名古屋名物のFREEDOM NAGOYA、近年は大阪を飛び出して東京でも開催されている見放題、東京を代表するサーキットフェスであるTOKYO CALLINGからなる3つのフェスが共同開催するフリ放題コーリング
今年も東名阪での開催となる

初日となる東京はZEPP Hanedaでの開催
面子の大半はCDJ23/24に出演していたアーティストであり、見覚えのあるアーティストも多い

開演時間は14時だが、オープニングアクトは13時20分
すなわちオープニングアクトを見たければ、必然的に開場時間の13時に到着するしかない
なので13時頃に開場入り

CDJ開催後まで実施されていた二次先着で申し込んだため、呼び出し順は早かったものの…

・パーカーズ[オープニングアクト](13:20〜)
呼び出しのアナウンスがされていると同時に、会場からはどう見てもサウンドチェックと思われる音が聞こえ、「おい、ちょっと待て!!」な事態
そんな訳でリハの曲は掲載しているものの、実際にパーカーズのライブを見れたのは本編から
ビバラロック出演が既にアナウンスされているとはいえ、出演日がビバラ名物のラウドdayであり、「その中に溶け込んでいるパーカーズとは一体!?」なんてツイートがされる始末である

当たり前ながら、予習をしてこのフリ放題コーリングに参加しているので、4人制のバンド
それもギターロックというより、ポップスに傾倒したバンドであることは存じていたが、いざライブが始まるとベースはサポートであり、「ポップス日本代表」なんてキャッチフレーズからは考えにくいトリプルギター編成
かつて活動していたSuck a Stew Dr現:)みたく、「もしかしてそんなに爆音じゃないのかな?」と思ったりもしたが、世間にありふれすぎたタイトルの「君が好き」で始まると、「そんな訳ないだろ」と言わんばかり、ねたろ(Gt.)とナオキ(Gt.)はギターを弾きまくり
フカツ(Dr.)のビートさえ力強く、「そりゃあビバラの出演は6日になるよね!」なアンサンブル
オープニングアクトだけに、この日最初のギャップを与えたバンドに

豊田(Vo. & Gt.)がハンドマイクに持ち替え、「事前に昼食は済ませたし、会場は軽度の飲食しか許されてない(スタッフに確認済、客席でなければパンなどを食すことは許可されていた)のに腹を空かす気か」と心でツッコミを入れた「中華で満腹」は表も裏もない飯テロソング
タオル回しはあるものの、必然的に中華料理を食したくなってくるが、豊やが前方にいた客に

「食べたいものある?」

と質問すると、返ってきたのは「それ洋食やん!!」な「ペペロンチーノ」(笑)
よって「ペペロンチーノ!」がコールアンドレスポンスされるが、その後に「フリ放題コーリング!」もコールアンドレスポンス
どんどん曲の意図から外れるのはカオスそのもの

再び豊田がギターを背負うと、

「後悔したくないからバンドを始めた」

と豊田はバンド結成の経緯を話すが、裏を返せばそれは「やりたいことは我慢せずにやろう」
巷で流行しているタイムリープ作品みたく、過去に遡って人生をやり直すことは出来ない
だったら「やれば良かった」にならないように、やりたいことを率先してやるべき
豊田が示しているのはそういうこと

そうして「Good bye」で参加者の背中を押す手助けをすると、最後はSpitzの同名曲のように幅広い世代から愛される曲になりそうな「運命の人」
前述の通り、開場してまもない時間の出演となってしまったため、最初から見れた人も限られているし、リハも最初から見れた人はレア中のレア
バンドにとっても参加者にとっても、運営に翻弄されてしまったが、間に合った人はパーカーズがただのポップバンドではないことを十二分に理解出来ただろう

自分はビバラロックに参加する予定はないが、もしかしたらまだ若手枠が残されているJAPAN JAMに出演する可能性は大いにある
色んなサーキットフェスで見かけるだろうから、各地でただのポップバンドでないことを証明していただきたい
そして参加者の運命の人ならぬ、運命のバンドになれますように

セトリ
SC①ハッピーをちょうだい
SC②怪獣万歳!
君が好き
中華で満腹
Goodbye
運命の人

・トンボコープ(14:00〜)
流石にこの時間になると、最初から参加する予定だった参加者は全員客席に入れたはず
そんな本編のトップバッターは先日CDJ23/24でも見たばかりのトンボコープ
わずか2ヶ月で再び対面することに

この日もでかそ(Ba.)はダンディーにサングラスを着用し、視点を浴びているような気もするが、

「だって今が最高じゃん」

とフリ放題コーリングを全面賞賛するかのように、「Now is the best!!!」で始めるいきなりの切り札開放
CDJで見たことによって、SNS映えなんて一切考えず、正攻法で歩んできたバンドであることは十分理解している
それに加え、CDJよりもステージが見やすいのもあってでかそと共に、盤石な基盤を築く林(Dr.)がほぼ笑顔でドラムを叩いているのも見れる

「あなたも僕たちも…「ストーリーモンスター」!!」

と雪村(Vo. & Gt.)がタイトルコールしたInstagramのストーリーを題材にした「ストーリーモンスター」は、そらサンダー(Gt.)が美メロやエモーショナルなメロを鳴らしつつ、でかそがthe band apartの原のように美声を披露するギャップが印象に残るけど、去年からInstagramを使用するようになったとはいえ、ストーリーは記事の投稿報告に使用する程度
ストーリーモンスターとはどのような人物を指すのか

林の4つ打ちビートと共に雪村の力強い声が籠もった「過呼吸愛」で会場を愛で埋め尽くした後、Zeppでライブをするのは初めてと明かす雪村
しかしトンボコープは昨年、このフリ放題コーリングのオープニングアクトオーディションにエントリーするも落選した過去(去年のオープニングアクトはこの後出演するあのバンド)を持つようで、

「悔しくて1年間、着実にステップアップしてきました…。その結果、このステージに立てました!!」

とフリ放題コーリングに出演出来た喜びを語る
しかも本枠
オープニングアクトよりも立場は遥かに良くなっている

雪村「トップバッターは鉄の扉を開ける役割を持っている」

と自分たちに与えられたであろう役割を分析し、「独裁者」では林のビートに合わせて手拍子しつつ、ハンドマイクになった雪村は早口言葉のように歌詞を飛ばしていくが、そらサンダーが雪村の指示でお立ち台に上りギターソロを鳴らすと、とびきりの笑顔が
音を鳴らす喜びが明快に現れているバンドである

雪村がギターを再び背負い、事前に説明がなされた「喜怒哀楽」はCDJでも披露されていた未発表音源
次の作品に収録されることが先日発表されたので、そのリリースを心待ちにしたいが、現在ツアーの真っ最中で4月に初のワンマンに臨むことを発表したあと、

「より進化する1年にしたいと思います」

と雪村が今年の抱負を口にしたあと、最後に演奏されたのは、完全な新曲「明日の一面」
会場は赤く染まり、今日の日本を痛烈に風刺した強烈な1曲だった

キャッチーな曲を量産するバンドになると思いきや、これだけダークな曲も出来る
自分はトンボコープをなめていたようだ

CDJのMC(バンドをやるために猛勉強や多くの曲を制作)から雪村の才能は只者ではない
それは理解していたけど、トンボコープはとんでもないモンスターバンドになる
そんな予感がよりしてきた

セトリ
SC.風の噂
Now is the best!!!
ストーリーモンスター
過呼吸愛
独裁者
喜怒哀楽※未発表音源
明日の一面※新曲

・ケプラ(14:55〜)
この日の出演者の大半は昨年のCDJで出会ったアーティスト
しかしこのケプラはCDJではなく、昨年のTalking Rock!の日で出会ったバンド
なのでこの日の出演者の中で最も見る間隔が空いたバンドでもある

とはいえ、4ヶ月は1年の3分の1
モードが切り替わるのも不思議ではなく、代表曲の1つ「春が過ぎたら」に、曲調があまりにも面白い「OUR-AWA-HOUR!!」をリハでやるのは「え」と驚愕しまったが

そんな驚きの中、本編はハヤト(Dr.)による巧みなドラミングと共に、左利きギターを用いる柳澤(Vo. & Gt.)の安らぎある歌声が会場を癒す「おねだり」から
ケプラの方向性はパーカーズに近いものがあるが、パーカーズのようにトリプルギター編成ではない
音圧が強い訳でもないし、この日の出演者で実はケプラが1番ポップにベクトルが向いているかもしれない

しかし激しさだけがバンドの醍醐味ではない
派手さには欠けるかもしれないけど、過去の風景と今の風景をコントラストさせた「16」でけんた(Gt.)が鳴らすギターはノスタルジー
柳澤のハイトーンボイスは美しいし、ケプラにしか出せない芸術的アンサンブルは確かにそこにある

同時に最も親しみやすいバンドであり、かず(Ba.)がゴリッゴリなベースを鳴らす中で陽気な合唱が「噂のツインズ」で起こったりと、楽しませられるバンドでもある
飛び道具もなければ、アンサンブルが凄いわけでもない
でもそこには無限の可能性を秘めさせている

柳澤は初めて見る人、楽しんでいる人と会場の傾向をリサーチ
そのまま両手を挙げさせるように上手く誘導させ、メロディーがとにかく素晴らしい「ルーシー」で壮観な景色を築き上げるが、

「キミが横にいて
美味しいものを食べられて」

の部分は、この日も合唱が起こる
いつかは自分もこの歌詞のような出来事を体験したい
年々ジェラシーが増しているからこそ

するとここで新曲、「僕の天使」をお披露目するが、これまでのケプラのイメージとは想像がつかないほど激しく、4人で合唱する箇所もある
衝撃だった「OUR-AWA-HOUR!!」からまもなく半年
新たな衝撃楽曲となるのだろうか

かずがベースラインを軽快になぞりながら、ケプラと出会えた日を特別な1日とする「記念日」を経て、最後に演奏されたのは

「大切な曲」

と柳澤が紹介したハートウォーミングな「剣」

1日を通す音圧は最も優しい
けれども「僕の天使」が新しい変化をもたらす起爆剤になりそうな予感がプンプンしている
特別尖っている点はないが、その分覚醒した際には一気に飛躍を遂げる
その前兆となる記念日になりますように

セトリ
SC①春が過ぎたら
SC②OUR-AWA-HOUR!!
おねだり
16
噂のツインズ
ルーシー
僕の天使※新曲
記念日

・Conton Candy(15:50〜)
昨年のCDJで見た際には、初めてHump Backを見たときと同じような感覚をもたらしたConton Candy
トンボコープと同じく早くも再会することに

リハから「プードル」に「102号室」と「それ本編で聞きたいんだけどなー」な曲を連発するが、本番になって彩楓(Dr.)、楓華(Ba.)からなる双子グルーヴ隊が1人ずつ登場し、紬衣(Vo. & Gt.)が最後に登場すると、いきなり代表曲の「ファジーネーブル」で始める
CDJやサーキットフェスみたいに、同時刻に別のライブをやっているわけではない
やっているとしても川崎でやっているオールナイトイベントのBAYCAMPだから、「○○聞いたからもういいや」と去る人はいない
そうしたシチュエーションだからできる戦略

ただ紬衣が、

「喉潰していいくらいな気持ちでやります!!」

と最初に叫んでおり、そこが少し引っかかっていたのだが、楓華がグルーヴだけでなく前に出て来て客席を煽る「baby blue eyes」で会場を青く染め、彩楓の手数の多いビートや4つ打ちで踊らせる「リップシンク」と続けたあと、彩楓が初めてZeppのステージでライブ出来る喜びを楓華が聞き手となるという双子らしいやりとりをしたあと、紬衣はこの日の出演は強行出演であることを明かした

「UVERworldのライブで声を出しすぎた!って訳じゃないけど(笑)」

と話す辺り、「あなたKT Zeppに行ってたんですか?」と質問したくもなったが、主催者の1人である民やん(見放題の代表)にもこの事を打ち解けたくなかったらしい

「大事なライブをキャンセルしたくなかった」

と紬衣は理由を明かしたもの、「執着」以降急に紬衣は声が出にくくなった
2日後の大阪編にも出演している辺り、最悪な事態は回避できたけど、3人が声を揃えて始める「ロングスカート〜」で、

紬衣「君たちもボーカル!!」

と客席に合唱を促す場面も増えたし、相当無理していたのは間違いない
キャンセルしたくないは分かると同時に、心の中では相当悔しい思いをしていただろう
せっかく見に来てくれた方々に万全の姿を見せられないのだから

そのためこの日のライブ、紬衣にとっては嫌でも忘れがたい「今日という日」になり、「好きなものは手のひらの中」を終えてもまだ1曲出来そうな気はしたが、

「またリベンジするわ!!」

と紬衣はステージを後に

出演が発表されている春フェスには今のところ参加困難
となると、ワンマンに足を運ぶことも考えたほうがいいだろうか
近いうちにまた見よう

 セトリ
SC①プードル
SC②102号室
ファジーネーブル
baby blue eyes
リップシンク
執着
ロングスカートは靡いて
好きなものは手のひらの中

・クジラ夜の街(16:45〜)
昨年のCDJには出てないものの、去年のツアーでファイナルだったLIQUIDROOMはソールドで見るまで時間を要していたクジラ夜の街
12月にアルバム「月で読む絵本」をリリースし、現在ツアーの真っ最中である

派手に装飾されている秦(Dr.)のドラムが一際目立ち、宮崎(Vo. & Gt.)によって「前夜祭」と称されたリハも異様に盛り上がるが、いざ本編になるとステージに現れたのは宮崎のみ
「あれ?」と思ったが、宮崎の紹介によってスーパードラマーこと秦が凄まじいドラムソロを見せ、歓声を巻き起こすと「夜間飛行」から「夜間飛行」に繋がるお馴染みの流れを早々に行うが、山本(Gt.)による繊細で星空を思わせるギターソロも繰り広げる中、途中

「その感触間違えてないからな!!」

と宮崎は出会いを肯定
ここが折り返しだけど、明らかに前半で1番盛り上がっていた
昨年のツアーはソールド連発で見れない人もいただろうし、なにより2022年くらいから密かにSNSで話題になっていたバンド
客席が沸くに沸くのも納得

宮崎によって現在ツアー中であること、ツアーファイナルのZepp shinjuku公演のチケットが販売中であることを告げ、

「今日ここにいる人を味方にして、来てもらう作戦」

と言い切ってしまうのだが、宮崎お得意のストーリーテリングで「ルパン三世 カリオストロの城」の話も例えに出し、山本のギターがスリリングでサポートメンバーの高田(key. from chef's)の鍵盤が疾走感を出す「あばよ大泥棒」では宮崎に合わせて、ワイパーする客席を

「クラリス姫たくさんいるなー!!(笑)」

と弄る宮崎

自分もそうだが、ルパン三世の映画を見たことがある人はどれくらいいるのだろう

ここで宮崎は1度ステージから去るが、聞き覚えのあるラジオが導入で流れる「BOOGIE MAN RADIO」になると、宮崎はダークヒーローに変身
キメの多い曲調と共に佐伯(Ba.)が高速スラップを決めたり、秦が派手にドラムを決めたりとクジラのメンバーは誰もが超絶テクの持ち主
宮崎は全員「スーパー○○」と紹介するが、反論できないくらいの演奏力の高さ
スタープレイヤーの集まりである

ドラえもんのエピソードのように、イントロで指パッチンさせる「裏終電・敵前逃亡同盟」で高田の鍵盤からチルサウンドを構築しながら、頑張りすぎないように参加者の背中を後押しすると、あっという間にラストの「ヨエツアルカイハ1番街の時計塔」
「「時間旅行少女」やらないんだ」と思ったが、途中で会場は真っ暗に
それはファンタジーを想像するバンドこと、クジラのファンタジーが会場全域に浸透した瞬間
シューゲイザーを意識せざるを得ない爆音と共に、目を奪われていた

4月にはいよいよZepp shinjukuのワンマンに参加予定
ここ数年で最もワンマンを見たかったバンド
日本で一番荒れている街こと、歌舞伎町でどんなファンタジーを見せてくれるのだろう

セトリ
前夜祭①超新星
前夜祭②オロカモノ美学
前夜祭③マスカレードパレード
夜間飛行
夜間飛行少年
あばよ大泥棒
BOOGIE MAN RADIO
裏終電・敵前逃亡同盟
ヨエツアルカイハ1番街の時計塔

・bokula.(17:40〜)
この日、このイベントに参加する最大の要因になったバンドである
昨年のCDJで初めてライブを見て、「これは追いかけなければならない…」と思ったbokula.
bokula.が見たくて、フリ放題コーリングに参加したようなものである

早い段階から4人がステージに現れると、えい(Vo. & Gt.)はInstagram用に写真を撮影したり、準備が整ってないのに、リハを始めようととして、かじ(Gt.)にツッコミを入れられてしまうが、リハが始まると「足りない二人」から「もう本番だっけ?」と思うほど手拍子が起こりまくる場内
CDJでもリハから凄かったけど、

かじ「客席の声が足りません!!」

と煽りファストパンクの「満月じゃん。」に繋げるのは「完璧か」なんて思ってしまう

そうして初見に並々ならぬものではないことをアピールし、ELLEGARDENの「The Autumn Song」がSEで流れる本編を迎え、

「広島からきましたbokula.です!!」

とえいが自己紹介し、初っ端なから「愛してやまない一生を」を投下するが、「未練を残して人生を終わりたくない」姿勢が現れているかのように、ふじい(Dr.)以外、つまりえいもかじもさとぴー(Ba.)ガンガンステージを動く
本能を否定せず、ありのままに生きようと言わんばかり

ただその自由奔放は時に危険と隣り合わせであり、「夏の迷惑」の際にはえいの頭にかじのギターが激突しかける場面もあった
同じ初期衝動タイプのハルカミライもギターの関大地がアンプから飛び降りる際に着地を失敗したこともあったし、Atomic Skipperのギター神門弘也もQUATROのアンプに登ったのはいいが、ステージへ戻る方法が分からず、客席に背中を支えてもらって飛び降りることになった
くれぐれも重大な怪我に繫がらないように、気をつけていただきたい

特に怪我も無かったえいが、

「ライブハウスを、音楽を愛してくれてありがとうございます」

と主催者や出演者を代表するように挨拶したあと、アンケートを実施するとこのイベントで初めてライブハウスに来た方が多いことに驚く
その要因は昨年オープニングアクトで、メジャーデビューも発表したあのバンドがいるからだろうけど、1つのきっかけでライブハウスに足を運ぶ方が増える
これほど素晴らしいことはない(ちなみに自分の初ライブハウスは実はSOUL'd OUT)

そうして初めてライブハウスに足を運んだ方を歓迎し、えいのメロディーセンスの高さを「最愛のゆくえ.」で初見にも伝えていくが、「溢れる、溢れる」はこうして自分たちのステージを見てくれることへの感謝を曲に詰めている
それも一度きりではなく、これからもお世話になるという意味で
SEがELLEGARDENゆえ、細美武士からの影響も在るけど音楽性で近いのはSUPER BEAVER
ビーバー好きなら、bokula.のサウンドはきっと刺さる
自分はそう思っている

そんなbokula.は昨年「最愛のゆくえ.」でメジャーデビューを果たしたのだが、今年4月にはメジャー移籍後初となる音源のリリースを発表
それに伴いリリースツアーも行われ、東京はLIQUIDROOMで行われるとのこと
えいは今年を、

「勝負の年」

と位置づけているようで、リリースに先駆けて披露された新曲もカッコいいものだった
曲名ははっきり聞き取れなかったが、今年に並々ならぬ決意を燃えしているのはこの新曲を聞けばすぐに分かると思う

そして最後の「愛すべきミュージック」の前、

「サビに合わせて手を挙げている訳では無い。それは君たちの生きている証だ!!」

と力強く叫んだ

こうしたMCはビーバーの渋谷龍太やサンボマスターの山口隆がよくやっているけど将来、大舞台でこのMCをしたらきっと伝説になる
というか伝説になって欲しいのだ
それくらい、自分はbokula.に惚れ込んでいるから

bokula.を見てなければフリ放題コーリングには参加してないし、絶対化ける
そう確信している
今年はまだ始まって2ヶ月しか経過してないけど、色んなところでbokula.に会えますように
愛してやまない一生を

セトリ
SC①足りない二人
SC②満月じゃん。
愛してやまない一生を
夏の迷惑
最愛のゆくえ.
溢れる、溢れる
新曲
愛すべきミュージック

・Chevon(18:35〜)
最近MUSICAにもネクストブレイク候補として名前が乗り、鹿も描かれたアーティストイメージがインパクトあるChevon
個人的にこの日1番楽しみにしていたのバンドである
なお「Banquet」のPVで普通に姿を晒しているので、覆面バンドではない(キュウソネコカミみたく、アー写がイラストのパターン)

リハでまだ音源になってない「ですとらくしょん」をボーカル不在で行い、サポートドラムを迎えた4人で本番が始まるが姿を現したボーカル谷絹の姿は水曜日のカンパネラのうたはのようにインパクト抜群
ネットで調べれば容姿は出てくるので、普通にルックスを知っている方は多いかもしれないが、「No.4」を始めると谷絹の歌声は抜群に上手い
AdoやVaundyのように声量が凄まじく、「何なの、この方!?」と鳥肌が立つレベルである

ある漫画とコラボしたジャケットが印象深い「ノックブーツ」は、耳から離れそうにないハイトーンボイスを谷絹が歌いつつ、ktjm(Gt.)の癖になるカッティングやオオノ(Ba.)にスラップも交えたダンサブルなベースラインで踊らせるも「サクラループ」になると一転してktjmがキャッチーなリフを奏で浮かび上がらせるのは王道感
谷絹の歌声は驚異的だし、放たれる楽曲はktjmとオオノのスキルによって驚異的なクオリティ…
とんでもない若手がシーンに現れたことをまじまじと見せつけられている

そんな中、ボーカルはギターとベースに度々確認を取り、謎の間が生まれているのだが、そうした静寂を切るように始まるブラックミュージックベースの「Banquet」はYouTubeのPVにて、谷絹が

「なぜ音楽を始めたかを再認識するために書いた曲」

と話すように、「Chevonとはなんぞや?」は「Banquet」を聞けばすぐに理解できる

「本能で踊れ 暴動を起こせ」

で起こった合唱も凄かったし、Chevonが何をやりたいかはここで分かる
それどころか「Banquet」を聞いて、人生観が大きく変わる人すらいるのではないか

谷絹「今年初ライブ!初Zepp!!行けるのか!?」

とここまで沈黙していた谷絹が口を開き、客席を煽りまくる先日リリースされた新曲「ダンス・デカダンス」で更に踊らせるがサポートドラムは大きく手を上げながら4つ打ちを刻み、ギターもベースも踊らせることに特化したもの
故にミラーボールも回るが、実はこの日ミラーボールを本来の意図で使用したのはChevonくらい
数少ないダンスホールの誕生だったのである

しかし、

谷絹「Zepp Sapporo行けるかー!?」

と何故か故郷北海道のZeppを口にしてしまい、「ここ羽田だし、ヤバイTシャツ屋さんライブやってるから!!」とツッコミを入れざるを得ない痛恨のミス(笑)(なおこの日、北海道ではQUEENどころか、BE:FIRSTもライブしてたようでヤバTはチケットを捌くのに必死になっていた)

谷絹もライブ後に気づいたようだが、ライブ中は良い意味で全く気づかなかったので、性急な「革命的ステップの夜」でより踊らせ愛を叫ばせると、ラストはktjmが攻撃的なギターを鳴らす「光ってろ正義」で大合唱

東京編で最もインパクトでを与えたのは紛れもなくChevonだろう
1日通してChevonが1番盛り上がっていたし、衝撃を刻み込ませたと思われる

鹿を振ってステージを去る谷絹はあまりにシュールだったが、これはワンマンに参加してもっと長い時間を見たくなった
言わずもがなベストアクト

セトリ
SC.ですとらくしょん
No.4
ノックブーツ
サクラループ
Banquet
ダンス・デカダンス
革命的ステップの夜
光ってろ正義

・サバシスター(19:30〜)
この日の動員に最も貢献したバンドであろう
バズリズムにて「バズるアーティスト」1位に選出され、今シーンで最も期待されているサバシスター
昨年トンボコープが落選した、オープニングアクトを決めるオーディションの優勝アーティストでもあり、今年はトリ前
今日の状況を考えれば、当然の立ち位置とも言える

リハで代表曲の1つ「スケボー泥棒!」に加え、先日のF.A.Dでは聞けなかった「アイリー」も聞けるのは、少しお得な気さえするが、いつものようにビッケブランカの「Ca Va?」をSE、サポートベースにDくんを加えた4人でステージに立つと、序盤が「覚悟を決めろ!」、「ナイスなガール」の流れはF.A.Dと変わってない
というより、F.A.Dと実はこの日のセトリはそんなに変化していない

けれどもF.A.Dはパンパンすぎる上に、背丈の低い自分のような人間には生演奏を聞いているだけのような状況
舞台がZeppになることで、演奏風景が鮮明となり、「覚悟〜」でGK(Dr.)が思った以上にキメを決めていたり、「ナイスなガール」で美メロを表情豊かに奏でるるみなす(Gt.)を目視出来たりと、視界は今回の方が明らかに良い
加えて前回ライブを見てから、半月も経ってないのにどう見てもアンサンブルは進化している
熱視線を浴びていることで、得られる経験値もよりブーストがかかっているというべきか

昨年はオープニングアクトで出演したことをなちが説明したあと、

「サバシスターの大切な仲間を紹介します!!」

となちが掲げたのは、サバシスターのマスコットのような存在でもあるしげちゃん
昨年のCDJでライブ後、モニターに流れた映像では重大情報を漏洩しようとして、口止めさせられていたが、GK(だったよね?)の成長を見守ってきた大切なぬいぐるみであるらしい

「そんな大切な存在だったのか」と気付かされつつ、

なち「心の中のしげちゃんを浮かべて聞いてください!!」

と「しげちゃん」に入るのは、「ズコーっ」となってしまったが、自分も実はぬいぐるみが好きで「青の祓魔師」に登場するクロのぬいぐるみを大切にしている
自分がクロを浮かべたように、各々で大切な存在はきっといるはずだ

バラードかと思いき、急にアップテンポになったりと色々と慌ただしい「マイベストラブ!」、バンド界のジャージ=サバシスターのイメージに塗り替えた「ジャージ」と、GKのドラムがいかにサバシスターにとって重要かを物語る曲が続き、テンポも非常に良いからあっという間に終盤の「タイムセール〜」にたどり着くが、よく見るとサポートのDくんはPIZZA OF DEATHのTシャツを着用
加えて、なちやるみなすと並ぶように、3人で揃って演奏しているがもしかしたらこの光景、F.A.Dでも見られたかもしれない
最後尾くらい、踏み台を設置して欲しい所存である

そしてラストはやっぱり「サバシスター's THEME」だが、バンド名にちなんで「そのうち鯖缶を掲げる客出てこないよな?」とふと思ってしまった
バンド側がこれを利用して、物件で鯖缶を売り出したら面白いけど

既に「サバの日」のチケットはソールドアウト
クジラ夜の街もいるし、「ぼっち・ざ・ろっく!」効果で再評価されているSAKANAMONが出演するのもあるだろうが、ツアーファイナルはCLUB QUATTRO
クアトロすらソールドしそうだし、なんならZeppワンマンも数年以内にやるはずだ
それよりもタイムセール逃していいから、誰かサバの日のチケットを譲ってください(笑)
あとるみなすにちなんで、自分の好きなルミナスウィッチーズと共演してくれ(笑)

セトリ
SC①スケボー泥棒!
SC②アイリー
覚悟を決めろ!
ナイスなガール
しげちゃん
マイベストラブ!
ジャージ
タイムセール逃してくれ
サバシスター's THEME

・カネヨリマサル(20:25〜)
そのサバシスターを差し置いて、東京編のトリを飾るのはCDJでは年越しアクト直前ながら、[Alexandros]と一部時間が被る凄まじい時間で出演となったカネヨリマサル
4月にEX THEATER ROPPONGIでライブするのだからトリも当然のこと

リハにて「それ、本編に取って欲しかった」な「ひらきとパーキー」を含む2曲を行い、本番になるとSE無しで現れ、

「最後まで残ってくれてありがとう!カネヨリマサル始めます!!」

とちとせ(Vo. & Gt.)が告げ、「関係の無い人」からスタート

ちとせのルックスはHumpの林を彷彿させるものがあるが、Conton Candyと異なり、こちらの音楽性はパンクによったもの
もりもと(Dr.)の一打一打も強く、いしはらのベースもゴリゴリ
何故だかは分からないけど、10-FEETを見ているような感覚にもなる
1回だけで関係は断ち切られないでほしいが

加えてちとせが歪んだギターを鳴らす「はしる、夜」はそのタイトル通り、疾走感あるもりもとのビートと共に走り出しくなるし、何よりアンサンブルがたくましい
名前は聞いてはいたが、TOKYO CALLINGはトラブルの関係で持ち時間が半分に
CDJは年越し前という「なんちゅう時間に出演させるんだ」で、タイミングが合わず、ようやく見れただけに力強いアンサンブルから、「カッコいい…」という感想を抱かずにはいられないのである

先日リリースされた「波打つ心を待ちながら」にも収録されたバンドマンとしての旅が続くことを描いた「わたし達のジャーニー」でリズム隊が躍動すると、

「大阪のバンドなのにトリを任せてもらった(笑)」

と話すちとせ
もし東京編にZepp Shinjuku以上でライブ出来るバンドがいたなら、恐らくトリはそのバンドになっていただろう
しかしこの日の出演者でZepp Shinjukuレベルまで達しているのは、クジラ夜の街くらいだ
話題になるバンドは多くとも、Zeppレベルに最も近いのはカネヨリマサル
だからカネヨリマサルがトリということに、ほぼ異論は見当たらないはず

ただこの時間、オールスタンディングで休憩スペースもフードコートもこのイベントにはない
なので自分は疲労困憊も同然
Zeppの柵に捕まって見るのがやっとな程、自分は疲弊していた

でも新作に収録された「番外編」で太くデカいアンサンブルを鳴らされたら、自然と力がみなぎってくる
ここで力尽きる訳には行かない

そのうえで、

ちとせ「元カレと上手く行ってなかった時に作った曲」

と紹介された「もしも」は、そのタイトルの通り「仮定を浮かべつつも本心は…」といった、その時のちとせの心境を伺わせるような1曲
でもステージがオレンジに照らされるように、悲惨な感じは全く無く美しく芸術的に昇華するのがカネヨリマサルの強みだろうか
悲壮感もなく、聞き惚れる
カネヨリマサルが躍進した理由も納得がいく

「壁を乗り越えてたどり着くのがライブハウス。みんな勉強や仕事を乗り越えてライブハウスに来ています。」

と我々の日々を代弁してくれるちとせ

勉強や仕事が楽しいと思える人はほんの一握りだし、ましてや不正を犯す政治家の無法地帯となっているのが今の日本
やるせない思いは強いし、「私は悪くない」みたいに開き直るのだから余計にたちが悪いが、それでもやっていけるのはライブハウスがあるからだ
ライブハウスが壁を乗り越えた先にある
だからこうしてやるせない日々を乗り越えられるのだ

そうして再会を約束し、このフリ放題コーリングで生まれた思い出を守ると言わんばかり、エモーショナルな「ラクダ」から、カネヨリマサルが思う愛が正しいと思うまで走り抜けることを約束するパンキッシュな「ガールズユースとディサポイントメント」で終了
また生きて再会したいと思える、カネヨリマサルとの初邂逅だった

セトリ
SC①ひらきとパーキー
SC②ラクダ
関係の無い人
はしる、夜
私達のジャーニー
番外編
もしも
ラクダ
ガールズユースとディサポイントメント


カネヨリマサルのライブが終わると、○○が出演者を集めて記念撮影しようとしたが、こちらは翌日仕事なので早々に会場を後に
電車の間隔があまりにも空いたので、結局参加してもしなくても変わらない気がしたが

半日近く色んな若手バンドを見れたのはいいものの、改善すべき点はある

まずオープニングアクトが開場20分後はきつすぎる 
自分は先行でチケット確保していたからいいものの、そうじゃない人はパーカーズに間違えなく間に合ってない 
大体、開場と同時にリハーサルが始まる時点で「え?」だ
せめて会場をオープニングアクトの1時間前にするべきだったのではないか?
先行枠と一般枠の差があまりに大きすぎる

次に2階席も解放するべきだった
8時間近くオールスタンディングでやるなら、休憩ゾーンを設けても良かったと思う 
昔SIX LOUNGEがZeppでワンマンした際、全自由にして2階も解放していた 
今回のチケットは全自由表記である
だったら、2階席も利用できるようにして欲しい 
座って見たい方もいるし、着席して見れると見れないでは疲労も雲泥の差があるだろう

とはいえ、このイベントに参加しなければChevonとは出会えなかった
やっとカネヨリマサルを見ることが出来たし、 bokula.のライブがCDJであまりに良かったから購入したこのイベント、5000円というチケット代はあまりにも安すぎるし、シーンの未来は明るいと思った
 Chevonとbokula.はワンマン参加も検討したいし、来年以降も参加を検討したい