コロナ禍の影響でほとんどフェスができなかった昨年

ARABAKI ROCK FESも直前で中止に追い込まれ、春フェスは数えるくらいしか出来なかったものの、VIVA LA ROCKと共にGWに開催されたJAPAN JAMはメディアではまるで「悪者」のように扱われていた

一部テレビ局が悪意ある編集をしていたことは今でも忘れられないし、それを利用して叩きまくる輩がいた事も


それでも出演者と参加者が一体となってこのフェスを守り抜いた

CDJでsumikaの片岡健太が


「あなたがいたから開催できた」


と話したように、あなたが守ってくれたお陰でこのフェスは今年も無事開催

自分としては直前で行けなくなってしまった昨年のリベンジでもある

まさか再びリベンジ案件が生まれるなんて、この時は思いもしなかったけど


今年のJAPAN JAMからステージ構成が大きく異なり、LOTUS STAGEがフードコートに変化

SUNSET STAGEとSKY STAGEの2ステージ制になったが、この変化によって出演アーティストをすべて見ることが可能になった


先日のビバラロックでは入場に20分を要し、トップバッターを見れなかったが、このフェスの入場では待ち時間すら要さない

このフェスの利便性はいつ来ても変わらない


•FOMARE[SUNSET STAGE](10:30〜)

そんな4日目、ロッキンオンのフェスでは珍しくこの日はラウドやパンクに分類されるバンドが多く出演している

この異色なラインナップでトップバッターを飾るのはロッキンやCDJには出演したことがあるものの、JAPAN JAMには初出演となるFOMARE


前回見たロッキンではSOUND OF FORESTに出演しており、2年の間に当時サポートドラマーだったオグラが正式メンバーに

レーベルもインディーズからメジャーに移籍している


モニターにFOMAREのロゴが現れてそのオグラを含むアマダとカマタの3人がSEに導かれるように登場し、


「お初です、JAPAN JAM!!高崎から来ました、FOMAREです!!」


と挨拶して、まだ眠気が残っているであろう客の目を覚ますようにパンクの基本であるツービートを用いた「Continue」からスタート

野外のライブはコロナ禍以降、indigo la Endやthe peggiesの野音ワンマンで経験しているので久々ではないものの、野外でこんな早くから生の音楽と戯れるのは久々

「野外フェスに帰ってこれた!!」ことを感じる瞬間であり、それは自分のように久々の野外フェスである方ほど感じるだろうけど、


「カーテンの隅」


から始まる「Lani」や「Stay With Me」は幾度も聞いてきたFOMAREの代表曲

コロナ禍になってからはパンクバンドのライブを見る機会が減ってしまい、10-FEETやdustbox、サンボマスターにハルカミライくらいしか見てない

だからFOMAREのライブは、コロナ禍前のパンク熱を再燃させてくれているし、


「ライブハウスやフェスシーン、バンド全体が色々言われてどうなってしまうんだろうと2年前に思ってしまったけど、フェスが戻ってきいます!!」


とアマダが発したように、一時傷だらけになったシーンが戻ってきている意味でもある

去年と異なり、大空に何1つ遮るものがない点が


お世話になった両親、支えてくれた人を思い出させるような「HOME」を経て、アマダは前説で送り出してくれた渋谷陽一(FOMARE自身もフェスを主催していること、新時代の顔と紹介した)にお礼を伝えつつ、


「今は早い時間だけれども、いつかは遅い時間もやりたいね!皆さんよろしくお願いします!!」


といつかはトリをやることに意欲を示した


パンクバンドでトリを担ったアーティストは数少ないが、FOMAREはMONGOL800の系譜を継ぐバンドだと初めて聞いたときから思っていた

Zeppクラスでもワンマン出来るようになっただけに、いつかは遅い時間を任せてもらえそうな予感がする


「夏の歌を」


とアマダが紹介し、少し早めな夏歌(のように感じたが、ここからこのフェスは春フェスとは思えない気温になっていく)の「HANABI」で爽やかな花火を青空に打ち上げ、歌詞のいたる所からアマだの地元愛がにじみ出るノスタルジックな「夕焼け」と続けると、イントロで大きく湧いたのは「ゴールデンカムイ」のオープニングに起用されていた「Gray」

アニメ用に書き下ろされたからか、この曲だけ雰囲気が大きく異なっていた(オグラの手数が非常に多い)が、この曲経由でFOMAREにたどり着いた方も多いはず

そリリースされたのは2020年の秋だからライブハウスが攻撃されていた頃で、すぐには足を運べなかっただろうけど、この曲をアニメで聞いて「いつかは生で聞きたい!!」と思って会場に来た方はいるはずだろう

シーンが止まってしまったかのように思える2年だけど、その2年で更に前進したアーティストもおり、FOMAREもその1組だろう


FOMAREのライブではギターはほぼ演奏に専念し、アマダは歌唱部分以外では煽りまくっているものの、ファストパンクの側面も持つ「Frozen」の終盤では、


「ソーシャルディスタンスなんて早くぶっ飛ばしたいよな!!」


と思わず叫んでしまった


FOMAREもそうだが、この日の出演者の大半はライブハウスを主戦場にしている

つまりあのもみくちゃな三密空間で育ってきた

あの空間が見えなくなって2年近く


「もうあの景色は戻らない」


なんて話すミュージシャンも増えてきたが、アマダは諦めない

なぜなら最後の「愛する人」に出てきたように、


「あの日々が恋しい」


から


その景色に戻れるか、戻れないかは我々の手にもかかっている

今やこれだけのスケールでパンクロックを鳴らせるようになったんだから、せめてもののソーシャルディスタンスを撤廃して、FOMAREが見れるようになることを祈っている


セトリ

Continue

Lani

Stay With Me

HOME

HANABI

夕暮れ

Gray

Frozen

愛する人


•SHANK[SKY STAGE](11:15〜)

ロッキンでは近年、セカンドステージに当たるLAKE STAGEやPARK STAGEに多くなっているSHANK

こちらもこのフェスには初出演


FOMAREと同じように開演時間になるとモニターにバンドのロゴが現れ、SEが鳴る中で庵原(Vo. & Ba.)、松崎(Gt. & Cho.)、池本(Dr.)の3人がステージに現れ、庵原の声がじっくり広がっていく「surface」から始まると、池本がドラムを叩きまくる「Rising Down」からはお得意のファストチューンを連発

持ち味とするスカが、ブルージーなギターがスカテイストのカッティングに変わることによって発揮される「620」からは次々とスカダンスする方も現れていくが、元々このフェスでは禁じ手だったダイブ、黙認されていたモッシュやサークルが出来ないスカダンスは禁止されていない数少ない文化だ

この景色を見るとFOMAREのアマダが話した「シーンが戻っている」感覚をより共感する

野外フェスやライブハウスでは見慣れた景色だから


メロコアの十八番であるツービートで突っ走る「Bright Side」を終えると庵原は、長崎から17時間かけてこの会場に来たことを報告するが、


「俺は運転してません(笑)2人(松崎と池本)が運転してくれました(笑)。ここで感謝を伝えます」


と赤裸々に話して、自身はというとまさかの免許更新を忘れたらしい(笑)

普通、免許の期限が迫ると更新手続の案内が届くものだがそれに気づかなかったとなると、よほど忙しかったのか

ライブバンドとしては致命的なミスな気もするけど


松崎による美しきメロディーから静かに心を燃やしていく「set the fire」を経て、これまたお得意のスカで踊らせる「Take Me Back」では、


「これ「Take Me Back」って曲です。長崎から来ました、WANIMAです(笑)」


と名物である庵原の面白トークも決まっていくが、


庵原「今日はスカバンドが自分たちしか居ないので、踊らせたいと思います」

池本「スカパラおるやん(笑)。やっちゃったな(笑)」


と日本が世界に誇る偉大なスカバンドを忘れてしまう大失態(笑)

庵原の表情も「やってしまった…」という感じだが、


「人生がレモンならレモネードにして倍にして売るって曲」


と「Steady」の頃にはもう開き直り、スパイに扮したかのようなPVが面白い「Smart The Babylon」、更にレア曲の「It's not a game」と止まることなく突き進む

このテンポの良さはさすがSHANK


「今日はありがとうございました。もうすぐ臭いおじさんたちが降ってくる(=ダイブ)ので、今のうちに健全な状況を楽しんでください(笑)」


と猛毒を庵原が吐き、このバンドの中で特にメロディーが良い「Long for the Blue moon」から最後は「BASIC」、「Submarine」のショートチューン2連発


いつ見ても庵原のトークは面白いが、やっぱり「Love and Hate」はやらないのかい


セトリ

surface

Rising Down

620

Bright Side

set the fire

Take Me Back

Good Night Darling

Life is…

Steady

Smash The Babylon

It's not a game

Wake Up Call

Long for the Blue moon

BASIC

submarine

 

•打首獄門同好会[SUNSET STAGE](12:00〜)

SHANKのライブ中、SUNSET STAGEを見ると「まごパワー」の映像が流れていた打首獄門同好会

ここからMY FIRST STORYまでラウドロック勢の先陣を切るかのように登場

前回見たぴあフェスではthe telephonesの松本誠治がサポートドラムを行っていたが、今回は河本に戻っている


コロナ禍後のライブでは良くも悪くもお約束である「新型コロナウイルスが憎い」をこの日出演している「JAPAN JAM」を歌詞に盛り込む方式で始め、モニターの映像に吹き出しそうになる「足の筋肉衰えヤバい」が続く流れはぴあフェスと同じ

しかし「足の筋肉〜」が来たということは、「筋肉マイフレンド」でスクワットを強要することでもある

しかも日がよく出ているお昼時

オールスタンディングのフェスでこれをやられるのはキツイし、「VICTORY!!」なんて言われてもこのスクワットで疲弊したのか、coldrainやマキシマム ザ ホルモンの時間帯に寝ている方が居た

まさに鬼畜行為(笑)


「今年は休みをうまく挟めば10連休とのことで。(客席無反応)あーあ、そうか。君たちは明日休みじゃないのか(笑)」


と会長(Vo. & Gt.)が話したように、この日の参加者の大半は明日仕事

その現実を突きつけるかの如く、翌日平日の非情宣告から「はたらきたくない」に繋ぐ流れは、分かっていても爆笑してしまう(笑)

この鬼畜発言2連発を聞くと、「会長は実はドSなんじゃ?」という疑惑が持ち上がってしまう(笑)


するとここで新曲「地味な生活」

コロナ禍によって満たされなくなった欲求が爆発する曲となっているが、ドラムンベースからラテンになって最終的にサンバに変化するあまりにカオスな1曲

コロナ禍が続く限り、この曲も演奏され続けるのだろうか


会長による、


「ニューヨークに行きたい!ニューヨーク?カンガルー!?」


と「カンガルーはどこへ行ったのか」に繋ぐ下りは意味不明だけど


しかしながら、この時のステージの気温はなんと31度

あまりの暑さに、


「これは春フェスではありません。夏フェスです(笑)」


と断言する会長


この熱さが原因で、セットリストが「牛乳推奨月間」からボサノバの「夏のうた」に変更

会長が絶叫するパートが増えてた気がするけど(笑)


そしてロッキンオン側の狙い通り「きのこたけのこ戦争」、「島国DNA」を連発し、フードコートへの誘惑を強めるどころか、


「今日のフェス飯は丼ものが良さそうですね!」


とこちらの食欲を引き出す仕上げ作業に会長は入るが、


「今年は音楽シーンにもいい風が吹きそうですね。音楽シーンの豊作も願って!!」


と米と音楽シーンの大豊作を願う「日本の米は世界一」で終了


ちなみにこの日、いやこのGWに自分はフェス飯にたどり着くことはありませんでした


セトリ

新型コロナウイルスが憎い

足の筋肉衰えヤバい

筋肉マイフレンド

はたらきたくない

地味な生活※新曲

カンガルーはどこへ行ったのか

夏のうた

きのこたけのこ戦争

島国DNA

日本の米は世界一


•Fear, and Loathing in Las Vegas[SKY STAGE](12:45〜)

ここからは久々に見るアーティストが3組続く

まずは2016年のロッキン以来となる、ラスベガス

見ない間にメンバーが入れ替わったり、脱退したり、挙句の果てには「なんちゃらラスベガス」なる言葉が爆誕して、スマホの予測変換で登場するようになってしまった


アッパーなSEに乗ってメンバーが勢いよく登場すると、これで平常心を保てるほうがどうかしてる「Accelaration」からスタートし、スラップベースが怒涛の勢いで押し寄せる「Rave-up Tonight」で最初からボスラッシュ

けれどもこのSKY STAGEはステージの向きが変わったためか、サウンドに影響が出やすく奇抜なファッションで登場したTaikiのギターが風に流されたりTetsuya(Ba.)のコーラスもあまり聞こえない事態

そのため、中央に設置されているスピーカーの付近でライブを見ざるを得ないが、それでも踊らせてしまうのがこのバンド

もちろん何が出てくるかわからない、おもちゃ箱のような混沌さは昔のまま


ボーカルのSoが今年初のフェス出演であることを明かし煽りまくると、アニメの主題歌だったことから「Let Me Hear」で沸き立つ会場

けれども昨年リリースされた「Evolve Forward in Hazard」はMinami(Vo. & Key.)が美しきメロディーを鍵盤で弾き、急に歌モノぽっくなったかと思いきや、やっぱり爆発する「どうなったらそうねん!?」な曲でこのバンドの曲は色んな意味でおかしい(笑)


そのMinamiが普通にラップをこなすのがこのバンドにとってのStrangeである「Great Strange」、Soの指示によって全員が踊りまくる「Virtue and Vice」ともう飛び道具だらけ

そもそも彼らはデビュー初期からぶっ飛んでいたし、ほとんどプロモーションしてないアルバムがいきなりヒットしたりと彗星のごとく現れたが、どっちかといえば硬派なイメージだった

それがどういうわけかどんどん崩れていき、パラパラをやりだしたりエクササイズしたりもうわけが分からなくなっていた(笑)

ポストハードコア系統のバンドだけど、こんなにカオスな音楽性をやるバンドは他にいない


しかし、テンションが上がりすぎたのかSoは、


「後2曲です!明日でJAPAN JAM最終日だからぶち上げるぞ!!」


と明日を最終日(打首獄門同好会の会長も話していた通り、翌日は平日(笑))と勘違い(笑)

しかもこれに誰もツッコミを入れないのだから、全員ハイテンションになっていたのだろう


そして最後はデビューアルバムから「Twilight」、最新作から「Massive Core」とラストナンバー2連発

久々に見えてもカオスだけど、このカオスだからこのバンドは多くの方から指示されるんだろう

「Return to Zero」聞きたかったけど


セトリ

Accelaration

Rave-up Tonight

Let Me Hear

Evolve Forward in Hazard

Great Strange

Virtue and Vice

Twilight

Massive Core


•coldrain[SUNSET STAGE](13:30〜)

ラスベガスが終わった直後、どういうわけかDA PUMPの「If...」を一瞬だけMasato(Vo.)が歌ったcoldrain

こちらは2015年のDEAD POP FESTiVAL以来だが、フェスで見ようとするたびに行けなくなることが多々あったため、ようやくライブを見れた


ラスボスが出てきそうな壮大なSEで刺青が刻まれたメンバーが次々現れ、最後にMasatoが登場すると重圧感あるサウンドの中に美しさが光る「ENVY」から始まるが、


「良い表情しているけど、前にある椅子は距離を取るための椅子です。俺たちのライブに椅子は必要ないです。ここから椅子が見えなくなるくらいに盛り上がってくれますか?」


とライブハウスを主戦場にしているバンドだからこそ、椅子の存在を排除し、少しでもライブハウスの雰囲気に近づけようとしているのだろうが、「炎炎ノ消防隊」OPとして起用(過去にはMrs. Green AppleやAimer、KANA-BOONも担当)されていた「Mayday」はMasatoが曲名をコールするだけで大盛りあがり

ステージ中央のモニターには、PVの冒頭が映されたり、歌詞が表示されたりしているがcoldrainはこのフェスの常連であり、ラウドシーンの代表として君臨している

何度も出させてもらっているから、戦い方も熟知している


歌詞にフォーカスを当てさせる演出が際立つ「COEXIST」を終えると、打首の会長に便乗するかのようにMasatoはこのフェスを夏フェス扱いし、


「今の体力を90として次の曲でHP50%削って、次の次で40%削る。それ以降は死んだ状態で見てもらいます(笑)」


とあまりに容赦ないし、刺青むき出しのR×Y×O(Ba.)やKatsuma(Dr.)の姿を見ると、いかにもラウドロックを奏でそうな風貌

けれども「The Revelation」に代表されるような芸術的なメロディーの美しさも彼らの強みだ

直前に出演した変化球だらけのラスベガスと異なり直球勝負

でもそこには音圧だけでなく、メロディーの良さも兼ね揃えられている


逆にこれぞラウドなMasatoのデスボイスや「JAPAN JAMで最も早いギターソロ」が展開される「F.T.T.T.」を「The Revelation」に続けて食らったことにより、こちらの体力は本当に全て奪われてしまうが、モニターに出てくる


「this moment is all we have」


は彼らがどれだけライブを大切にしているか分かるフレーズだけれども、同時に


「we're making history」


の如く、この瞬間また歴史が生まれている

少しずつシーンが戻りつつある中で、ラウドロックが野外で鳴り響いている歴史が


PVをそのままモニターに投影した「THE SIDE EFFECTS」を終えると、


「このフェスには前から出させてもらって、俺たちが本格的にライブを再開する前から声をかけてくれました。」


とJAPAN JAMに感謝を伝え、


「俺たちが嬉しいのはモッシュや合唱もできず、スポーツは歓声が認められるのにライブは駄目という状況にも関わらず、みんながルールを守ってくれるのが嬉しいです。」


と相変わらず窮屈な状況でもルールを守ってライブに来てくれる

そうやってライブできる環境を守ってくれる観客に感謝を伝えた上で、


「この状況下になって新曲は作らないと宣言したけど、撤回して新作ができました!7月に出来ます!この状況だから生まれた曲を2曲やります!!」


と最後は彼らが歩んできた15年を曲にした「CALLING」と、閉館したスタジオコーストにリスペクトを込めたジャケットが印象的だった「PARADISE〜」


ライブを見ようとも呪われているレベルでタイミングが合わず、7年も間が空いてしまったが、久々に見た彼らは以前に増してカッコよくなっていた

フェスで彼らの名前があるなら毎回見たいレベルで


Masatoが発した、


「シーンが戻ってきている!もしかしたら年内にはまた発声できるようになるかもしれない!」


のように発声できるかは、今のところは厳しい


でもシーンが戻ってきているのは事実だと思う

この後も似たような発言が出てくるだけに


セトリ

ENVY

Mayday

COEXIT

The Revelation

F.T.T.T.

THE SIDE EFFECT

CALLING

PARADISE(Kill The Science)


•MY FIRST STORY[SKY STAGE](14:15〜)

見るのは7年ぶり

この日、最も避けていたバンドである


というのは初期の作品があまりにボーカルHiroの兄、Takaが所属するONE OK ROCKの方向性をまるまるコピーアンドペーストしたもので、ほとんど心に響かなかったのだ

その結果、ライブを見ても何も感じずに早々に立ち去ったが、考えを改めたのは昨年、PデビルマンのためにPay Money To PainのPABLOとHiroがタッグを組んだ「BAD COMMUNICATION」が非常に良く、「もう一度向き合わなければ!!」と考えたからである


そう思って、coldrainを終えてSKY STAGEに向かうと何やら聞いたことがある曲が聞こえてくる

それはマキシマム ザ ホルモンの「恋のメガラバ」のカバー

どうやらマイファスはフェスに出るたび、他のアーティストの曲をカバーしているようだが、この日はホルモンの代表曲を選んだということ

この行動が後々影響を与えることになってしまうが(笑)


このフェス専用のジングルを使用することなく、専用のSEで君臨すると、


「今日は初っ端から持っていくぞ!!」


とHiroが宣言し、いきなり「不可逆リプレイス」から始め、聞きやすいメロディの一方でシリアスな歌詞が羅列された「アンダーグラウンド」と先手必勝

出会ったばかりなのに、


「僕のことはほっといてくれ」


と断絶する「大迷惑」と「V」に収録された曲を連発していくが、以前見たマイファスはワンオクの二番煎じなんて言われても、反論が出来ないくらいに音楽性が似ていた

「Takaが歌えばいいじゃん」と思ってしまうくらいにワンオクに聞こえてしまう現象

つまり個性を感じなったのが、それが7年見なかった間にこのバンドにしか出来ない音楽を鳴らすようになった

具体的に言えば初期のラウドロックから大きく離れて、様々なジャンルをボーダーレスに横断するロックに大きな変化を遂げた

これだったら初期のイメージは忘却できるし、普通に「素晴らしいバンド」として彼らを認識できる


本番前に行ったホルモンのカバーに言及しつつ、


「フェス出るなら楽しい方がいいじゃん?面白いと思ったら何でもやる。」


とHiroは非日常空間に来ている以上は、「ネガティブな面を一切感じさせず楽しんで」という考え方なんだろうけど、


「松本人志にもツッコミます(笑)」


と大御所にも食らいつこうとするのは怖いもの知らずと言うべきか(裏を返せば和田アキ子にも平然とツッコミを入れる姿が想像できる)


マイファスに取っての王道とも言うべきエモーショナルな「REVIVER」、16分のビートに載って踊らせる「モノクロエフェクター」と「V」の収録曲ばかり演奏していたツタロックフェスと比較するとキャリアを横断するようなセットリストになっているが、その中で印象的だったのは「I'm a mess」

モニターにはcoldrainと同じく、バンドが作り上げてきたであろう映像が映し出されているが、そこに映るこの曲の歌詞は、コロナ禍への怒りが込められていた


コロナ禍に突入してしまった2020年、感覚ピエロは「感染源」というコロナ禍への怒りをぶちまけた曲をリリースしていた

それを契機に感覚ピエロへのイメージは変わり、ベストソング上位に選出したが、もしあの時この曲を聴いていたら今ごろもっとマイファスの曲を聞くようになっていたんじゃないかと思う

マイファスのイメージも大きく変化して


そしてレッチリをリスペクトしたようなグルーヴを染み込ませた「猿真似ドロップアウト」から最後の「With You」では、


「今日はいろんな出演者を見に来た人もいると思うけど、全員に伝えたいんじゃなくてわ全員に笑ってほしい」


とHiroは伝えた


ここからマイファスの音楽と触れ合う機会は増えると思う

今のマイファスはマイファスの音楽を歩んでいるから

7年間、ずっと無視してしまってごめんね


セトリ

不可逆リプレイス

アンダーグラウンド

大迷惑

REVIVER

モノクロエフェクター

I'm a mess

猿真似ドロップアウト

With You


•サンボマスター[SUNSET STAGE](15:00〜)

打首獄門同好会から続いていたラウドバンドの流れが一段落するように、今度はパンクバンドが2組

その1組目は昨年のCDJで年越しする前に年越しをするミラクルを起こしたサンボマスター

幕張メッセから帰宅すると、「孤独のグルメ」の年末特番に3人が揃って出演していたことが懐かしい


CDJで奇襲攻撃として使用された「その景色を」はこの日演奏されず、いつもの「モンキーマジック」をSEに登場すると、


「心の中で叫べ!おはようございます!!」


と山口(Vo. & Gt.)が叫ぶと、TBSの朝の情報番組のテーマソングとして起用されている「ヒューマニティ!」から始まり、山口は


「ラビット!ラビット!」


と絶叫

恐らくこのフェスの事は週明けに情報番組で取り上げられるだろうけど、この曲がテーマソングとして起用されている「ラビット!」はこの場面を必ず取り上げるべき

山口がこんなにタイアップ元を叫ぶなんて、まずないんだから


挨拶代わりの「ヒューマニティ!」を経て、「ミラクルをキミとおこしたいんです」からは、何年も客を踊らせまくってきたキラーチューンが続くが、


「こどもの日は盛り上がれません委員会の皆さんですか?」


と煽ったあと、


「制限がある中で普通のライブで終わるのか?制限がある中でミラクル起こして終わるのか?ミラクル起こすに決まってるんだろ!!」


とこの日も全員優勝を狙っていく流れに


しかし「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」では、ビバラロックでMy Hair is Badの椎木が「戦争」に触れたように、山口も戦争に触れるが、


「コロナ禍になって戦争が起こっているんだけどよ。俺はお前らと一緒に生きるって決めたんだ!!」


とより「共に生きる」ことを山口は選んだ

平成から令和に変わって初めて変わった際に、山口はこのフェスに来てくれた方々を肯定していたし、「ロックンロール イズ ノットデッド」では、幾度も「死ぬなよ!!絶対に死ぬなよ!!」と呼びかけていた

山口は誰一人も失いたくない

つまり、ここでライブを見てくれるあなたがとても愛おしい

だからより、「共に生きる」と宣言した

あなたと可能な限り、生きていきたいから


その直後、フェスセトリに戻るとは思わなかった「孤独とランデブー」で同期に合わせるように、山口が気持ちよく笑顔で歌っていくが、気持ちよく歌わせてもらったお礼のように「ボクだけのもの」では6分近くに及んであなたを肯定する

サブスク全盛の今、長尺の曲は好まれにくい傾向にあるけれども、あなたを大切にしているからこの長尺曲が生まれたとも考えられる

いつかはこの曲のあと、「可能性」も聞いてみたい


そして「できっこないを やらなくちゃ」を経て、最後はCDJでは近藤がやりたい放題やって、映像ではMAN WITH A MISSIONのカミカゼ・ボーイも巻き込んだ「花束」であなたを最後まで肯定

演奏が終わったかと見せかけて、近藤(Ba.)が再び演奏を始める場面もあったが、最初から最後までサンボは中央のモニターを使わなかった

「映像がなくとも、問題はない」と山口達が判断したんだろうけど、3人とあなたのグルーヴで全員優勝したのは間違いない


セトリ

ヒューマニティ!

ミラクルをキミと起こしたいんです/

世界はそれを愛と呼ぶんだぜ

孤独とランデブー

ボクだけのもの

できっこないを やらなくちゃ

花束


•04 Limited Sazabys[SKY STAGE](15:45〜)

2ステージ制となったことで休む時間がほとんどなく、飲食可能エリアで軽く持参したパンを食していたところ、「swim」をリハで演奏していたフォーリミ

専用のSEで登場し、颯爽と「monolith」を始めるが、例のごとくキャップを飛ばしたRYU-TA(Gt. & Cho.)の髪色がクリームにも近い緑色に

先月、恒例のYON FES.を成功に収めたけどその時にはこの色だったのだろうか


RYU-TAとGEN(Vo. & Ba.)による掛け合いが楽しい「Knife」、曲名のごとく気分をハイに飛ばせる「Jumper」など普段通り、キラーチューンを連発すると、


「楽屋に入ったら(マキシマム ザ )ホルモンのナヲさんが「これフェスじぇね!?」と言っていた(笑)」


と楽屋情報を暴露し、


「さっき出演していたcoldrainは名古屋じゃないんで(笑)」


と同郷のcoldrainを弄りつつ、YON FES.に取り入られるものはないかも探っているようだが、GENは偶然にもロッキンオンが先日始めた新しいプロジェクトである「ラプソディ(斉藤壮馬やめ組の菅原達也などが携わるプロジェクト)」のブースを発見

それにちなんだ曲を歌っていたが、ミュージシャン界隈にもまだこのプロジェクトは浸透してないのかもしれない(自分もそんなに知らないし)


KOUHEI(Dr.)のストロークを皮切りに楽しく踊らせる「Kitchen」、本編で聞くのは久々な気もする「nem…」と引き続き曲を連打しつつ、


「今日は流星群が見えそうですね!!」


とGENが告げたのは、「midnight crushing」

さすがに夜に流星群は振らなかったけど、夜になるとGENが話したように流星群が降ってきそうな夜空になっていた

YON FES.ではこの曲を夜の野外で聞けているんだろうけど、蘇我でもいつか夜に聞けたらいいなと思ってたりする


このフェスの空間を曲にしたかのような「Hello」を終えると、GENもFOMAREのアマダのように「フェスが戻ってきていること」と類似するような発言をした

よく考えると今回のJAMでは、昨年のCDJであった開演前の注意喚起の映像がなかった

もちろんルールは依然として残っているけど、こうした注意喚起の映像が流れないのも元に戻りつつある証だ

さっすがにまだ合唱は厳しいけど、来年のJAMではまた一歩前進した景色がある気がする

そうして少しずつ戻るのだ


そして最後はバンドの今を描く「Just」と再会を願う「Terminal」

「Squall」も「Fade」もやらないのが意外だったけど、この後GENがもう1度出てくるとは思いもしなかった


セトリ

SC.swim

Monlith

Knife

Jumper

escape

Kitchen

nem...

midnight crushing

Hello

just

Terminal


•東京スカパラダイスオーケストラ[SUNSET STAGE](16:30〜)

このフェスのテーマであるJAMに最も適し、数々のコラボレーションを行ってきたスカパラ

昨年はオリンピックの閉会式に参加したことでも話題になっている


[Alexandros]の川上洋平がゲストボーカルとして参加した「多重露光」のインストver.をSEに、黄色いスーツに身を包んだメンバーが一斉に登場

谷中が客席を煽り、世界中を踊らせてきた「DOWN BEAT STOMP」から始まると、長谷川白紙とコラボした「会いたいね」は長谷川白紙の声を同期させる形で演奏

ゲストボーカルを招いた曲を谷中ボーカルで演奏されることは多々あったが、この曲は茂木(Dr. & Vo.)がメインボーカルなのでこの方法となったのだろう

まさかフェスで聞けるなんて思わなかったけど


さかなクンを始め、ありとあらゆる著名人とコラボしたCMが話題になった「Paradise Has No Border」では、「GAMO、こっちに来て〜」と書かれたタオルがステージ中央のモニターに映され、そこに導かれるように移動していくが、コロナ禍前のJAPAN JAMではさかなクンも加わってこの曲が演奏されていた

今年のJAPAN JAMは、スタジオに大勢の人が入ると密になってしまうのが原因で、セッションがほとんどない(昨年のフジフレンドパークで山内が話したセッションがない理由と同じ。飛沫やエアリゾルの問題があるため)

そのため、あのコラボを見れて本当に良かった

さかなクンをフェスで見れるなんて今後、そうないだろうし


無論、スカパラはコロナ禍になってもコラボシリーズを行っており、川上洋平以外にもMAN WITH A MISSIONのトーキョー・タナカやジャン・ケン・ジョニー、ムロツヨシといった面々とコラボしているが、この度スカパラは「戦うように音楽を作る」というコンセプトのVSシリーズが始動

その第1弾アーティストとして、ALIの3人が登場

更にALIにとどまらずAKLOも登場し、演奏されたのはまさかの「LOST IN PARADISE」

ここで社会現象となった呪術廻戦の主題歌を聞くことができるとは…


ビバラロックがこの曲が演奏されたという情報は事前にSNSに流れていたものは、あれはビバラロックだけと思っていた

だからこそこちらでも領域展開が行われたのは、大いに湧いた

2020年の大ヒット曲の1つだし


AKLOがステージを去ると、いよいよ本命の「サボタージュ」が演奏されるが、スカパラの音楽性とALIの音楽が1つにマッシュアップされたような曲でスカパラがALIと邂逅しなければ生まれなかった曲と言える

このVSシリーズは今までのコラボシリーズと全くのベクトルをたどるシリーズになりそうな予感

King GnuあたりとVSをしたら面白いことになりそうだが、次のVSが誰かも気になる所存


ALIがステージを去ると、1997年にリリースされた「MOODS FOR TOKYO SKA〜」から「HURRY UP!!」が演奏されるが、スケボーに乗りながら演奏したりデカいホーンを持ってきたりと、視覚面でも楽しませる

演奏だけではなく、こうした視覚面でも楽しませられるから世界でも通用するんだなと、思っていると、


「更にもう一組!!」


と出番を終えたばかりの04 Limited SazabysのGENが登場し、最後はトリビュートアルバムでカバーした「銀河と迷路」

時間的に「ペドラーズ」も「スキャラバン」も行けそうな気もしたが、去り際にGENは、


「もう準レギュラーにしてください(笑)」


とアピール

もし、フォーリミとスカパラが同じ出演日になったらこの曲を毎回聞けるかもしれない


セトリ

DOWN BEAT STOMP

会いたいね

Paradise Has No Border

Lost In Paradise w/ ALI,AKLO

サボタージュ w/ ALI

HURRY UP!

銀河と迷路 w/ GEN


•マキシマム ザ ホルモン[SKY STAGE](17:15〜)

まさしくこの日の大本命だろう

SKY STAGEがパンパンにまで入ってるのは、ホルモンのワンマンがあまりにハードルが高いというのもあるが、この日のラインナップを見るとラウド•パンク勢のラスボス的ポジションな気もする


お馴染みのSEでメンバーが姿を現すと、普段は「恋のメガラバ」や「What's Up People!?」で始まるところを、上ちゃん(Ba.)の重心低めなベースで揺らす「握れっっっっっっっっっ!!」からスタートする意外な流れ

サビになるとモニターが色気づくのはホルモンのライブではお馴染みだけれども、


「一昨年のGW!予定が全て中止!!2021年!!JAPAN JAM開催されたけど、上空にはヘリがいて、出口にはワイドショーが待ち構えていた。そして2022年、普通に開催されました!!」


と叫ぶナヲ(Dr.)は嬉しそうだし、


「ヤバい、泣きそう…。もっと化粧してくれば良かった…」


と普通なら、ホルモンの関係者をいじる序盤でこのように話すナヲは滅多にない


一昨年のGWは予定が台無しで、去年のJAPAN JAMは厳戒態勢

ホルモンのメンバーは全員家族持ちだから、2020年のGWなんて子供をどこにも連れていけなくて辛かっただろうし、ホルモンの長いキャリアでもあれだけ監視される中で演奏した経験はほとんどないだろう(というか経験したくないし、演奏もしたくない)

だから遮るものがない中、蘇我で爆音を鳴らせる喜びにナヲはウルッとなってしまったのだ

まさかあの後、ロッキンが中止にされるなんて思ってもなかったし(ちなみにビバラロックのプロデューサーであり、ロッキンにも関わっていた鹿野淳は昨年のロッキン中止の際、「あそこまで怒る渋谷(陽一)さんは初めて見た」とツイートしている。なおロッキンオンとの仲は決して悪くない)


そんな余韻に浸る間もなく、「maximum the hormone Ⅱ〜」でナヲが途中ステージ中央ににてダイスケはんと共に踊り、そのダイスケはん(Vo.)が


「日頃の鬱憤をここに置いていけ!!」


と絶叫し、ホルモンの中でも特に強いメッセージを発信する「鬱くしき人々のうた」で、人々の鬱憤を亮君(Vo. & Gt.)のギターと共に解放していく


昨年は今年以上にコロナ対策が厳重になっていたこともあり、フクダ電子アリーナ内の楽屋すら厳重になっていたようで、ナヲがロッキンオンに苦言を呈したこと、それが反映された今年の楽屋を見て「これ、フェスじゃね!?」と言ってしまったことが明らかになったようだが、先程MY FIRST STORYが「恋のメガラバ」を無断カバーしたことに言及し、


ダイスケはん「「フードコート→」の看板をHiroんちに貼り付けるぞ!!」

ナヲ「辞めてあげて!!」

ダイスケはん「毎日、人を呼び込むぞ!!」


とホルモンをネタにしたら、やはり盛大にいじられる宿命にあるようだ

おまけに楽曲使用料まで請求していたけど、彼らは以前TOSHI-LOWと細美武士に封印されかけていたことを忘れてはならない(AIR JAMで弄ったら封印されそうになった(笑))


ミドルテンポに亮君が呪文のように歌詞を載せる「Mr.ブキータンブリンマン」、説明不要の名曲「恋のスウィート糞メリケン」に加えてまさかの「川北猿員」まで演奏するサプライズを見せてくると、今度はcoldrainのドラムKatsumaの特殊なトイレでの癖を暴露開始(笑)

もはやウィキリークスのようにありとあらゆるアーティストの秘密を握っている気もするが、カメラもカメラでモニターには当の本人が映される公開処刑(笑)

ホルモンのライブだと、カメラマンも便乗するように共犯者になるのが面白い点

この悪乗りぶりは「始末者をかければどうにかなる」とぶっ飛びまくっていたアニメ銀魂の制作陣とほとんど変わらない


ダイスケはんによって、今年からロッキンがこの場所で新しい伝説が始まることを言及し、下ネタ満載の歌詞がモニターによって破壊力を3倍増し以上にする(近くにいた女性が映像を見て爆勝していた)「my girl」では、打首獄門同好会の「きのこたけのこ戦争」でも何故か見られた膣ジャンプを普段よりも回数を増やして飛翔させると、最後はドラゴンボールのフリーザの如く53万の戦闘力で会場を焼き尽くす「「F」」を恋のおまじない経由でやったが、案の定時間を押すため、急いでSUNSET STAGEに移動する方が続出

しかも「恋のメガラバ」も「恋のスペルマ」も終わったあとにやってないことに気づいた


セトリ

握れっっっっっっっっっ!!

maximum the hormone II 〜これからの麺カタコッテリの話をしよう〜

鬱くしきOP 〜月の爆撃機〜

鬱くしき人々のうた

Mr.ブギータンブリンマン

恋のスウィート糞メリケン

川北猿員

my girl

「F」

 

•UNISON SQUARE GARDEN[SUNSET STAGE](18:00〜)

という訳で、SKY STAGEからSUNSET STAGEに民族大移動する中でSUNSET STAGEトリはユニゾン

ロッキンオンの野外フェスでトリは恐らくこれが初(CDJでは意地でもEARTH STAGEに出演したくないのか、GALAXY STAGEのトリをやりまくっていた時期がある)


イズミカワソラの「絵の具」をSEにTKO(Dr.)、田淵(Ba.)、斎藤(Vo. & Gt.)が登場するが、ご存知の通りTKOは病み上がり

その状況で万全なパフォーマンスが出来るかも気になってしまうが、開会を宣言する「ライドオンタイム」で初っ端から4つ打ちで踊らせている辺り、そこまで影響は出てないように見える

とはいえ、療養期間を終えて速攻でライブに復帰しているのを見ると「無理しているのでは?」とも思ってしまう


しかしシームレスに繋がれた「オリオンをなぞる」で田淵が例のごとく動き回る中、TKOはむしろ手数を増やしており、「本当に先日まで隔離されていた人間か…?」と思ってしまうほど

照明がピンクに照らされた「桜のあと〜」では手数はほとんど変わってなかったけど、ユニゾンは久々の対バンツアーが完走目前だったにもかかわらず、TKOのコロナ感染で延期に(しかも会場は野音からTOKYO DOME CITY HALLへ)

ユニゾンはただでさえ、ライブに飢えている

1本でも飛ばしてしまったから、その鬱憤を晴らすかのようにTKOはドラムを叩いているのかもしれない


イベントでは基本的にMCすることなく、淡々とライブを行うユニゾンなので、休み暇もなく斎藤がギターをブリッジミュートして一気に爆発するグランジテイストの「接触ビレンジ」

イントロの同期からどよめいた変拍子の「エアリアルエイリアン」とブレーキを踏むことなく、ひたすらアクセルを踏んでいき、「世界はファンシー」で斎藤が、


「fantastic guitar!!」


と叫ぶとモニターも斎藤のギターに焦点を当てて、ファンタスティックなギターを鳴らす光景が爆音と共にモニターで

ステージ中央にはバンドのロゴが映され、こうやって普段通りに演奏する風景はワンマンを見ているかのようだけど、療養期間に入ってたとは思えないほどに叩きまくるTKOの手数の多さには、誰もが圧巻されたのではないか

むしろスーパードラマーはこれを契機に更に進化したようにも見える


そんなアクセルを踏みまくっていたライブも、


「描いてけ 時代の彼方」


と未来を見据えるような「マスターボリューム」を終えると一段落

かと言って喋ることなもなく、冷静に次の曲への準備を行っているが、TKOのストロークを皮切りに始まったセッションからスムーズに「10% roll, 10% romance」に移行することで曲間は全く無いように感じるし、むしろ全て繋がっているように見える

こうしたストイックな演奏スタイルを見ていると、テンポの良さがライブをより良くすると思わずにいられないが、ここで新曲の「kaleido proud fiesta」

アンサンブルを覆い隠すくらい派手なストリングスが印象に残り、


「かくしてまたストーリーは始まる」


の如く、新しいユニゾンが始まろうとしているが、ユニゾンが浮上するきっかけとなった「TIGER & BUNNY」に「オリオンをなぞる」を提供したこと


あのとき、主題歌を担当していたミュージシャンの多くは変化せざるを得なくなり、(藍坊主はドラムが脱退し、NOVELSは一度活動停止してシーンに再度戻ってきている)ユニゾンがアニメタイアップと本格的に関わるようになったのもこの作品だった(「カウンターアイデンティティ」は「ソウルイーター」再放送の主題歌、「kid, I like quartet」は夜桜四重奏OVAの主題歌である)

おそらくそこがユニゾンの分岐点

ユニゾンのターニングポイントだった作品と再開するということは、ここからまた何かが始まる

そんな楽しい予感しかしない


そしてユニゾンを更に大きな舞台へ連れて行った「シュガーソングとビターステップ」で、フードを被りながらTKOがあの間奏を決めれば、最後に演奏されたのは、昨年ガーデンシアターで「CIDER ROAD」の再現ツアーを行った際と同様に、


「涙キラキラ西の空に光る モノクロでは説明できない」


の際、音数を大きく絞って、


「完全無欠のロックンロールを!!」


に合わせて再び解き放つ「フルカラープログラム」だった


持ち時間は5分余っていたし、「Cheap Cheap Endroll」が出来そうな気もしたけど、やらなかったのはTKOが病み上がりだったことも影響してそう

そのTKOは去り際、笑顔でステージを去っていったが、こうして無事にステージに戻ってこれたことが何より嬉しい


この日演奏されなかった「ナノサイズスカイウォーク」はツアーまでお預けだろうが、我々はが覚えておくべきは、


「「いつか終わる、悲しみは」 どうか忘れないでよ」


ってこと


セトリ

ライドオンタイム

オリオンをなぞる

桜のあと (all quartets lead to the?)

摂食ビレンジ

エアリアルエイリアン

世界はファンシー

マスターボリューム

10% roll, 10% romance

kaleido proud fiesta

シュガーソングとビターステップ

フルカラープログラム


•クリープハイプ[SKY STAGE](19:00〜)

今回のJAPAN JAMでは、これまでロッキンオンのフェスでトリを務めなかったSUPER BEAVERやTHE ORAL CIGARETTESがトリを任されたりと世代交代を匂わせる

その中でもこの日は特にラウド•パンク勢が多かったため、04 Limited Sazabysがトリと考える方も衆かったようだが、トリはクリープハイプが担当

ロッキンオン系列のフェスでは、恐らく初の大役


SEもなく、ステージに4人が現れると昨年のCDJ同様、中央のモニターは未使用

よって両サイドのモニターと自身の視界で彼らを確認するわけだが、


「こどもの日にふさわしい曲を」


と尾崎(Vo. & Gt.)に紹介されたのは、長谷川(Ba. & Vo.)全くこどもの日らしくない「HE IS MINE」(笑)

どう考えても教育にはよろしくないけれど、以前よりはそう感じないのはやはりあの合唱がないから

この日はもはや間奏に一切触れてなかったけど、それはこの状態が認知されすぎたとも取れる

LAKE STAGEで初めて聞いて、あるフェスにO-EASTのトリとして大合唱を起こしたのもはるか昔の光景になってしまいつつある


長谷川のボーカル曲として完全に定着した「月の逆襲」、尾崎が普通に「危険日」と口にする「キケンナアソビ」は、コロナ禍になってからすっかりお馴染みになったが、この2曲で周囲は驚いていたということは、久々にフェスに足を運んだ人達だと思われる

小川(Gt.)がステージの上手に向かうように回転しながら弾いて、逆に小泉(Dr.)は感情を表にビートを刻むのが絶妙なコントラストになってる


助走を付けたイントロから一気に駆け出す「しょうもな」でも小川が動き回り、自分たちの歴史を振り返るような「一生に一度愛しているよ」と「夜にしがみついて、朝で溶かして」の曲たちを連発

その流れから派手な同期と共に「イト」で踊らせると、


尾崎「こんな時間だったらもう帰る人もいるだろうに、こんなに集まってくれてありがとうございます」


とまずは控え目に今の気持ちを話すが、


「普段はお昼時に出ているんですが、むき出しになっている昼と比較するとこうやって隠れた状態でやるのは慣れないです」


とトリを務められることを喜びつつも、普段夜に野外で演奏しないからか、相当緊張していることが見られる

尾崎も話した通り、クリープはロッキンやJAMだと遅い時間帯に出演したことはない

一応ぴあフェスではトリとして出演したことはあるが、そんなに屋外の夜の時間に出演してないのだろう

尾崎がここまではっきり言うことはあまりないと思う


そんな最中、「百八円の恋」のカップリングだった「君の部屋」を予告なくいきなり演奏するのはいかにもクリープらしい

去年の夏頃から今の少しずつ、このセトリに変化していったわけだが、この曲を今やったのは尾崎が明確に「君の部屋」をやりたかったからだろう

バンドは慈善事業じゃないから、自分のやりたい曲をやればいいけど、流石にこれを演奏したのは驚く


逆にこの景色が非常に合いすぎているのは、尾崎のラップから入った「ナイトオンザプラネット」

この時期に野外で行われる景色はそう多くないし、この時間帯に演奏なんてなかなか出来るものではない

まさに、


「最高の場面を焼き付けよう」


な瞬間

きっとここからクリープはロッキンオンのフェスでもトリが増えていくんだろうけど、最初は1回しかない

夜にしがみつくようにこの曲が演奏できる光景は


そして、ステージがUNISON SQUARE GARDENの「桜のあと〜」のように、桜色に照らされたて、お別れのときが近いことを「栞」が宣告すると、


「今日はテンポが早いバンドばかりだったので、BPMが遅い曲はあまりやられてませんが、トリをやるって決まったときにこの曲をやるのを楽しみにしていました」


と夜の時間帯に出演することで、やるのを楽しみにしていた曲があることを伝えるものの、


「月が中途半端なのがクリープハイプらしいなあと」


と妙に斜めっていた三日月に触れながら、最後に演奏されたのは、


「今夜は月が綺麗だよ」


と尾崎が月の歌と紹介し、


「今夜は月が嫌いだよ」


に合わせて、モニターが三日月を照らす「ex ダーリン」だった


この曲が最後ということで、演奏を終えるとメンバー1人1人がお辞儀

クリープ初のロッキンオン主催フェスのトリは月がとても綺麗だった


 セトリ

HE IS MINE

月の逆襲

キケンナアソビ

しょうもな

一生に一度愛しているよ

イト

君の部屋

ナイトオンザプラネット

ex ダーリン


本当なら最終日も行く予定だったものの、翌日の仕事で喉を酷使した結果、喉が炎症を起こしてしまい断念

それを踏まえるとビバラでSpitzを見れてよかったと思う

「みなと」や「三日月ロック その3」聞きたかったけど


あえて苦言を呈すなら、SKY STAGEのスピーカー

非常に風の影響を受けやすく、音がうまく聞き取られないことがあった

ここをどうにかすれば、もっとこのフェスは良くなる


まさか去年のように行けない日が来るなんて思いもしなかったから、来年は2日必ず参加したい所存

その前にはロッキンもある

ロッキンに関しては例年通り、全日程参加で楽しむ予定だ

今度は夏にここで会いましょう