個性的な音楽雑誌として知られながら、近年は神奈川でライブイベントを開催することも多くなっているTalking Rock!
既にTalking Rock!Fes.は今年大盛況で終わったが、新たにTalking Rock!の日という若手主体の企画が始動
大阪でも開催されており、この日は神奈川編

出演者は、

KALMA
ケプラ
シンガーズハイ
This is LAST
Maki

と次のシーンの中心に立つであろうバンドばかりである

定刻になるとTalking Rock!の編集長、吉川氏が登場
創設28年目にして10月6日と9日がTalking Rockの日に出来ることに気づいたようだが、

「2ヶ月前に抑えたから、Makiは今渋谷のタワーレコードでインストアライブしてる。なのにトップバッターでステージに立っていたら、「彼らは何者なんだ?」って話になる(笑)」

とダブルヘッダーとなっているMakiが弄られていた(笑)

・ケプラ
なのでトップバッターは当たり前であるが、Makiではなく、

「9月にリリースされたアルバムが彼らの音楽性を広げました!!」

と称賛のコメントが送られたケプラ
昨年東京都立鷺ノ宮高等学校を卒業したばかりの若手バンドで、見るのはこれが初

昔天才テレビ君でアレンジされた有名な洋楽をSEに登場し、左利きのギターを背負う柳澤(Vo. & Gt.)がアカペラで歌い、

「近所の八百屋」

といったローカルなワードも飛び出す「16」から始まるが、柳澤の声は非常に伸びがある
そう簡単に嫌われることはないだろう、誰からも愛される歌声

柳澤がタイトルコールして始めた「これからのこと」は、「学校」、「遅刻」といったワード達がとてもフレッシュであるが、この日出演しているアーティストの大半はパンクやラウドルーツのバンドだらけ
その中でケプラはベクトルが異なる気もするけど最初は真顔だった、けんた(Gt.)は徐々に笑顔が増え、ベースのかずはUNISON SQUARE GARDENの田淵智也やSpitzの田村明浩みたく暴れまくる訳でないけど、自然に身体を動かして自由気ままに動いてる
緊張が解れてきたということだろう

ドラムのハヤトは表情を見せないが、幕間ではスティックで手を振る可愛さを見せていたところ、

「Talking Rock!の日だって知らなかった人もいるよね?大丈夫、僕もこの前吉川さんに会った時に知ったから(笑)」

とTalking Rock!の日に柳澤は言及するが、

「Talking Rock!の日に最初に立ったバンド」

と歴史の始まりを担わせてもらえることを光栄に思っている
最初の1ページをケプラが担ったことは今後も変わらないから

そんなケプラにとって、必殺技の1つになりそうなのが、音楽ストリーミングサービスでも知られるAWAの名前が入った、「OUR-AWA-HOUR!!」

「僕はさっき君にフラれたんだ
それもまさかのたった一言で」

とインパクトあるフレーズから始まったと思いきや、ブレイクダウンしたり、急加速したりとジェットコースターのように展開が目まぐるしく変わるそんな曲調を実現させているのは、ハヤトのビート
彼が臨機応変に対応できているから、「なんだこりゃ!?」なスリリングの1曲が出来上がるのである

加えてけんたのギター
彼のギターは、口ずさみたくなるような優しいメロディーばかりで、ハヤトが散歩したくなるようなビートを刻む「おねだり」で健太が弾くのは陽気な音色
かなりポップよりではあるが、高校卒業して数年でこのクオリティは驚異的である

ハヤトのビートがタイト、かずのベースも前に出るようになるなどリズム隊が躍動し、けんたが明るい未来を呼び込むようにギターを鳴らす「未来で逢いたい」を終えると、イントロから名曲と確信できる歌い出しな「ルーシー」は、

「美味しいものを食べられて
それでいて素晴らしくて…」

で大合唱
自分の周囲、特にTwitterやInstagramを見てもケプラを好む方はまだそんないない
でもいずれは、もっと大きな舞台で合唱するだろう
そんな未来を大いに期待したい

そして最後は爽やかでありながら、4人の合唱が力強い「春が過ぎたら」
かずはアウトロでドラムセットに乗るほど、活発になっていたが、これからどのような進化を遂げるか
デビュー当時から既に天才の予感を見せていた、リュックと添い寝ごはんのように大きく羽ばたくのだろうか
その答えは来年の春が過ぎた頃に

セトリ
16
これからのこと
OUR-AWA-HOUR!!
おねだり
未来で逢いたい
ルーシー
春が過ぎたら

・This is LAST
昨年のTalking Rock! Fes同様、今回のイベントのタイムテーブルは参加者には伏せられている仕様
しかもステージも暗転しているため、セッティングで次のアーティストも予想しにくいが、2番手に登場したのは既にホールでもワンマンできるような存在となっているThis is LAST
ちなみにケプラの新作、「This is 未来」とかけた説は吉川が後に否定することに

いつもの壮大なSEで登場し、菊池陽報(Vo. & Gt.)が、

「準備はいい?千葉県柏市から来ました、This is LAST、よろしく!!」

と普段通りに挨拶し、「もういいの?」で始まるのはすっかり慣れてきた

同時にバンドの世界観、This is LASTの歌詞は失恋したものにこそ響くものであり、そうでもないに世界観に共感は出来ない
しかしルーツをハードロックやメタルに持つバンドだから、スリーピースだけどケプラ以上に音圧は凄まじい
サポートのベースがバッキバキになっている点も含めて

陽報がイントロで手拍子を煽って、和やかな雰囲気にさせながら、鹿又(Dr.)の一打一打の大きさを感じさせるような「勘弁してくれ」を経て、鉄板の「恋愛凡人は踊らない」はというと、サビの手拍子が少なく、「今日はアウェイなのかな?」と思った
が、陽報が合唱を煽ると客席からは気持ちのいいくらい大きな合唱が返り、サポートベースもしれっとコーラスしてしまうほど
ただ締めのジャンプは上手く行かず、鹿又から「上手くいってない(笑)」と指摘されることに(笑)

「今日たくさんカッコいいバンドが出てきて、タイマン張ってる!!」

と珍しく熱く語る陽報
こんなに熱いのは、同世代のバンドが多く集まるイベントに招かれたからだろうか
しかし、

「けど、俺たちが1番カッコいい!!」

と自信を持って宣言し、強いキメを筆頭に、

「届けたくて」

と叫ぶ「ディアマイ」に繋ぐのは、「自分達が1番」と主張するようなもの
強度で重厚なアンサンブルがそれを物語っている

そのうえでThis is LASTを語る上で欠かせないのが、「病んでるくらいがちょうどいいね
コロナ禍当初の陽報の状況がそのまま描き出されているが、そこにあるのは「どーにでもなれ!」精神
病んでるのは全員、だから全員で頑張れるという姿勢が詰まっているし、

「病んでる僕らだからこそ!」

の一体感、これを聞けば明日は頑張ろう
そんな気持ちになれる人も多いだろう

合いの手の手拍子や、

「君が作ったオムライスかな」

と終始ハッピーな雰囲気を漂わせる「オムライス」で楽しませた後、ラストは同期のホーンと共にポジティブな姿勢が伝わってくる「カスミソウ」
UNISON SQUARE GARDENとVINTAGE ROCKの自主企画で見て以降、見る機会が急激に増えた
歌詞に共感を抱くようになる確率は今のところ低いけど、アンサンブルは間違えなくかっこいい
だから日に日に彼らが勇ましく見える
陽報が奏でるリフも素晴らしいから

最後、

「Talking Rock!の日に来てくれてありがとうね!!」

と出演者や主宰者側を代表するように、陽報は話したがこちらこそありがとうだし、This is LASTの音楽が鳴り止みませんように

セトリ
もういいの?
勘弁してくれ
恋愛凡人は踊らない
ディアマイ
病んでるくらいがちょうどいいね
オムライス
カスミソウ

・KALMA
この日の出演者で最も昔から見ているバンドである
去年のTalking Rock! Fes.で久々に見て以降、見る機会が急激に増加しているKALMA
前半の締めくくりとして登場である

「20世紀少年」の実写映画でよく使用された「21st Century Boy」をSEに登場すると畑山(Vo. & Gt.)がいきなり熱く語り始めるが、

「衝動を僕たちにぶつけてくれ!」

に着地し、斉藤(Ba.)のゴリッゴリなベースを皮切りとする「隣」で始めると、畑山はマイクスタンドを早々に動かしたり、ステージで寝転がったりと初期衝動全開
斉藤もマイクスタンドを中央に持ってきてアピールするように弾いたりと、この日の出演者で最も衝動的
JAPAN JAMやロッキンでもその衝動ぶりを発揮していたが、左利き用のドラムでプレイする金田は流石に前に出てくることはない

ABCDを用いた歌詞に3人のコーラスがユーモラスな「ABCDガール」は、まもなくリリースされる「ムソウ」からの先行シングル
自分はKALMAが10代だった頃からライブを見ている
こんなにもエッジの効いた曲を出すようになり、少し感動している部分もあるのだが、ロッキンオンのフェスではハルカミライの「ファイト!!」ばりに演奏された「モーソー」が早くもここで爆発
この日は1回限り
何度も多発することはなかった
その代わり、まさかの風景を自分は目の当たりにすることになるが

パンクロックを基調にメロディーの良さが目立つ「恋人」を歌い上げたあとは、先日リリースされたばかりの「デート!」を初披露するが、その前に畑山が口にしたのは、

「ふざけたラブソング大嫌い」

と今のシーンへの嫌悪感
Mega Shinnosukeも似たようなことをインタビューで口にしており、Tik Tolkを始めとするSNSを意識したような曲が増えた
そうした曲が畑山には気に入らないのだろう

だからか、

「僕たちはまっすぐに歌う。」

と畑山が話した「デート!」には、

「ラーメン」「焼肉」

とラブソングでは普段使われない言葉も飛び出す
美辞麗句なんていらない
表裏ない言葉を畑山は伝えに行く

「Talking Rock!の吉川さんには昔からインタビューさせてもらってるんだけど、初めてインタビューしてもらった頃は、想定してない質問がきて戸惑ったりした。でもそれは今に繋がっているし、若い子達が最近インタビューしているけど、吉川さんの意思が受け継がれている気がします。」

とTalking! Rockについて話す畑山
相当昔からお世話になっている様子だが、

「この日の出演者の中で、1番大きい声で歌います!!」

と宣誓して、「ねぇ、ミスター」で衝動を爆発させた後、畑山はステージを飛び降り最前柵の前に行くと、

「This is LASTのグッズを持っているそこのお姉さん、最前キツイよね?ガンガン人当たるしさ」

と上手側にいた参加者を弄りだすが、

「マイク持ってくれないかな?」

とお願いしたことで分かるように、最前柵の前で「1分間の君が好き」を開始(笑)
まさか、こうくるとは…
ロッキンオンのフェスでも、スタッフにマイクを持たせる場面があり、観客を爆笑させたが、客席に突入できるとこんな感じになる模様

しかし、ケプラのグッズを持っている参加者には、

「誰だ!子供を見に来たの!!」

と口撃(笑)

「君たちも10代でジャパネク出てただろ!!」

と心でツッコむ一方、客席は徐々にダイブが発生し、畑山も肩を蹴られたりしたようだが、

「この前、ケプラの柳澤くんとMakiの山本さんとフロアダイブしたんだけど、柳澤くんと山本さんは受け止められたのに、俺は受け止めて貰えなかった(笑)」

とのこと
それに比べたらよっぽどマシである

そのうえで畑山が口にした、

「世の中は上手く行かないものばかり。だから、音楽もそうだし漫画とかでもいい、夢中になれるものを見つけて!!」

KALMAは社会人で言ったら、新卒か新卒2年目
この日会場に来た参加者より若い方の方が少ないだろう
でもこの年齢は社会の壁にぶち当たる事が多い年頃
KALMAもここまで壁に当たりまくったのではないだろうか
だからこそ、夢中になれるものを探して欲しいのだと思う
生きる糧になるものを

そうして「少年から」(とは思えない程、歌詞が大人びてる)、青春は続くと言わんばかりの「blue!!」とインディーズ時代の名曲を連打したあと、最後に演奏されたのは新曲の「ムソウ」
これがまもなくリリースされるアルバムのタイトル曲だが、その名前通りこれからKALMAが無双していく姿が想像できるとんでもない新曲だった

今年に入ってから、KALMAは凄みを増している
こんなにも衝動的なバンドになるなんて、想像しなかったし、メインステージに出演するアーティストよりも優先して見たいアーティストになるなんて思いもしなかった

来年1月のO-EASTワンマン、いよいよ足を運ばなければならないかもしれない
彼らがムソウする、前兆を見せているだけに

セトリ
ABCDガール
モーソー
恋人
デート!
ねぇ、ミスター
1分間の君が好き
1分間の君が好き
少年から
blue!!
ムソウ

KALMAを終えると、編集長の吉川が再びステージに
ケプラとThis is LASTの順番が並んだのは偶然であること、KALMAに難しい質問をしたつもりはないと本人の意思を話していた

そんな中、気になるのはこの後の出順だが…

・Maki
この日、Makiはタワレコ渋谷でインストアライブしているため、出順の予想はトリ
しかしながら出番はまさかのトリ前
この頃になると、タワレコ渋谷から移動してきたと思われる参加者も増えてきた

MONKEY MAGICの「Around The World」をSEに登場した3人に疲労はほとんど無さそうだが、山本(Vo. & Ba.)が持っているペットボトルに入ってるのはアルコール飲料(笑)
どうやら会場のルールかなにかで、缶を持ち込めなかったらしい
だからといって、ペットボトルに入れるのはクレイジーだが(笑)

そのMakiの登場で会場の雰囲気も大きく変わり、早速必殺の

「何気ない言葉が
君を殺してしまったんだ」

が登場する「ストレンジ」から始めると、ここまでの雰囲気が一変するようにダイバーが続出
KALMAの時も多少はいたが、数があまりに違う
これぞ、ライブハウスな雰囲気

「みなとみらいから、秋の風が吹く」

と詩人のように告げる「秋、香る」は、バンドの特徴の1つであるノスタルジーを感じさせるが、佳大(Gt.)は至るところで跳ねたり、前に出てきたりとAtomic Skipperのツアーで見たときと、ほとんど様子に変わりはない
「ほんとにさっきまでライブしてたの?」と疑わしくなるほど、エネルギッシュ

初めて見た人が「かっこいい!!」と思えるような勇敢なコーラスを「虎」で見せたあと、ショートチューンの「斜陽」はやはりダイバーの嵐となり、まっち(Dr.)はスピーディーにビートを刻むが、

山本「音楽とは、音を楽しむこと。もっと楽しむ姿を見せてくれ!!」

と煽ると、案の定「斜陽」は更に獰猛に
今年何回かこの景色を見たし、もう鉄板なのだろう
そのまま「ユース」と畳み掛けて、ダイバーが続出するからセキュリティは焦っていたけど(笑)

しかしここでセトリ変更
恐らく「pulse」をやる予定だったんだろうけど、

山本「俺たちはバコスコやる強いバンドだけど、弱いバンド(ケプラのこと?)もいる。俺たちは強くて優しいバンドです」

と激しさも優しさも、兼ね揃えているバンドであることを伝え、青春時代を呼び起こす「エバーグリーン」へ
今まで聞けてなかったし、個人的にこれは嬉しかった

負の感情を負の一面を感じさせるに鳴らす「嫌い」の後は、

「つまらない上司を殴っちゃおう」

とCHAGE and ASKAの「YAH YAH YAH」に匹敵するワードが目立つ「Lucky」が続く
Atomic Skipperとのツーマンで見た際には、肩を組みながら楽しそうに聞く光景を目の当たりにしたが、山本の要望でこの日も
この風景はいつ見ても微笑ましいし、こんな景色が見れるなら、「Makiのライブをもっと見たい!」
そう思う方はより増える
でも上司を殴ってはならない

そのうえで公演日の翌日に出版されるTalking Rock!には、Makiのインタビューが載るのだが、山本は何故かサンシャイン池崎ばりに、個人情報を晒しまくる(笑)
暗証番号まで晒しまくっていたが、そこは大丈夫なのか?

ラストは再会を願う「平凡の愛し方」だが、この直前にリリースされた「Toy box」のリリース曲はツアーでしかやらないとのこと
日程が他のアーティストと被らなければいいが…

セトリ
ストレンジ
秋、香る
斜陽
斜陽
ユース
エバーグリーン
嫌い
Lucky
平凡の愛し方

・シンガーズハイ
そしてこの日のトリは、シンガーズハイ
現在知名度急上昇中とはいえ、まさかトリで見るとは…

転換中にりゅーいち(Dr.)が和のビートを刻んで楽しませるお茶目な面を見せたあと、本番はBUMP OF CHICKENの「天体観測」を意識するフレーズが出てくる「climax」から早くもクライマックスへ
ほり(Gt.)は前に出まくってギターを弾き、りゅーいちはパンクバンドにツービートを刻むが、驚いたのは全くダイバーが出ないこと
「どう考えてもダイバー出る曲だろ!?」とビックリしたし、内山(Vo. & Gt.)はハイトーンボイスとロートーンボイスの使い分けがあまりに上手い
無理して声を出しているのではなく、自然に声を出せているのが見てて分かる

シンガーズハイを知るきっかけとなった「Kid」は、

「先に謝っときます、みんなのことじゃないよ」

とわざわざ内山が謝罪して始めたが、この「Kid」の歌詞はとてつもなく凶暴
「よくこれリリース出来たな…」なんて思えるくらい
「Kid」が理由で敵に回してしまった人もいるだろう
ただパラドックス的に考えれば、それだけ肝が据わっているということ
若手1番のロックンローラーかもしれない

「情けな」で気迫籠もったギターロックを鳴らしたあとは、

「僕は海が好きで川崎や八景島シーパラダイス行くんですけど、水平線が好きなんです。」

と外見からはあまり考えにくい嗜好を内山は話し、横浜出身のみつ(Ba.)も同調するが、

「今日はいろんなアーティストがいるけど、日本海で例えるなら俺たちは中心。」

と話したのは、シンガーズハイが目立つ方向性なのだろう
激しいのが多いときも、そうじゃないときも呼ばれるらしいが

ほりが奏でるリフが時間の経過を示すようで美しいけど儚いバラード「フリーター」の後は、性急なギターロック「すべて」、みつのゴリッゴリなベースにほりのノイジーなギターが交差
りゅーいちの高速4つ打ちビートの上に内山のハイトーンボイスが乗る「エリザベス」とアッパーな曲を連発

自分も含め、大半の人が初めて聞いた時に脳裏に浮かんだのは真っ先にクリープハイプ
この2曲なんかまさにそうだろう
でも内山はハイトーンで押し切るのではなく、フリーフォールのように高低差をつけ、ロートーンでも魅せる歌い方をしてる
ここまで巧みに歌い分けるシンガーは珍しいと思う

そんな中、内山は、

「今日来ている人たちって、今の音楽に不満感じている人たち?「これじゃない!」って思うのあるもんね。ユヅキ(KALMAの畑山)も言ってたし。ネット見るの怖いもんね。」

とリスナーが内心抱えているようなことを代弁するように話すが、

内山「でも僕らには言葉がある。ライブハウスで知らないバンド見る時、「うわ!?」ってなったりする瞬間あるやん?。俺ライブハウス怖くて、「近づくか!」と思った時期がありまして、とても後悔しています。こういうイベントって同じジャンルのアーティストまとめた方が売れるやん?俺もそう思うし。けど、こうやって混ざったほうが面白いし。優しいバンドもいれば、激しいバンドもいるし、客より暴れるバンドもいる。寛容でいきましょうよ。」

と色んな音楽を許容することを諭す

自分もやっぱり「これはない…」と思う瞬間はある
TikTokerが歌手デビューする話を聞いて「は?」となったこともあれば、「これあの曲だよな…?」となって、その曲を受け入れられないような時もある
でも「生で見てみるか」となって、現場に足を運んで聞いたら、評価が一変することを何度も見た
拒絶反応を起こすなら仕方がないとして、そうでないなら現場で判断する
そういう姿勢を取ったほうが良いだろう
こういったイベントで良さを知るアーティストもいるし

その後、内山が

「それでも分からないなら…お馬鹿さん」

と吐き捨てるように爆音を叩きつけるのは「ノールス」
SNSばかり気にしている方には描けないだろう、エッジの効いたロック
「ただすげぇ…」
そんな興奮を呼び起こすようなロック
ここに集った人は、その興奮を求めてるはず

そして内山のハイトーンボイスが疾走感と共に気持ちのよく駆け抜けていく「daybreak」がラスト
すげぇバンドが現れた…
身近い時間で心を鷲掴みにされた

そのうえでアンコール、りゅーいちはステージ袖から袖まで走り、内山も前転を決める奇妙なパフォーマンスを魅せたが、

「僕は誰よりも早い曲を作りたい」

と最後の「我儘」を爆速で締めた
これはトリになるのも納得だ

セトリ
climax
Kids
情けな
フリーター
すべて
エリザベス
ノールス
daybreak
(Encore)
我儘

去年のTalking Rock!Fes.のように、若手主体だったから、客席はかなり空いていた 
翌日平日なのに、終了予定時刻21時はキツイのもある

でもこうした若手メインのイベントは「こんな素晴らしい逸材がいたのか!!」とワクワクする
シンガーズハイの恐ろしさに気づけたし

来年以降も開催し、是非定着させて欲しい
 場所もKT Zepp Yokohamaで