5月に活動21周年を記念してぴあアリーナMMにて2days、被り無しでアニバーサリーライブを行ってから早4ヶ月
ぴあアリーナ2days初日の終演後、出口にて秋にZeppツアーの開催をチラシで発表していたが、その正体は9月にリリースされた「Double Circle」のレコ発ツアーだった
既に来年まで続くホールツアーの詳細も発表されているが、小学校の頃から聞いていたORANGE RANGEのツアーに足を運ぶなんて、昔は考えられなかったことである

前日参加されたフォロワーさんから開演時間や終演時間は聞いているものの、開演は平日にしては早い18時半
なので仕事を休んでお台場に赴いているわけだが、会場に入るとある曲で使用する衣類のレンタルブースが会場に
アルバムのインタビュー記事で存在は知っていたものの、本当に用意するとは…
開演前にはその衣類に関する説明を真剣にするので思わず吹き出してしまう

定刻を少し過ぎた辺りでゆっくりと暗転
先に楽器隊の3人、NAOTO(Gt.)とYOH(Ba.)、サポートドラムとしてSASSY(from DracoVirgo, ex.HIGH and MIGHTY COLOR)が登場し、次いでHIROKIとRYO、YAMATOの3MCもステージインし、SEからそのまま合流するように陽気な「恋はRock'n'Roll」からスタート
HIROKIはカウベルを叩き、RYOもタンバリンを叩くがこの曲、事前に台詞を募集しておりこの日の台詞は、

「水筒に豚汁」
「山頂でポーカー」
「チーズバーガー チーズ抜きで」

とシュールすぎる台詞がリストアップされるが、最後は

「愛してるぜ 東京」

と絶妙なチョイス

間奏のセリフはRYOが毎回読み上げるとのことらしく、他のツアー会場に参加される方は毎回新鮮な気分になれるだろう
自分の生まれ故郷、福岡では何が読み上げれるかも気になるところ

ツアーの開幕を宣言するようなオープニングセッションを経て、NAOTOが風を再現するように強弱つけたメロディーを奏で、

「そうか ゴールはまたスタートなんだな」

と人生に終わりがないことを物語る「キリサイテ 風」、EDMのアレンジが施され、SASSYのキメの強いドラムに合わせて拳を掲げる「以心電信」と新旧のキラーチューンを交互に演奏していくとまずはMC3人が昨日に引き続いて、今日もライブを開催できることに感謝するが、昨日はHIROKIが浮足立っていたようで、

「今日は大丈夫ですよ!!」

とアピールするも、その後観客にこの日やらないであろう動きを強要させるドS心全開(笑)
この時点で「Enjoy」が無いのは分かってしまった

今回のツアーは「Double Circle」のリリースに伴うツアーであるが、このアルバムにはコロナ禍になって以降リリースされたシングルがほぼすべて収録されている
「これどうやってセットリスト組むんだ?」と思う方々もいただろうが、

「そう going to be a friend going to be a friend」

とお互いに歩み寄っていくような「ドレミファShip(「PANIC FANCY」収録)」という懐かしい曲でステージと客席の距離を縮めたあと、10年代の大ヒット曲としてORANGE RANGE健在を印象付けた「SUSHI 食べたい」では3MCに合わせるようにYOHもステップを踏んでいるが、本来この時間帯は夕食時
Zepp DiverCity付近にはフードコートがあり、事前に夕飯を食した方もいるとはいえ、ここで「SUSHI〜」をやるのは打首獄門同好会と同じくらいのテロ行為である
自分は近くのバーミヤンで事前に定食を食べていたが、ORANGE RANGEが原因で近日中にテイクアウトで構わないのでSUSHIを食べたくなってしまった

ムッキムキのボディーインストラクターのジャケットが強烈だった「気分上々」、YOHのゴリッゴリなベースと不穏な電子音、更に回るミラーボールが、

「今以上これ以上 迷い込んだラビリンス
奇想天外摩訶不思議 僕らこの手でサイを振る」

を疑似体験させる「ラビリンス」とコロナ禍にリリースされたシングル曲を連打しつつ、SASSYによるアイリッシュなリズムから導入された「男子ing session」では、ハイカラ時代を彷彿させるようパワフルでパンキッシュなSASSYのドラムソロを挟み、YOHがベースソロを弾く中、RYOも鍵盤ハーモニカを担当
そのハーモニカソロは頭上でやっていたようで、HIROKIから弄られていたが、

「昨日の映像見たんです。あまりに静かすぎた…」

とのことでRYOは頭上で弾くパフォーマンスを思いついたらしい

「この人(NAOTO)はしませんけどね(笑)」

とHIROKIはNAOTOを弄ったが、そのNAOTOはRYOがSASSYを紹介したあと、「恋はRock'n'Roll」の台詞を選んだ主犯と攻撃されてしまった(笑)

「Double Circle」のツアーではあるものの、色々な曲をやることをRYOが説明すると「オボロナアゲハ」と共に両A面シングルとして発表された壮大なバラード「もしも」をピックアップ
5月に開催されたぴあアリーナ2daysでもセットリストから漏れてしまった曲はかなりある(「瞳の先に」や「Walk On」、「ラヴ•パレード」のような普段やらないバラードを選んだとはいえ、それでも出来なかった曲は多い)
特にORANGE RANGEは一時毎年のようにアルバムをリリースしており、聞いていた時期によってはライブで聞くことが叶わなかった曲も多い(ダブルミリオンを達成した「musiQ」期が小学生だった方も多いと思われる)
そうした曲たちも届けるのは、ORANGE RANGEからの優しさを感じる
「あなたの聞きたいであろう曲を届けます」といった優しさを

RYOが再び鍵盤ハーモニカを手に、YAMATOとHIROKIを中心として猛暑が終わったこの時期に夏を恋しくさせる「Love of Summer(元ネタはSWEET LOVE SHOWERか?)」で「Double Circle」より爽やかな風を吹かせ来年の夏フェスシーズン活躍に期待をもたせたせると、「world world world」に収録された不穏な歌謡ハードロック「KIMAGURE23」から雰囲気は大きく変化
YOHがウッドベースに持ち替える「l llusion」は歌詞をはっきり見てない(まだネットでは公開されていない)が、胸に刺さるようなシリアスなフレーズを連発
発売前のインタビューで相当シリアスな曲であることは認識していたものの、

「井の中の蛙」
「知らないことの恐怖」

などのフレーズは現代社会への問題提起

ORANGE RANGEは今でも拠点にしている沖縄は常にニュースで報じられるほど、政治を無視できない地域
けれども本来は自分から知ろうとすることが大切であって、「知らなかった」は政治に関しては絶対に避けなければならないこと
そうした面からファンに注意喚起しているのだろうか
今世間を騒がせる某団体も自分は既に知っていたし

楽器隊がラウドなアンサンブルを鳴らす中、
YAMATOが絶叫する「We got the power」を「TEN」から演奏すると、RYOは今回のアルバムについて、

「コロナ禍になってから制作した作品、だからアルバムというものを意識してない」

と話し、「方向性がバラバラで個性的な曲が多いのはそういうことか」と納得したが、タイトルの「Double Circle」には、「ORANGE RANGEのサークルをもっと拡げようぜ」という深い意味もあるとのこと
また2枚組だから「Double Circle」という見解も間違っていないようで、

「この人(NAOTO)が付けました(笑)」

と弄られまくるNAOTO(笑)
しかもその時に限って、スポットライトでゆっくり強調されるNAOTOは「あ、すいません」みたいな仕草
NAOTOはいつも弄られまくっているのだろうか

「後半、もっと盛り上げていきたいけど「Double Circle」にはメッセージが強い曲が多いのでその2曲を」

とRYOが話し、「エバーグリーン(厳密には「OKNW e.p.」収録)」、「Family」とバラードを連打
「エバーグリーン」ではHIROKIがアコギ、「Family」ではYAMATOが三味線と役割分担していたが、この2曲はメロディーも歌詞も全て素晴らしい
全てのフレーズをここに書き記したいほどである

2020年以降にリリースされた曲のほとんどはコロナ禍の影響を受けてしまったような部分も見えてしまった(あの「HEALTH」にすらそうしたフレーズがある)が、それがORANGE RANGEの良さを改めて認識する機会にもなった
ORANGE RANGEの曲で助けられた方はきっと多い
特に自分のように幼少期からORANGE RANGEに触れている方は

HIROKIが今回のツアーが久々のロングツアーとなり、ここのところ行けなかった地域でもライブが出来ること、大切にしていたライブが一時的に奪われてしまったものの、ライブが再開できたことでより届けたい思いが強くなったことを伝える一方、

「こんなこと口にしたくないけど、昨日レンタルパンティーの5分の1が盗まれました!!」

と思わず耳を疑ったのは、今回ある曲のためにパンティーをレンタルする試みが行われているのだが、そのパンティーが5分の1ほど返却されなかったこと
「パンティー持ち帰って何に使うの?」と思わずにいられないし、パンティーから無意識に自分は「変態仮面」を脳裏に浮かべてしまったが、

「もし返し忘れたらTSUTAYAへ!!きっと処理してくれるはずです!!1週間過ぎたら延滞料金が発生します!!気に入ったなら自分のパンティーと交換してください!!スタッフが対応してくれるでしょう!!」

と様々な方面を巻き込みながらユーモラスに注意
激怒してもいいはずなのに、そうしてユニークに注意するのがHIROKIの優しさだなーと思った

そうした注意喚起を終えると「イケメンパラダイス」のオープニングとして起用されていた「イケナイ太陽」が終盤突入のスイッチ
5月のぴあアリーナ初日には演奏されなかったが、この曲を聞かないとORANGE RANGEのライブに来た感じがしない
フェスでほぼ毎回のように演奏されていたから

昭和の名曲「学園天国」のリズムを参考にしたような「トカトカ」では琉球音楽の要素も融合
オマージュが多いバンドだからこそ出来るオリジナリティを生み出すと、NAOTOによるラテンルーツのギターソロから一気に高揚させる「お願い!セニョリータ」ではもう躍りまくり
このようにアッパーチューンの数々が立て続けに演奏されるが、、ORANGE RANGEのライブ中は365日問わず真夏
暑さも熱さもカムバックしてくる
その証拠に身体中は汗びっしり
季節を夏に戻して決まった証拠である

そして、

「ついにこの時間が来てしまいました!!」

とRYOが煽ったのは、客席中に様々なパンティーが掲げられ、そのパンティーをタオルのように振り回す「Pantyna」
タオルじゃなくて振り回されるのはパンティー
こんなシュール光景を生み出せるのはORANGE RANGEくらいだ
しかも男女問わずパンティーを回している…
大ヒット曲の「ロコローション」には、

「刺激が欲しけりゃ馬鹿になれ」

が登場するけれども、この景色を生み出せるのは羞恥心を捨てたということ
いい意味で馬鹿になれている
何もかもを忘れられている理想的な光景だ

「友人に連れられて、家族に送り出されて、恋人と共に見に来た方もいるだろうけど、たさかパンティー振り回すなんて思わなかったでしょ?(笑)」

とHIROKIが自虐する以前に、クラブですらパンティーを振り回す光景なんてほとんどないが、

「2020年に予定したものがほとんど中止になって、実現できなかったアイデアもあるし、みんなに強いることが多くて本当に申し訳ないと思うけど、タオルもパンティーも回せるようになった。元に戻れる日はもう近い!これに発声出来るようになったら凄いことが起こるでしょ!!」

とコロナ禍当初と今を比較するように振り返り、実際マスク着用で発声出来るようにガイドライン作成チームが働きかけている
マスクを外せる日はまだ遠いだろうけど、合唱できる日は近づいている
耐えに耐えてきた今の景色に発声が加わったらきっとスーパーノヴァ級の何かが起こる
そう思えばポジティブに生きていける

そして発声出来る日までライブし続けることを宣言し、

「最後の曲は何にするか迷いましたが、今1番相応しいのはこれかな…」

とラストナンバーは、

「世界中ほら 笑ってる空 見上げて さあ立ち上がって Oh Yeah 世界中ほら 変わってく 皆頑張って So立ち上がって Oh Yeah」

が日本を飛び超えて、世界中にエールを届ける「ビバ★ロック」
NARUTOの主題歌として子どもたちにもORANGE RANGEの名前を知らしめ、小学校でもガンガン「ビバ★ロック」が流れていた
FLOWの「GO!!!!!」と共に今尚愛されているけど、正直今が1番輝いて見える
学生時代に馴染み深かった名曲が本編を締めくくった

ほとんど間髪開けずにアンコールで戻っくると、メンバーはほとんど話しかけることなく、ORANGE RANGEのラウドモードを示す「Leisure」を轟音で
サビで

「BBQ!!」

と叫んでいるのに、あまりにもカッコいい…

ORANGE RANGEがミクスチャーロックバンドであることは誰も否定してないが、彼らのルーツにDragon Ashや山嵐の存在があることを知っている方は流石に少なくなった
けどこうしたラウドナンバーを聞くと、今でもその影響は消えでないのは明白
原点はラウドロックにあり

そして最後は、

「桜前線と共に!!」

を先頭に残っているエネルギーを全て放出する「キリキリマイ」
別れの挨拶は口で伝えずに音楽で
何度聞いたって、常に脳裏に切り刻む轟音を耳に残してライブは終了

当然、コロナ禍のライブなので規制退場はある
しかしORANGE RANGEのファンはほとんどがマナーを守っていて感動した
こうした一面を見ると、またORANGE RANGEのワンマンに参加したくなる

正直、これだけシングル曲が集まっているならそれらの曲を全て演奏してもいいと思っていた
でもそれではただのアルバム網羅ライブになってしまい、多くの方が聞きたいであろうヒット曲を聞けない
だからヒット曲も最新曲もレア曲もバランスよく盛り込んだ
まさに「そう来たか!!」なセットリスト

ライブホリックで演奏された際騒然とした「HEALTH」、「Typhoon」に「あの世のANTHEM」など演奏されていない曲も多い
つまりホールツアーに来いということだろう
神奈川はよこすか芸術劇場でしかもファイナル…
今からチケットを入手できるだろうか

そして1番恐ろしいのは、この日ORANGE RANGEが演奏した曲は全て自分が耳にしてきた曲ということ
曲名は覚えてなくとも、「チャンピオーネ」以降、ほとんどの作品は必ず聞いていた(何故「チャンピオーネ」かというと、これが自分が初めて新譜で買った作品だから)
やっぱり自分の人生にORANGE RANGEは欠かせない存在だった
明日も明後日もこれからもよろしくね

セトリ
恋はRock'n'Roll
キリサイテ 風
以心電信
ドレミファShip
SUSHI食べたい feat. ソイソース
気分上々
ラビリンス
男子ing session
もしも
Love of Summer
KIMAGURE23
lllusion feat. ペニチュアロックス
We got the power
エバーグリーン
Family
イケナイ太陽
トカトカ
お願い!セニョリータ
Pantyna feat. ソイソース
ビバ★ロック
(Encore)
Leisure
キリキリマイ