自分が毎月愛読しているロッキンオンに先日見たばかりの米津玄師がNew Coverとして紹介された2012年のロッキンオン
ONE OK ROCKが初めて表紙を飾った号で米津と共にindigo la Endはピックアップされたものの、シーンに注目されるようになったのは2014年頃
ただその時はゲスの極み乙女の付随品といった感じであり、キャパは少しずつ大きくなるもののそこまで注目はされず、絵音の騒動から活動停止に追い込まれ一旦は表舞台から姿を消した

それからインディゴは再びシーンに戻ってきたが、2018年頃から突然「夏夜のマジック」の再生回数が伸び始め、2019年には野音をソールドアウト
秋以降はワンマンが全てホールとなり「濡れゆく私小説」や「夜行秘密」と傑作を連発したのは今や説明不要だろう

そんなインディゴが遂に武道館の舞台へ
個人的には近年最も祝福するべき瞬間

チケットはソールドアウトしたということで、アリーナ最後列から見ても客席はびっしりと
脚注席まで完売したとのことだが、つい先週見たOfficial髭男dism(聡以外の3人がとても心配)が360度方式だったので、インディゴの武道館を見ると「これが普通だよな〜」とも

定刻を5分過ぎた頃にいきなり暗転
ステージにはモニターが現れ、久保田紗友演じる女性が何やら走っている映像が

「一晩の夜が何かを変える。そんなこと信じてなかった。」

と伏線めいた台詞を吐く中で、サポートのささみお(Cho.)やえつこ(Key. & Cho.)と共に容姿が整っていた頃が懐かしい栄太郎(Dr.)、髪をインディゴブルーに因んだかのように青く染めた絵音(Vo. & Gt.)、ほとんど姿が変わっていない後鳥(Ba.)、ティス(Gt.)の4人は黒の衣装で統一
ティスや絵音はスーツまで着用して気合を入れているが、女性が過去の記憶を想起させ、

「懐かしい曲の雰囲気がした」

とオリジナルでは8年ぶりの演奏となる「Sweet Spider(2016年にも演奏されてはいるものの、この時は「reply ver.」なる特殊なアレンジ)」から

武道館といえばホールと比較するとそこまで音響は良くない
故に初めて武道館でワンマンするバンドほど、音響に苦戦するケースは多いが後鳥のベースは今日もゴリッゴリで、栄太郎は普段よりも1打1打の音は大きい
それだけ気合が入っていることなんだろうけど、バンドを象徴するティスのギターが甘いメロディーを奏でるとステージが照らされ、鳴り終えるとステージは暗くなる
まるでティスのギターがバンドの生命線と言っているかのように

「やっと思い出したよ
思い出してしまったよ」

がショートフィルムの流れを予言するように響いた後、

「indigo la Endです。」

と絵音が挨拶し、何度もあるバンドの分岐点の1つとなった「悲しくなる前に」では今日も栄太郎が獰猛なドラミングを刻んでいくわけだが、リリース前に演奏された2015年のVIVA LA ROCK
この時自分は初めて栄太郎が所属するインディゴを見た(「幸せが溢れたら」のレコ発は色んな事情が重なって参加できなかった)

アルバムのレコーディングを終え、かつてロッキンオンが開催していたRO69 Jackに唯一2度入賞したアーティストとして凱旋したCDJ14/15のサブステージトリ(この時、絵音があまり機嫌がよろしくなかったのも忘れていない)としてライブを見た数日後に公式で発表された前ドラマー(オオタユウスケ)の脱退発表
NHKで放送されていたMUSIC JAPANにも出演したり、ロッキンオンをはじめとする音楽雑誌でも取り上げる機会が増えて「これから!」という時の出来事だったので最初は上手く飲み込めなかったけど、「悲しくなる前に」を初めて聞いて「凄いドラマーが入ってきたな…」と思ったのももう5年以上前の話

栄太郎の16分ビートから様々な楽器の音が合わさって始まる「瞳に映らない」もバンドの分岐点
何せ、絵音がレコード会社のリリース会議に直談判してリリースが決定したから
「最新作を最高傑作」と考えているからか、インディゴのライブは最新作の曲が演奏されることがとても多いけど、この曲だけはほぼ毎回欠かせていない
原点を忘れないようにしているからだろうか

「次の曲で後鳥亮介が凄いベースを弾きます。10秒後に凄いベースを弾きます」

とゲスの極み乙女のライブで絵音が「パラレルスペック」を行う前、休日課長やちゃんMARI、いこかに無茶振りする前振りを後鳥に煽り、FCブログでは自身が好むサブカルチャーを語りまくっている後鳥がバッキバキなスラップベースを決める「花をひとつかみ」は色とりどりの花を見ているかのように、照明は次々と切り替わり、ティスはファンキーにカッティングを決めるが、自分の座席は武道館では久々のアリーナとはいえ上手の最後列
ステージを見る際、リズム隊かツインギターのどちらかしか見えないのが少し辛い所存である(1週間前にOfficial髭男dismの武道館で立見指定席からステージを見ていたので、そこからは遥かにマシであるけれども)

チューニング中には冒頭のショートフィルムの続きが流れ、女性は会社で会議の真っ最中
その途中で昔付き合っていた彼氏(絵音に似ているが、詳細は不明)との会話が思い出し、

「前より凄い良い」

と称賛していたCDはインディゴのメジャー1st Full Album「幸せが溢れたら」
前とは「あの街レコード」を指すんだけど、「女性が紅白や武道館に立つような存在になるのかな〜」と期待を膨らませる中、男性は「どうだろう」と曖昧
そこで女性がもしそうなったら「焼肉!!」と話したところに、

「結婚でもする?」

なんて被せるのは「幸せが溢れたら」へのセルフオマージュだろうが、この思い切り発言と連鎖反応を起こすように演奏される「想いきり」の前奏がなかったのは復帰ワンマンとなったEX THEATER ROPPONGI以来だろうか?
あの時に死生観強めな「鐘鳴く命」や後のライブ定番となる「見せかけのラブソング」も初披露されたが、これらの楽曲が収録された「Crying End Roll」は自分が毎年行っている年間ベストアルバムで初めて年間ベストに選出した
インディゴの流れが変わり始めたのはこの作品だと今でも思う

一方「雫に恋して」は「Crying End Roll」の1作前「藍色ミュージック」に収録されていたが、「藍色ミュージック」と言えば「PULSATE」と並んで難解となってしまったアルバムの1枚
この時の絵音はインタビューで頻繁に「引き算」という言葉を口に出していた
それが今のR&Bベースの音楽性に繋がったのは間違いないけど、あの騒動関係無しにあのアルバムはやっぱり難しすぎた
ティスのギターも減って寂しかったし

そうした難解な音楽性が「PULSATE」で終わり、「濡れゆく私小説」を経てたどり着いた最高傑作「夜行秘密」の世界への入口となる「夜行」で絵音はハンドマイクへ
ティスがリズミカルにカッティングを刻む中、客席に手を伸ばすように上手へ移動する絵音はとても気持ちがいいだろう
時間はかかれど、ようやくインディゴで日本武道館のステージに上がれたのだから

「武道館、楽しみましょう!!」

と気持ちが高ぶった絵音は煽り、後鳥のスラップベースとえつ子の鍵盤が不思議な夜へ誘う「夜風とハヤブサ」は世界がめくるめく変化するようにカーテンのような背景の色が塗り変わる
この演出は前にも行われたけど、何度見たって驚くということはマンネリ性がほぼないということ
この演出を生み出したスタッフに拍手を送りたい

再びショートフィルムが始まると女性は男性から貰ったと思われるストラップをずっと使用しているので「捨てないの?」と男性から不思議がられるが、インディゴがまたメンバーチェンジした話となり、「どんな気持ちで告げるんだろう?」と脱退に至るまでどんな背景が合ったのか気になっている様子
もちろんこれは絵音があまりにメンバーチェンジが多いことを自虐ネタにしたんだろうけど、この流れを経由して演奏されたのは、

「「音楽に力はあるのだろうか?」って思った時期もあったけど、この曲ができたことで救われた」

と春の中野サンプラザワンマンで絵音が話し、「夏夜のマジック」とともにほぼ毎回演奏されている「蒼糸」
野音で演奏された際はPVを流しながら演奏したこともあるし、後鳥の寄り添うようなベース、

「守ってあげる 救ってあげる」

に最も救われているのはきっと絵音だろう
絵音のパーソナルな部分が出ている曲だから当然この日も演奏されている

サスペンス劇場のオープニングのような壮大なイントロから始まり、絵音がアコギを大きくかき鳴らす「花傘」を経て、えつことささみおが、

「あなたの色に私染まって」※間違えている可能性大、正確な情報求みます

のコーラスを導入するのがお約束の「チューリップ」はモニターにPVが上映されるが、そのPVは女性のスマホの画面をそのまま投影したもの
要は女性と同じ視点でPVを鑑賞しているということだが、PVを生演奏で鑑賞できる機会もそう多くない(昔、「ガールズ&パンツァー 劇場版」の劇伴コンサートに参加したことがあるから、生演奏で映像を鑑賞できるのはレア)
なのでメンバーに集中するべきか、映像に集中するべきか
難しい選択を強いられてたのではないだろうか

モニターはここで一度閉まり、黒幕を含めたステージ側の壁を全て装飾した上で、

「泣いたり笑ったり」

と日常を簡潔に凝縮したフレーズがリフレインする「邦画」を栄太郎による正確な4つ打ちと後鳥のグルーヴィなベースで踊らせたあと、絵音はここでようやく長いMCを始めるが、

「次やる予定だった曲は、本来セットリストに入ってなかったけど、急遽やることにしました。前のツアーでも話したと思うけど、この曲は自分の感情を殴り書きした曲。僕は定期的に音楽が嫌いになることもあるけど、音楽しかできないから結局戻ってきてしまう。もしかしたらこれ聞いて何か思うことある人いるかもしれないけど、先に自分の気持ちを話させていただきました」

とまるで次の曲を演奏する事情説明
絵音が音楽から逃れられない運命にいるのは自身を海の生物にたとえて表現したほどだし、もう磁石のように引き寄せられる宿命なんだろうが、こうした説明が必要だったのは「夜の恋は」

終演後に、

「「藍色、好きさ」が来ると思っていた」

と近くにいた男性が話したのと自分もほぼ同じ考え
こんなにも前置きするのは、「藍色、好きさ」が件の人物を連想させるからというのもあるが、「夜の恋は」は2016年から存在し、音源になるまで長い時間を要した曲でもある
そうした長時間の経過を待たなければ絵音の傷が修復出来なかったのかもしれないし、

「2人は1+1になってしまった」
「好きにならずにいたかった
あなたを知らずにいたかった」

はやっぱりあの人なんだろうが、会場外に気分を害される方はいないだろう
何故ならあの騒動がきっかけで離れた方はもう拒絶反応で触れない可能性が大いにある
逆説的に言えば、あの騒動のあともインディゴを聞いている方は絵音の音楽に魅了されている方達
もしくは絵音を守ろうと誓った人々
絵音は心配しなくていい
生配信でもされてない限り、気分が悪くなった方は限りなくゼロだろう
ちなみに久々に中野サンプラザで封印された曲(「素晴らしい世界」)にも言及されたが、こちらは封印する意思は無いとのこと

その上でこの辺りからティスのギターがやや大きく感じたが、現在の所属レーベルであるSlowly Records(indigo la End専用のプライベートレーベル。既にTACO RECORDSという絵音専用のレーベルがあるにも関わらず、インディゴだけ独立させたことに本気度を伺わせる)から初めてリリースされ、原点に帰るような「そのままの冷たさで」からどんどんアンサンブルは激しく
何度も武道館でライブを見ているものの、こんなに耳に来るノイジーなアンサンブルは初めて
しかもこれはまだほんの序の口

再びモニターが会場に姿を表すと女性は残業していたのだろうか、1人会社に
その女性が何かを思い出したのか、足早に会社を抜け、「夜汽車は走る」が女性の行動経路を物語っているかのようであるが、ティスが奏でいる幻想的な音色は普段の数倍デカい
「こんな爆音だったかな?」と思うくらいで、歌謡ロックの頃からは考えられないドリーミーなギター
「夜行秘密」は過去1番、オルタナに寄ったアルバムだったけど昨年のLINE CUBE SHIBUYAはここまで轟音ではない
どうやらこの日、インディゴは自身の音圧最高値を更新したのだろう

しかもここで「ハートの大きさ」に「秘密の金魚」とまさかのレア曲連発だが、客席を見渡すとそこまで反応は悪くなく、2階を見ても普通に拳が上がっている
言い方を変えるなら、恐らく拳が上がってなかった方が初見だったんだろうけど、もう耳を塞ぎたくなるレベル
まさかインディゴが武道館でこれだけのオルタナサウンドを鳴らすなんて…
予想しなかったとんでもない事態になっている

そんな衝撃の武道館ワンマンもいよいよ終わりが見えてくる
「夜明けの街でサヨナラを」が始まるのはその合図だから
普段と違って、ティスと後鳥がステージ前方に出てくる場面はないが、ティスの虹を描くようなリフはこの日に至っては祝福のメロディー
栄太郎がサビで刻む四つ打ちのビートも幸せ増強剤
素晴らしいエンディングに向かっているのは間違いないこと

その結末を更にお膳立てするのは、自分が聞くのはコロナ禍前最後のライブとなったLIQUIDROOMで行われたFC限定ライブ以来となった「名もなきハッピーエンド」
インディゴに何度も訪れた最初の転機はきっとこれだ
絵音自身も再三、「これが出来て変わった」と話したほど
絵音のカッティングから始まって、ティスの浮遊感あるメロディーが混ざるイントロは何度も聞いたけど、これは何度も聞かないと気が済まない
絵音は途中で

「武道館ー!!」

と叫んでいた
このピースはかけてはならないのだ

絵音の長尺MC後に演奏されると思われた「藍色好きさ」はここで
コロナ禍以降のワンマンで復活するのは少し不思議だし、「例の騒動がなければもっと評価されていただろう」と思う方はきっと多数
いるだろう
しかし、終盤に入ると画面が突然ショートフィルムに出てきた女性に切り替わる
女性は何かに急いで向かっているようだが、その途中で何かを落とした
この落としたものこそが中盤で言及されたストラップ
女性は少し悩んでいたが、ストラップを拾いもせず駆け出した
未練を断ち切ったかのように

そして女性はたどり着く
インディゴが今まさにワンマンをしている武道館へ
実際に1階のアリーナ席に女性は登場し、あのショートフィルムが単なる演出ではなく、ライブと大きく関連していたことを証明した上でとうとう「夏夜のマジック」が武道館に響いた
絵音が煽らなくとも、客席の至る所から手が挙がり、シャボン玉まで空中浮遊する景色はまさしく今夜だけのマジック
誰にだって封じ込めたい記憶は沢山あるけど、絵音が封じ込めたい記憶はこちらの比ではない
自分はまた過去を掘り返されないか、武道館が決まった去年から冷や冷やしていた
でも何も起こらずに済んだ
もしかしたら神様が絵音を守ってくれたのかもしれない

「記憶に蓋をするのは勿体無いよ
時間が流れて少しは綺麗な言葉になって
夏になると思い出す別れの歌も
今なら僕を救う気がする」

は、2015年に書かれたフレーズ
 
同年のVIVA LA ROCKで演奏され「凄い曲が生まれた…」と思い、その後本当にこの曲は大きく評価された
喪失や死生観で内包されたインディゴの曲は明るいものではないけど、ネガティブな場面では支えとなる
ティスによるお馴染みのギターソロはまるで打ち上げ花火のように輝いていた

本編は次がいよいよ最後

「普段通りにストイックにライブする僕たちでしたが楽しめましたか?」

と絵音が話したように正装ではあるものの、全く気負わずただただ曲を演奏するライブではあったが、この完璧なワンマンを楽しめなかった者はまずいない
場内からは当然拍手が起こるが、

「メジャーで6枚アルバム出して、インディーズで3枚。12年間色々ありすぎて、最近はこのメンバーでやってますけど、初めて来る人どれくらいいる?(ほぼ挙手無し)あまりいないじゃん(笑)」

と思わず言ってしまうほど、初見は少なめ
これは色んな意味で珍しく、

「indigo la Endの曲聞く人たちって陰キャなイメージあるんだけど(笑)」

と爆弾を投下し、大爆笑が起こる場内(笑)

確かにあれだけ喪失をテーマにした曲を聞けるリスナーは限られるだろう
新興が深いヤマザキセイヤが所属するキュウソネコカミや小野武正が所属するKEYTALKのようにアッパーな曲が多い訳では無いし

「でも今日、ライブを行ってどういう方がインディゴの音楽を聞いているか分かりました。これからもよろしくお願いします。ありがとうございました。」

と絵音がどういった方がインディゴの曲を好んでいるか理解すると、最後はエンドロールが流れる中で快楽に溺れさせてくれそうなシューゲイザーアンサンブルがこだまする「Play Back End Roll」
ビルボードツアーでは演奏されていたようだけど、ワンマンでやるのは2020年の中野サンプラザ2days以来
インディゴの楽曲で特にシリアスな「Unpublished manuscript」と同じく、大事なライブでしかやらないだろう
そこに込められていたのは、

「追いかけて
問いかけて
何が正しいって言うんだよ
怖くても
叫ぶから
Play Back End Roll
命の火
燃やすから
もう少しだけ見ててよ
確かめて
確かめて
Play Back End Roll」
「忘れてよ 忘れたら
もう少しだけ見ててよ
少しだけ 少しだけ
Play Back End Roll
遠くても 近いから
もう少しだけ歌わせてよ
空白を 探す旅
Play Back End Roll」

とバンドをまだ続けるという意思

どんなに音楽を嫌いになっても結局はここに戻ってくる
ならば叫び続ける
命が燃え尽きるまで
MCもほとんどなかったので、普段のダラダラしたライブが嘘のようだった

正装を解除して、バンドTシャツに着替えてステージに戻ってくると「通り恋」はモニターに歌詞を表記させて

「「聞かれたら困る話だけど
歌に乗せたらいいよね」
2人以外にとっちゃどうでもいい
通り恋みたいな話」

は先程までの物語を直喩しているかのようだけど、あの物語は我々ファンとインディゴの関係性を代弁してくれたもの
決してどうでもいい通り恋みたいな話ではない
あれは1つの藍だ
我々もインディゴもお互いが好きだという

大掛かりなショートフィルムが終わったことで「冬夜のマジック」はボーナストラックっぽく聞こえてしまうが、

「もうすぐもうすぐもうすぐもうそこに
君がいない 飾り付けた部屋が
当たり前に寒くなくてさ
もうすぐもうすぐもうすぐもうそこに
100 を打つさよならのベルが
当たり前に春を待ってる」

が示すように終わりは近い
「さよならベル」がセンチメンタルに響く季節も近づいてきた

そして最後は新曲「名前は片思い」
最後に新曲を持ってくるのはいかにもインディゴらしいけど、歌謡曲にR&Bやプログレをドッキングさせた新曲はとても明るいし、いきなりスウィングにもなる
でも歌詞は絵音によればものすごく暗いとのこと
どんな曲なのか

演奏を終えると記念撮影の時間になるが、

「昔の曲聞きたかった人ごめんね。次のワンマンでは沢山やるから」 

と予告しつつ、

「Saucy Dogとのツーマンは冬のライブじゃない(笑)ティスの好きな曲、沢山やろうか(笑)」

と良くも悪くも話題となったサウシーとのツーマンに言及したが、記念撮影はまさかの「あーい〜!!」(笑)
志村けんが演じていたバカ殿の「あい~ん」を思い出してしまった

絵音達がステージを去ると、筋目筋目のワンマンでは恒例のボイスメッセージ

「冬は僕らの季節」

と自信を持って宣言するも、夏も自分たちの季節だと宣言し、来年の夏頃に7th Album「哀愁演劇」のリリースを発表
「夜行秘密」はリリース時期がどんどんずれ込んだが果たして

そしてあのショートフィルムの続きが流れ、

「結成記念日は大切にしないとね」

とインディゴに聞かせるようにつぶやくと、「夏夜のマジック」のPVが撮影されたみなとみらいにあるパシフィコ横浜で「蒼き花束 vol.3」の開催が発表
来年も楽しませてくれそうだが、最後にメンバーのフォト写真がモニターに出現
栄太郎の姿に笑いが起こり、後鳥は拍手が送られるもティスは、

「早くお家に帰りたい…」

と平常運転(笑)

絵音は至って普通だったので、ティスが全てを持っていった

初めてワンマンを見たのは改装前の渋谷公会堂ワンマン
それからその年の暮れに行われた東京国際フォーラムワンマンも見て、飛躍を期待した翌年に例の騒動が起こった

6年前、渦中の中で行われたインディゴとゲス極のツーマン
あの時マスコミが気持ち悪いくらい待ち構えていたLIQUIDROOMは中は天国で外は地獄
未来永劫忘れられないこの世の地獄の景色を体感させられた
あの頃、インディゴやゲス極のファンは絵音をおもちゃのように扱い、ファンはSNSで猛抗議する光景が日常茶飯事となっており、その光景を飯のおかずにして楽しむ奴らが沢山いただろう(サンドバックのように叩いていた奴らが武道館に来ていたら色んな意味で凄い)
ファンと名乗りにくかったあの日々、でも今はそんなことない
武道館でショートフィルムとライブを連動させた素晴らしいライブを行ったんだから

暮らしの中で生まれる歌を歌って幸せ悲しみ摘んで想いながら歩いた12年
この夜は夏の夜のマジックではないけど、今夜だけのマジックでありインディゴからの、我々からの藍だった


セトリ
Sweet Spider
悲しくなる前に
瞳に映らない
花をひとつかみ
想いきり
雫に恋して
夜行
夜風とハヤブサ
蒼糸
花傘
チューリップ
邦画
夜の恋は
そのままの冷たさで
夜汽車は走る
ハートの大きさ
秘密の金魚
夜明けの街にサヨナラを
名もなきハッピーエンド
藍色好きさ
夏夜のマジック
Play Back End Roll/
(encore)
通り恋
冬夜のマジック
名前は片思い※新曲




※前回見た野音ワンマンのレポ