メンター」です。
優秀なメンターの能力は、
スピリチュアルの一歩手前まで達しています。
それを敢えて、
「長年の経験から得た勘」と呼びます。
それが必要になってくるのです。
つづく