4月にホームである日本武道館で2daysワンマンを行い、2枚のシングルをリリースした後、久々に各地の夏フェスに足を運んだLiSA
そのLiSAが秋にアリーナツアーの開催を発表したが、今回のツアーは「SWEET」に「SOUR」と最初からコンセプトが別れた上での2days開催に
当然2日参加だが、SWEETとなる横アリ初日はどんな曲が来るかはなんとなく想像できる

開演前に横アリ周辺はLiSAのグッズを着用したLiSAっ子が集結(自分も「LiTTLE DEViL PARADE」のホールツアーのTシャツを着用)し、記念撮影したりしているが、ステージに入ると楽器隊は大きく2つに別れている
タイトルは「COCKTAiL PARTY」ということでBGMはバーに来たかのようなムーディーなもの
ちなみに自分はつい先日、贔屓の福岡ソフトバンクホークスが優勝したのを祝したお酒しか年内は飲んでいない

なお今回のレポはLiSAからネタバレ厳禁を伝えられているが、既にライブファンズにセトリがもれなく投下されてしまっているので、掲載はするが横アリ以降の公演に参加する方は閲覧回避を推奨する
それでも見る方は自己責任のつもりで見ること

定刻から少し過ぎた頃にゆっくり暗転
LEDにLiSAと思われる人物が外出の準備をしている映像が映されるが、この映像で際立つのはオレンジ
もしかしたらこの映像は翌日、少し変化が見られるかもしれない

この映像が流れる中でLiSAのバックバンド、わんたんにゅーめんずが登場し、オープニングムービーが終わったところでバックダンサー(今回は4人。6人じゃなかった?)と共に登場したLiSAはツインテールこような髪型で五等分の花嫁の中野二乃を連想させるが、パーティの始まりを告げる「Rally Go Round」はいきなり特攻炸裂
LEDに歌詞も流れて合いの手も入れやすく、LiSAの後ろに一列で並ぶダンサーの動きも綺麗に揃っているが、これまでの「Rally Go Round」と大きく違うのはホーンの音が強調されていること
バンドメンバーが増えたのかと思いきや、ホーンを吹いている方はいない
マニュピュレーターや鍵盤のあっきーが出したものだと思われるが、今回のアリーナツアーはあっきーの活躍が際立つ
初日を終えた印象はそんな感じだった

そのままいくちゃん(Gt.)が鳴らすギターリフが心を大いに掻き立てる「Hi-Five」が鳴らされるが、入口に入るとポップパンクでシーンを牽引したSHAKALABBITSから花束が届いていた
もはやLiSAの名前は音楽をあまり聞かない方にもとどくようになったが、LiSAのルーツはアブリル・ラヴィーンやGREEN DAYといったポップパンクにある
この「Hi-Five」のメロはかの「American Idiot」を彷彿させるものであり、ルーツを思わせる「Hi-Five」をやるとLiSAはやっぱりロックヒロインだなと思う

横アリと言えば2016年に「NEVER ENDiNG STORY」で2days 、2019年には「364 + JOKER」で2daysを行っており、非常に縁のある会場

「前回ここでワンマンしたのは平成最後の日でした。令和になってからは初。甘く泥々になってもらいます。」

と数々の伝説や怪物をやっつけた会場
気合の入った一言を告げるが横アリ特有のセンター(1階) 、アリーナ(2階)、スタンド(3階)は今回ようやく言及出来た模様
前回言えてなかったことに関しては全く気づけなかったが

今回はCOCKTAiL PARTYゆえ、おなじみの

「愛と思いやりをもってみんなで楽しんじゃおう〜!!ピース!!」

の後に乾杯の音頭も行われるが、「妄想コントローラー」になると結束バンドやAdoのバックバンドもつとめる石井裕也ことゆーやん(Dr.)以外のメンバーは前へ
あっきーはショルダーキーにスイッチしているが、前回聞いたのは発声禁止中だった2021の武道館
合唱ありの「妄想コントローラー」はこれが初だったりする

ボートレースのCMソングでもお馴染み「MAKE A MiRACLE」は作曲したPABLO(Gt.)にいくちゃんを引き連れて、LiSAは花道に出るがパンキッシュな曲だからだろうか、LiSAは客席に座るように呼びかけてPABLOの合図に合わせて一斉にジャンプするラウド・パンクバンドのライブではお馴染みの景色を横アリで
確かにゆーやんが刻むビートは性急だし、ドライブ感もあるがLiSAのワンマンでこの景色が実現するなんて思いもしなかった

3人が花道から戻るとあっきーが曲間を繋ぐように鍵盤を奏で、LiSAもその鍵盤に合わせるように鍵盤ハーモニカを吹くのだが、そのハーモニーを活用した「Sweet Friendship」はLiSAの伸びのある声が広がっていく
タイトルにも「Sweet」が含まれているし、今回のツアーでやらなければ次いつやるんだという感じ

再びあっきーが曲間を繋ぐと今度は「Launcher」に収録されていた「蜜(ステージに蝶が舞っていたのは蝶が蜜を吸うから?)」と懐かしい曲が続くが、ゆーやんがAdoのバックバンドをやっていても、自分にはゆーやんはLiSAのドラムのイメージ
きらびやかで不穏なメロディーを奏でるあっきーがこの日は目立つイメージだけど、その鍵盤に性急なビートを重ねバンドマスターのゆーこーと共にパンクに仕立てているから
ゆーやんの腕には思い切り刺青が刻まれているが、今でも不定期でサポートしてくれる元ART-SCHOOLの鈴木浩之ことキングと共にLiSAのドラムと言えばやはりゆーやんこと石井裕也である

「蜜」を終えると入れ替わるように、ダンサーが医者に扮してステージへ
その際に流れているBGMはあっきーが奏でているようだが、途中で男性は客席に入りなんと参加していた女性をステージへ(髪型がオープニングのLiSAと同じく中野二乃を思わさせる髪型だったので、フラッシュモブかと思いきや、仕込みではない模様。ちなみに自分が「五等分の花嫁」で1番好きなのは四葉)
しかも花道の先端に設置された椅子に誘導され、着席したら腕を固定され、まるで実験に参加しているような光景が広がっているが、ステージから医師に扮したLiSAが登場する「DOCTOR」は過去のライブの光景もLEDに映しながら、ガイコツにセットされたマイクで歌う演出を進化させたかのようにLiSAは椅子に固定された参加者に向けて歌う
色んな意味で忘れられない景色
流石に男性が選ばれることはない(女装しているなら話は別だが…)だろうか、自分が選ばれたら怖すぎてずっと目をつぶってしまいそう(しかも選ばれた参加者の姿はモニターにもがっつり映っていた)

実験に参加させられた女性は男性ダンサーによって丁寧に元の席に誘導されていたが、「Bad Sweet Trap」はダンサーと共にLiSA自身も過激な衣装に扮し、パワフルに歌い上げる
その姿は妖艶でありながら不気味なのだが、女性3人で大胆な衣装で踊っているのを見て思わず「キャッツアイ」を連想したのは自分だけだろうか

そのうえで「わがままケット・シー」は、LiSAがとても丁寧に歌い上げている一方、再び聞き覚えのない音が伝わってきたのだが、それはsumikaのサポートでもお馴染みNona(Cho. & Per.&
flute)がフルートを演奏しているから
おそらくsumikaの荒井ことバロンのようにこれまで披露する機会が無かったのだろう
Nonaのコーラスが上手く、パーカッションも巧みなことはLiSAやsumikaのライブで理解しているが、今後フルートをふくNonaを見かけることも増えそうな予感

するとここで男性ダンサーの2人が花道の先端に登場し、客席を煽りつつ仕事している姿が映されるが、どうやら4月の武道館で開業したアイスクリーム屋が繁盛し、カクテルバーを全国展開出来るようになったのが今回の設定
アイスクリームモンスターが出てきたり、武道館で本物が用意されていたジュークボックスがLEDに描かれたりと、客席からの反応も大きかったが、あっきーによってスーパーマリオを思わせるBGMが演奏され、男性ダンサー2人がマリオのように踊るものの、ここで大事なことを思い出す
その大事なことはLiSAのライブが行われることだが、ここでわんたんにゅーめんずがインターリュードを演奏しだすと、派手な金のドレスを纏ったLiSAがステージへ
その容姿はディナーショーに出てくる歌手(歌姫という表現はLiSAのレポでは避けたい)のようだったが、「赤い罠〜」を1フレーズ歌い上げるとSWEETメドレーへ

まさかここで聞けると思わなかった「KiSS me PARADOX」に、「LANDER」の先行シングルになっていた「土曜日の私たちは」と最初からロケットスタートをきると、カゲロウデイズで知られるじんの曲に客演で参加したダンサブルな「夕景イエスタデイ」をまさかの投入
みんなのうたにも起用された「リングアベル」ではNonaがグロッケンを使用してアップデートされるなどLiSAファンにはたまらない時間となるが、驚いたのはGirls Dead Monsterの「Crow Song」までやったこと
「LADYBUG」のツアーで「Little Braver」も「一番の宝物」もやっていたからガルデモは予想できた
けれどもじんとのコラボ曲もやるのは流石に予想出来ない
それどころかLiSAがパイセンと慕う田淵が所属するQ-MHZとコラボした「LiVE DiVE MHz!!(キメの多い曲調は田淵が関わっているからだろうし、ゆーやんとは相性抜群)」まで演奏
正直これだけでも豪華
特上のステーキを頂いた気分である この翌日はさらなる驚きが待ち受けることになるが

そんなSWEETメドレーの終盤、「だってアタシのヒーロー。」になるとLiSAはステージで倒れ込む
これは予定調和なのか、それとも本当にバテていたかは分からないが、

「フレー フレー」

の合いの手に合わせて立ち上がるLiSAは本当にヒーローになったかのよう
あまりにも素晴らしい復活劇のようだった

メドレーを終えると、ウルトラQで流れそうな映像と共にメンバー紹介が行われ紹介されたメンバーはサイリウムなどを使ってアピールしたりしているのだが、黒いドレスを身に纏ったLiSAがステージに現れ、PABLOが「ブラックボックス」のイントロを奏でるが、生で聞くと秋田ひろむが作詞作曲したのだからもろにamazarashi
秋田ひろむが生で歌っているようにも聞こえるが、同時にあまりもスケールが大きく、PABLOといくちゃんが鳴らす悲鳴のギターや

「壊してくれ」
「殺してくれ」

はとても悲痛だ

音源を聞いたときに「amazarashiですね」と思ったが、これは大きく空気を一変させる1曲になるだろう

その重苦しい雰囲気を一気に変えるのは「ROCK-mode'18」であり、客席から至るところで合いの手が入りつつ、

「たりら!たりら!」

の合唱は怒号と遜色ないくらい大きい

途中からはゆーやん以外のメンバーが前に出てきて、LiSAはハンドクラップを煽るが、ここですべてを持っていくのはギターヒーローこといくちゃん
「LANDER」のレコ発ツアーのようにギターヒーローに扮することはないが、浮き上がる台に乗ってギターソロを弾くのはカッコよすぎする

そうしていくちゃんのプレイに惚れ惚れして、一体感が高まる中で

「さあ次 何の曲?」

の「次の曲」に該当したのは「LiSAと言えばこれ!」になっている「Rising Hope」

どんなにヒット曲が生まれようとも、有名になったとしてもLiSAを象徴する曲は「Rising Hope」
最初の武道館の悔しさはここに多く宿っているから
だからこそ合いの手や合唱もなおさら大きくなるし、いくちゃんやPABLOも前に出てギターを弾いたあとの

「僕は要らない まだ見たい未来があるから」

は歌詞が出なくとも、大きな声が返ってくれる
LiSAと客席の意思はが1つになったかのように

「孤独なんかは消えて無くなって 逃げる事嫌になって
新しい今日を探すんだよ
この願い 例え魔法がなくたって叶えなきゃ 誓った」

は今も昔も変わらない
この信念を抱き続けながらLiSAは今日も転がっていく

そんななか、聞き慣れない曲が流れてくる
かつて読売ジャイアンツの丸佳浩が登場曲に使用していた「ハウル」のようにダンサーがフラッグを持ったりとインパクトある場面が相次いだのは新曲の「QUEEN」

のっけの

「Red or Green」

からただならぬ雰囲気が漂うがこれは「REALIZE」を更に進化させたようなデジタルロックサウンド
まもなく2期が始まる「シャングリラ・フロンティア」のオープニングして流れた際に激震が走るだろう
しかもLiSAは途中から花道を通って先端へ向かい、中央からとてつもなく高い場所に移動して歌う
ロックヒロインに限界は無い
我々の想像を更に超えていく

その高い場所にいる状態からLiSAは「RUNAWAY」を歌うが、いくちゃんによるエッジの効いたギターリフ以上にダンサー達が手に持って放つスモークは迫力満点
ここまでやるのか
今回のツアーはLiSAのデビュー13周年の締めくくりと参加した後に聞いたが、力が入りすぎていてLEDのアニメーションは食われていた

ところが「say my nameの片思い」でLiSAに異変が起きた
LiSAはダンサーを引き連れて、メインステージにダッシュで戻るのだがここで明らかにバテてしまい一時Nonaの声しか聞こえない事態になってしまった
そのため翌日、明らかにこの対策が取り入れられていたが、LiSAはダンサーと共にステージを移動したりあっきーはショルダーキーを背面で弾く何気に凄いことをやっている
無論両手でハートを作る可愛らしい演出はこの日も健在だったが、あっきーがショルダーキーをステージに置くと腕立て伏せをはじめ、LiSAも負けじと始めた結果、例のごとく「ultra soul」を拝借したあと、わんたんにゅーめんずもダンサーも次々に腕立て伏せを始めてしまった(笑)
流石にLiSAはツッコミを入れまくり

その砕けた雰囲気を熱狂に変えるのはW杯のテーマソングにも起用されていた「一斉ノ喝采」
手拍子を入れては入れなかったりを繰り返すのはユニークだが、間奏の合唱はサッカーのチャントそのもので一瞬で会場をサッカー場に変える
しかも前回の武道館と異なり、今回は横アリだからスケールも広大
色んなところで一体となれる合唱を聞いてみたい

「甘い日も酸っぱい日も甘く感じたことも酸っぱく感じた日も全部カクテルに混ぜ合わせました!!今日が作れたのは皆さんのおかげです!!」

とこのCOCKTAiLPARTYを簡単に振り返り、名残惜しいラストは高橋優がLiSAに描き下ろした「拝啓、わたしへ」
PABLOがアコギを奏でている様子は高橋優のようでもあったが、これはこの日のライブを振り返っているようでもあり、LiSAのこれまでを総括しているようでもあった

絵に描いたような幸せとはきっと少し違う
でもきっと今を好きだと言えるだろう
これからも何度でも会う約束を行った後、最後はダンサーが作ったトンネルをくぐり抜けるがLiSAはメンバー紹介を演出か、出演するか悩み、それどころかPABLOは「say my nameの片思い」の振り付けを行うキュートな仕草を見せて本編は終了

少し時間を置いてアンコールで戻ってくると、LiSAは白いドレスに着替えており、そのまま「シルシ」を歌い出した
前半はあっきーの鍵盤と歌のみでその美しさに魅了させつつ、後半はバンドが入ってきたがNonaがグロッケンで参加するようになったことで情景は更に輝いた
フルートにグロッケンとNonaは大活躍しているが、最後のサビ前、再びLiSAの歌声とあっきーの鍵盤のみに
その状態から

「流れてく時間は容赦無くいつかボクらをさらってくから
瞬きした一瞬の隙に キミの見せる全てを見落とさないように」

を歌い、少しずつアンサンブルも加わったが、ラスサビが始まると同時にLEDに花畑が広がるシーンはソードアートオンラインのマザーズロザリオ編でユウキが旅立つシーンを思い出させるものだった
ユウキをリスペクトしたであろうこの演出
思わず心が熱くなるものがあった

そして

「最後は横アリで初めて披露したあの曲で!!」

と「紅蓮華」で銀テープを発射しつつ、歌わせまくり

前回の横アリこと「364 + Joker」で披露された曲はLiSAの名前を一気に轟かせ、最後を締める曲に成長した
新芽だった「紅蓮華」が大樹に育ちこれからもLiSAを照らす
そんな成長を見せるようなラストだった

ライブを終えてメンバー紹介したあと、LiSAは

「どうしても過去のライブは美化してしまいがちで。前回の横アリは平成最後だったけど伝説のライブになった。その前の最初の横アリも伝説になったと思う。最高のライブと伝説のライブを作ってきた横アリだから不安もあった」

とプレッシャーが凄かったことを告白

されど、

「けど今日も伝説じゃない?」

の通り、間違いなく伝説級の一夜
その証拠に、

「最高だったから二日酔い状態になっている(笑)」

と疲労も凄いようだが、

「明日も最高のライブやるよ!!」

と宣言

投げキッスしたあと、名残惜しそうにしながらステージを去っていった

序盤にLiSAが話したように甘く泥々にされながら、自分は横アリを帰宅
初日から凄まじいものを見せられ、「SOURはどうなるの?」と期待を抑えられずにいた
そのSOURであの光景が待っていたなんてこの時の自分は想像しなかった

セトリ
Rally Go Round
Hi-Five
妄想コントローラー
ミラクル
Sweet Friendship

DOCTOR
Bad Sweet Trap
キャットシー
SWEETメドレー※(赤い罠 (who loves it?)(1フレーズ)〜KiSS me PARADOX〜土曜日のわたしたちは〜夕景イエスタデイ(じん)〜リングアベル〜Crow Song(Girls Dead Monster)〜LiVE DiVE MHz!!(Q-MHz featuring LiSA)〜だってアタシのヒーロー。)
ブラックボックス
ROCK-mode'18
Rising Hope
QUEEN※新曲
RUNAWAY
say my nameの片思い
一斉ノ喝采
拝啓、わたしへ
(Encore)
シルシ
紅蓮華