1本500円のワインと2万円のワインの違いは「味」ではない。
それは、「文化」の違い。
500円のワインには文化がないが、2万円のワインには文化がある。
ここで言う「文化」とは、そのワインを作っているシャトーの歴史だったり、
ブドウを守ってきた人々の歴史だったり、そのワインが秘めている様々な「ストーリー」のことである。
味と香りとともに、そのワインが生まれたストーリーも味わう。
それが2万円のワインの楽しみ方であり価値である。
しかし、そうした文化を味わうためには、味わう側にもそれなりの知識や教養、
文化を愛でる成熟度が要求される。
(千円札は拾うなより抜粋)
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私が考える成熟度とは、知識として知っている以上に、「想像できること」「感じること」ができることだと思います。
例えば、サービスの良いお店には、見えていないところに、もっとサービスの仕掛けがあったりするのだと思います。
お客さんの視点が高く、感じる力があるほど、お店のレベルの高さもわかっていくのだと思います。
どれだけ受け手がそれに気付けるか?感じられるか?
気づきや感性の中でも、「心地よさ」は流れがスムーズなだけに気がつきにくい。
一方、「心地悪さ」はすぐ感じるものです。
人に翻ると、他人を中傷したり批判ばかりする人というのは見えていない、気付けない人なんだろうな、
と思います。
悪いところはすぐ感じることができる。
気が付ける人は、他人の良いところにもたくさん目がいく。
人やサービスを受け入れられるかどうかはその人の成熟度次第だということですね。
この考えを個人と企業に当てはめてみたい。
個人の成熟度=想像力、感性
その感性で何を美しいと感じ、何で感動するのか?
その想像力で、物理的なものの先に何を見ることができるのか?
そういったものを突き詰めた先には、
個の「軸」「らしさ」「ism」「スタイル」「雰囲気」「世界観」
そういった言葉で表されるような、個人特有の「文化(カルチャー)」が見えてくる。
ここで言っているのは、心のあり方や美意識などの「質」の充実の話であり、
経済的に裕福、大金持ちなどの「量」の話ではない。
つまり、ここで最近話題でもある「品」や「格」といったものが試される。
人生の幸せを考える鍵はその「質」を追求することだと思う。
企業においても同様で、徹底的に突き詰めるべきは、時価総額〇〇億円などの「量」ではなく、
いかに感動的で楽しい世界を作り出せるか、という「質」を追求していくことが、
企業の幸せを考える上でも大切なのだと思う。
企業経営は芸術活動であり、経営者は究極のアーティストなのだと思う。
その突き詰めた先に、企業特有の成熟した「文化」が生まれ、伝播し、人の心を魅了し、ブランドとなり、
高い価値として認知されることになるのだと思う。
ライブドア事件での教訓でもあったのですが、企業として目指すべくは
品格を伴った、企業独自の世界観の実現や感動などの付加価値探求です。
それを可能にするのは、成熟した個人達なのだと思う。
周囲を魅了するような「ism」や「世界観」を持ちたいですね。
例えば 「イチロー」 のような。