今回出演するフジファブリックやBase Ball Bear、OKAMOTO'Sの他にもUNICORNやUNISON SQUARE GARDENなどが在籍していることで知られるSMA
そのSMAが合同イベントを開催することになった

シーンや音楽リスナーから注目されている新人、クジラ夜の街も迎えて出演者は4組
その4組の略称から、企画のタイトルは「オカベボフジラ」というタイトルはあまりにもシンプル

開演時刻になると、山内総一郎に小出祐介、オカモトショウとこの日出演するバンドのフロントマンが勢揃い

「どうもどうも」

と軽く挨拶する山内に小出はツッコミを入れていたが、どうやら3人ともこうしたイベントで仕切りをしたことがあまりなく、山内が先陣を切りに行った模様
しかもフジはOKAMOTO'SやBase Ball Bearと対バンしたことはなく、フェスで共演したことはあれど、こうして一緒にライブをするのはZepp Fukuokaのこけら落とし以来とのこと
Base Ball Bearに関しては、小出は山内が加入して2回目のライブを見たことがあり、ART-SCHOOLやドーパンと共に行ったドーパンフジスクールにオープニングアクトで出ていたものの、関係を持ち出したのは最近
それもバカリズムの誕生日を祝いにいったとのことだった

来年でソニーが50周年を迎えることを受け、このイベントはそのキックオフ的な扱いを受けているようだが、昔は渋谷全域を巻き込んでアーティスト総出でライブしたこともあるとか
確かに昔、LIQUIDROOMをキューンミュージックがジャックしていたな!!

・クジラ夜の街
そんなこのイベントのオープニングアクトは先日、TOKYO CALLINGでようやくライブを見れたクジラ夜の街
レコード会社こそ、コロンビアであるが、事務所は実はSMAと期待の新人である

TOKYO CALLINGで見たときと同じように、

「スタートザファンタジー」

と開幕を告げるオープニングSEが流れ、この日もchef'sの高田をサポートに招く編成で登場するが、やっぱり緑のキノコ頭、佐伯(Ba.)のインパクトは強い
赤い服に身を包んだ宮崎(Vo. & Gt.)が登場し、祭りの始まりを告げるかのような「マスカレードパレード」からスタートするも、

「いつもより緊張してる」

と思わず漏らしてしまったのは、大先輩達の前で演奏しているからか

しかし彼らは次の世代の中心を担うバンドと思っているし、メンバー紹介の際に「スーパー」とつけるほど、演奏スキルは優れている
超人的な秦(Dr.)のビートで持ち直し、

「よろしくお願いします」

と自己紹介
不穏なコーラスが会場を埋め尽くした後は、スーパーギターリストこと山本が爆音でギターソロを弾いていく

宮崎に言葉数の多いインターリュード(「詠唱」)はこの日も行われ、「ラフマジック」の最中には佐伯のベースソロも行われるが、同期で入るゴスペルは魔法の夜のよう
ファンタジーを音で作る
それがクジラ夜の街の魅力

クジラを象徴するスーパードラマーこと、秦が勢いよくビートを刻んだかと思いきや、急に音を少なめにしてまた加速するというとんでもテクニックをこの日も披露
「これが鳥肌もんなんだよな…」と興奮して見ていたが、オープニングアクト故、持ち時間が短く「時間旅行」〜「時間旅行少女」の流れは通過

そのため、「夜間飛行」を経由してもう「夜間飛行少年」へ
インパクト大なTOKYO CALLINGのライブを見ていたから、どうしても物足りなさはある
しかしこれが初見だとしたら、「とんでもないバンドが出て来た…」
参加者の音楽人生に激震を走らせるようなライブになったし、

「六畳 部屋から打ち上げる
透明花火 愛を込めて」

を打ち上げるのは間違いないとより期待を膨らませるライブに

「これで覚えただろ!」

と最後に宮崎は叫んだが、自分はもうクジラ夜の街に心を奪われているよ
今度こそワンマンへ

セトリ
マスカレードパレード
詠唱
ラフマジック
夜間飛行
夜間飛行少年


クジラのライブを終えると、すぐに転換が始まるがステージに用意されたのは大きな鍵盤セット
大きな鍵盤セットを使うバンドなんて、出演者の中には1組みしかいない
そのアーティストはもちろん…

転換を終えるとBase Ball Bearから堀之内が登場し、クジラ夜の街から宮崎と秦もステージへ
堀之内はかつてベボベが若手だったことを振り返り、オープニングアクト出演からチャットモンチー、シュノーケルと共にツアーを回ったことから、何かやりたい事があるか聞くと、Cody・Lee(李)や崎山蒼志と合同でライブしたいことを話すが、ライブタイトルにツッコミ所満載だったり、来年から始まる過去最大規模のワンマンツアーの告知で秦がボケに走ってしまったりと、堀之内が宮崎と秦の静止に必死
なおフジファブリックの大ファンで知られるCody・Lee(李)の高橋はTwitterで、先日のフェスでTeleのサポートも行っている力毅が、しれっと山内と写真撮影を行っていたことを知り、ショックを受けていた


・フジファブリック
そんな緩いトークを終えて、ここからは本編に移行するがそのトップバッターはまさかのフジファブリック
大がかりな鍵盤をセッティングするバンドはフジしかいないので、そんな予感はしたが自分もトリだと思っていた

SEもなく、サポートに伊藤大地(Dr.)を含めたいつもの編成で登場すると、山内(Vo. & Gt.)は尊敬する奥田民生が所属するUNICORNをリスペクトしてか、ツナギを着用
SEが無いので普段より少し緊張感があるか、「若者のすべて」で始まるのは、

「夕方5時のチャイム」

に絡めたものかと思いきや、後の山内の話によると、最近はいきなり「若者のすべて」で始めることも多いらしい
これにOKAMOTO'Sのボーカルは、

「俺だったら聞けたい曲聞けたから、帰る(笑)」

と後に発し、10-FEETのライブなら真っ先にTAKUMAに爆破されていただろうか、山内がギターソロを行う間奏で金澤(Key.)の鍵盤アプローチは少し変わっているような感じはした
バラードでもパンクロックのようなドラムを出来るのは、流石伊藤だけど、フジファンからすれば「若者のすべて」スタートは、大阪城ホールワンマンでも経験しているので、特に珍しい事ではない

フジファブリックは現在年内3度目のツアーを開催中だが、ツアーの流れとフェスセトリを切り離すのもそんなにレアケースではない
なので、馴染み深い電子リフがイントロに流れる「Sugar!!」をセトリに盛り込んだのは、初見を考慮したものだと推測するが、加藤(Ba.)がサビ前に前の方に出て煽るのはどんな時でも不変だサビで金澤が鍵盤が弾く場面が増えた気もするが、それはフジが更に進化しようとしていること

「全力で走れ」
「遠くまで」

を祝福するように、ステージも虹色に染められている

どちらかというと終盤に投じられることが多い「LIFE」を中盤に配置し、

「探しに行こうぜ!」

と力強く山内が叫んだ後に、「ギター俺!」と始めるギターソロはやはり貫禄で1度ブレーキをかけるように音数を下げ、山内の

「でもでもなんか寂しいな!!」

でギアを上げていくのは、こちらも凄腕ドラマーとして玉田とむと共に、近年のフジの骨格を担う伊藤だから出来たこと
その前に登場したクジラ夜の街のドラム、秦も素晴らしいドラマー
並びにジャズをルーツに持ち、古くから山内と交流が深い伊藤も素晴らしいドラマーである

「新宿!!」

と山内が「LIFE」で叫んだ後、伊藤が和のビートを刻んで、加藤のグルーヴィなベースラインで踊らせる「FEVERMAN」で、

「今日は祭りだ!!」

と叫ぶ山内は普段よりもテンションハイな気がするが、ワンマン以外ではフジファンが先導して振付を行ってフジ以外のファンに浸透していく振付をこの日は、序盤から行う方もいたし、綺麗すぎるくらいに揃っていた
ベテランの立ち位置になった故、アウェイを感じる事も多くなってきたが、この日集まった参加者のリアクションを見る限り、フジにとっても非常にアットホームな環境になっている

山内「みんなトップバッターだと思ったでしょ?うちの事務所捻くれているから(笑)」

と開始早々に口にして、爆笑が起こる場内
過去にはフジのオンラインラジオにUNISON SQUARE GARDENが出演した際、斎藤が口にした下ネタを全カットする検閲を行っていたが、こうした所でもSMAはらしさを発揮するらしい
その結果、捻くれバンドが多く集った気もするが(笑)

「トップバッターだから、盛り上げないといけない(笑)」

と山内は、この日最年長とは思えない発言をしているが、WBCのテーマソングとして起用された「ミラクルレボリューションNo.9」は、フォークを投げるような振付やXジャンプを彷彿させる☓ポーズをほとんどの参加者が行ったりと、確実に盛り上がっている
山内はギターを最後しか弾かず、カッティングが同期で流れていたため、金澤の鍵盤リフが目立ちまくっていたが

そんな中、

「時間を押してはいけないことは分かってます」

と唐突に告げる山内
フジはSMAに所属してから相当長く(EMIにいた頃も在籍していたのか?)、キャリア的にも中間管理職の立ち位置となっているが、物販があまりに長すぎて怒られたり、MCが長すぎる故、

「俺たち時間押しやすいから、タイマー用意されていた。でも押すの忘れていた(笑)」

と流石の天然ぶりを発揮する山内
しかもこれで、

山内「まだやっても良いんだよね?」
金澤「お前は馬鹿か!!」

と開き直る驚愕のメンタル
山内の天然はいつになっても変わりそうにない

だがこの日は、どのバンドも持ち時間がそんなに多くないのか、早くもラスト
フジフレンドパークよりも、持ち時間が短い気がするが、

「出会いが活性化していくという曲」

とここまでリリースされた「瞳のランデブー」や、「Particle Dreams」とも、ベクトルが異なるストレートな新曲「プラネタリア」を最後に演奏

途中で山内も話していたがフジは来年、デビュー20周年を迎える
SMA50周年と共に、フジの20周年イヤーが始まるのは実にめでたい事だが、まだ全貌はほとんど見えてない
三度、大きな打ち上げ花火を上げに行くのは間違いないだろうが、その全貌は11月初めのZepp DiverCityワンマンで見えそうな気がする

セトリ
若者のすべて
Sugar!!
LIFE
FEVERMAN
ミラクルレボリューションNo.9
プラネタリア

次の幕間で登場したのは、出番を終えたばかりのフジファブリックから金澤ダイスケとオカモトコウキ

「髪型が似ているからこの組み合わせになった(笑)」

と愚痴っている割には、仲が良いのかかなり楽しそうに幕間を埋める役割を担っていた
ちなみにOKAMOTO'S、毎年フジフレンドパークのゲスト候補にリストアップされるも、他のアーティストの名前が出て呼ばれない状況が続いているとオープニングトークで山内が話していた

・Base Ball Bear
と言う訳で2番手は、トークコーナーに関根が居なかったことから考察できるように、Base Ball Bear
これで出順は「オカベボフジラ」を逆から順番に並べている事がはっきりした

いつものSEで3人が登場し、堀之内(Dr.)がこの合同ライブ用に制作されたタオルを椅子の上に立って掲げた後、3人が中央に集合して準備を終えたあと、

「どうも、Base Ball Bearです。」

と小出(Vo. & Gt.)が挨拶し、最初に鳴らすのは「17歳」
収録アルバム「十七歳」がリリースされた7年後には、「二十九歳」がリリース
自分は今その年齢となり、青春はどんどん遠ざかっている一方
この日参加している方々もきっとそうだ
でもレモン色に染まった照明は、甘酸っぱい青春時代に自分を呼び戻す
ベボベを聞けば、青春時代が戻ってくる

とはいえ今のベボベは4人ではなく、3人
現在の編成でライブを見るまで相当な時間を要してしまったけど、「そりゃあ照明は青になるよね」な「海になりたい part.3」で感じたのは、「実はベボベがこの日、最も音圧が強いんじゃないか?」ってこと
近年のフジはダンスミュージック色が強いし、OKAMOTO'Sも根底にあるのはロックンロールやヒップホップ
クジラ夜の街はツインギターだが、どちらかと言えばポップより
そうなると、NUMBER GIRLの影響を受けスリーピースですきの無いオルタナロックを鳴らすベボベがこの日1番の爆音
3人になってからライブを未だ見てない人は、「これでスリーピース⁉」と今のベボベに息を呑むのでは?

しかしMCになると、緩い雰囲気になり、

「ずっと同じ話をしているよね(笑)」

と幕間ね核心を小出は突いてしまうのだが、

「オープニングトークの際、寝起き状態だった(笑)」

と自ら墓穴を掘りに行くので、堀之内はツッコミを入れ、

小出「俺が寝ている間、交流してた?」
堀之内「加藤さん、怪談してたよ(笑)。他のバンドの楽屋は空いてた。」
小出「寝たいから「うるさい」って、楽屋を閉じたら駄目なのか…。」
堀之内「自分から交流絶ちに行ったら駄目!!」

と半ば公開説教状態に
出番までに寝るなんて、フリーダムな気もするが、来年SMAが50周年を迎えることについては、

「今日の盛り上がり次第で、来年どうなるか決まります(笑)」
「こっちはとくに煽らないので、各自で盛り上がってください(笑)」

とオチのないギャグ漫画のように責任放棄し、

「次の曲行ってみよ〜」

なんてとぼける小出(笑)
あまりのマイペースに「?」となったが、昔メンバー脱退を特撮で例えたことがあったし、ある意味小出だった(笑)

この一部始終に笑いの嵐が起こったが、一瞬で歓声の嵐に変わったのは名曲「short hair」
ここで歓声が起こった辺り、参加している平均年齢層もなんとなく分かりかけてくる(「若者のすべて」以上に歓声が起こったから、20代後半から30代前半辺り?)
かつてはフェスでメインステージに選出されていたし、大舞台で演奏されたことを思い出している人もいる
果たして、Welcome Actで出演したクジラ夜の街もやがて、大歓声を起こす名曲を編み出せるのだろうか

その名曲の直後、今年の夏にリリースされた「Endless Etude」は小出がギターリフをその場で録音、ループさせて擬似的にフォーピースで演奏しているような曲
堀ノ内が南国のようなビートを刻む間奏は夏を連れ戻したような気がするけど、メンバーが1人減り、スリーピースになったにも関わらずどんどん最高を更新する
もちろんこれも最高を更新した楽曲
ピンチを乗り越え、さらなる進化を遂げるベボベはとんでもないバンドである

そのとんでもなさは「THE CUT」で立証され、RHYMESTERの宇多丸やMummy-Dのパートを小出は1人でこなし、関根もまた傍観してられないようベースラインを
堀ノ内が4つ打ちを刻むサビではミラーボールが回転…
別に避けていたわけじゃないけど、3人になったベボベを見るまで結構な時間がかかってしまった
でもこうしてライブを見るたび、「今のベボベを知って欲しい」
自分はそう思う
シーンのトレンドを選出するのがフェスだが、再びスポットライトを当てさせるのもフェスの役目だと自分は思う

そして最後は「銀魂」の主題歌でもあった「Stairway Generation」
これからもベボベを聞くし繋がる
ベボベとone wayしたいからだし、やっぱりあがるしかない
堀ノ内が椅子の上に立って、ジャンプしてシンバルを叩くのも圧巻だった

自分がライブに行き出した頃、1人でライブ会場に足を運ぶのは不安で高校時代の友人とフジファブリックやUNISON SQUARE GARDENとどういうわけか、SMA所属のアーティストを見ていた
その友人が特に好んでいのがRADWIMPSと、このBase Ball Bearだった
一時は会社の都合でライブに行けないようだったが、その規制がもう無いなら今すぐベボベを見て欲しい
ライブを見た翌日に自分はそう思っていた

 セトリ
17歳
海になりたい part.3
short hair
Endless Etude
THE CUT
Stairway Generation

最後の幕間で登場したのはフジファブリックの加藤とBase Ball Bearの関根というまさかの組み合わせ
2人とも、一緒にカレーを食べに行くほど仲がよく、何気に波長が合っていたが、途中から加藤はほぼ関根に喋らせていた(笑)
この会話風景が後にネタにされるなんて、誰も思うまい

・OKAMOTO'S
実は自分はこのイベントが21時頃に終わるものだと思っていた
しかし持ち時間の短さやあまりに転換スピードが早く、19時になる前に最後のOKAMOTO'Sの出番が回ってくることに
見るのはCDJ18/19以来だと思う

かつて閃光ライオットに出演し、テレ東の音楽番組でも特集が組まれたことがあるブライアン新世界(Key. & Acoustic Guitar.)がサポートに加わったという話は聞いていた
しかしテレビに露出したのが嘘のように、今の容姿はTHEおっさん
「嘘だろ!?」と目を疑ってしまったが、

「新宿から来ました、OKAMOTO'Sです!!」

とオカモトショウ(Vo.)が、自己紹介してオカモトコウキ(Gt.)が今に踊りたくなるカッティングから「90'S TOKYO BOYS」を始めると、早くもミラーボールは回転
徐々にヒップホップに寄ってきたのは覚えているけど、いつからこんなカッコいいロックンロールを鳴らすようになったのだろう
サビを聞くと現代版「今夜はブギー・バック」を聞いてる気分になるが、ミラーボールを金色に輝かせるのは大胆な発想

コウキによる爆音ギターソロで曲を締め切った後には、オカモトレイジ(Dr.)がイントロからタイトにドラミングを決め、レイジもボーカルを担う「Border Line」と続いていくが、OKAMOTO'Sといえばデビュー時から演奏技術の高さでシーンの話題を読んでいた
ハマ・オカモト(Ba.)に至っては、ダウンタウンのはまちゃんの息子であると共に、星野源のバックバンドに参加していることから飛び抜けて有名だけど、高すぎた演奏スキルはエグすぎるまで来た
コロナ禍前に見た頃とあまりに別人すぎる

何故かEnglish Ver.がリリースされたこともあるが、全くライブが出来なかった頃にオリジナルはリリースされ、音楽リスナーの思いを代弁した「Young Japanese」で、ブライアンはアコギに持ちかえるが、

「J-WAVE LIVE2023へようこそ」

といきなりハマがボケをかますと、最初の「90'S TOKYO BOYS」のアウトロが全員ミスるとんでもない事態が起こり、その場で犯人探しが行われたり、ショウが話そうとしたところでハマが話に割って入ったと思いきや、先程行われていたフジファブリック加藤とBase Ball Bearの関根の会話を、

「100エーカーの森みたいだった」
「「カレー食べたい」と言っていた」

と「くまのプーさん」の世界観を理解してない人にしか分からない例えで爆笑を起こす

並びにこのイベント、案の定とんでもなく巻いているようで、

「「1バンド空いたのか?」と思うくらい、出番が早くなって、慌てて準備した」

とショウは裏事情を話したのだが、

「こんな早くなったら、曲増やせると思うじゃん?でも曲よりも、トークを伸ばせと言われたからね(笑)」

とハマのトークはどんどんキレが増し、日本球界屈指の守護神だった元中日ドラゴンズの岩瀬仁紀のよう
とんでもないキレのある高速スライダー、または魔球カミソリシュートのような切れ味

「普段MCこんなしないからね!」

と惚けたのは、indigo la Endの川谷絵音のようだったが(すかさず客席からツッコミの嵐で、ハマはキレる(笑))

また幕間で出演バンドがトークするのは、クジラ夜の街の宮崎の発案のようで、

「あいつらが(クジラ夜の街)に幕間やれよ!!(笑)」

ともはやコンサートを見てるのか、お笑いライブを見ているのか分からなくなるレベル

ちなみにOKAMOTO'S以降、SMAに入ったアーティストやバンドは活動停止するケースが多く、それまでOKAMOTO'Sが1番下の立場だったらしい
なのでショウは、クジラ夜の街が解散しないことをとても心配していた

そのうえで前述したショウによる、「好きな曲聞けたら帰る」発言はここで登場したのだが、

「本当はフジファブリックにトリを演ってほしかったんです。でもこのイベントの企画会議の時、フジファブリックの加藤さんだけZoom参加だったんだけど、画面越しで「だいじょうぶ(くまのプーさん風)」と言われ、ベボベ(Base Ball Bear)のこいちゃんには「お前らふざけんな」とキレられました(笑)」

とトリに決まるまでの経緯を話した
そりゃあ、ハマはフジファブリックに華を持たせたかったんだろうけど、OKAMOTO'Sも来年でデビュー15周年
SMAはOKAMOTO'Sに大役を任せたかったのではないだろうか?

と、四星球のライブレポを書いてるくらい、ネタが非常に多く、来月からアコースティック・トークツアー(もはやわけが分からない)を行うのも納得するレベル

ただOKAMOTO'Sの本質は演奏にあるのであって、「Dr.STONE」の主題歌だった「Where Do We Go?」は作品の世界観も入れながら、壮大なロックバラードとなっている
トークも良いけど、OKAMOTO'Sといえばやっぱりアンサンブル
ワンマンだと、その切替に客が対応するのが大変そうでもある

しかしここからはOKAMOTO'Sを代表するキラーチューンラッシュ
かつて「JOY JOY JOY」や「Beek」と共に会場を踊らせまくった「SEXY BODY」は今なお会場を揺らし、ハマのスラップはやはり冴えまくり
ステージと客席との兼ね合いはやはり楽しいが、会場中が大合唱となる「BROTHER」はサビになった途端、「パンクバンドだったけ?」と思ってしまうほど、突然性急に
コロナ禍前からライブの中心になっていたけど、ヒットメーカーのイメージが強い福岡ソフトバンクホークスの近藤健介が、まさかの本塁打王を取ってしまうほどの急変ぶりである

「いろんなことがあったけど、今日皆さんと出会えた事が「Beautiful Days」です」

とさっきまでの長いトークが嘘のように、瞬く間に最後の曲となったのはこれも「銀魂」の主題歌だった「Beautiful Days」
一見銀魂の主人公、坂田銀時の生き方に見える歌詞はこの世を生きるものへの讃歌
今日が素晴らしい1日と思える最高のラストだった

アンコールで戻ってくると、ステージにギターアンプが1台追加されているが、それはフジファブリックの山内のものでも、クジラ夜の街の宮崎のものでもない
つまり、Base Ball Bearの小出のものというわけで、小出がやるがこれからやる曲について

小出「普段はやらないの?」
ショウ「人気曲なんですけど、曲が増えすぎて…」
小出「あれ、かさばるよね〜」
ハマ「かさばるって何!?」

と流れがどんどん混沌へ(笑)
小出の独特な認識に笑いが起こる中、

「こいちゃんと作った曲!!」

と制作に携わった小出も参加することで大幅にアップグレードされた「青い天国」
ミラーボールも青く染まり、Zepp Shinjukuは青い天国と化していた

セトリ
90'S TOKYO BOYS
Border Line
Young Japanese
Where Do We Go?
SEXY BODY
BROTHER
Beautiful Days
(Encore)
青い天国 w/ 小出祐介(Base Ball Bear)

演奏後には、Base Ball Bearにフジファブリック、クジラ夜の街も再び呼び戻されるが、

ハマ「スプラッシュマウンテンみたいに、途中で取るシステムにするべき(笑)」

と未だにキレは衰えず、このキレの良さははまちゃん譲りなのだろうか(ちなみにスプラッシュマウンテン、実は今日本しか存在してなく、海外は「プリンセスと魔法のキス」を題材にしたアトラクションにマイナーチェンジされる予定)

写真撮影後には、

ハマ「今度からSMAは、写真を出口で販売します(笑)」

と肖像権を無視する方針を勝手に決定し、

「トー横キッズに気を付けてね(笑)」

と最後もハマが持っていく(笑)

どうやらOKAMOTO'Sが巻いた時間を綺麗に回収した模様
ソニー50周年のキックオフとなるこのイベント、来年どんなイベントが開催されるのだろうか?