タイトルを見ていただければ、どんな雑誌であるかは一目瞭然なリスアニ

そのリスアニが主催するイベントが今年も開催


当然ながらアニソンをテーマにしたイベントなので自分にはアウェイであるが、このイベントはバンドによる生演奏が前提

しかもこの日の出演者は、


CHiCO with HoneyWorks

BURNOUT SYNDROMES

fhána


とバンドがずらり

中でもfhánaはビルボートツアーに参加できなかったのもあり、ライブがそう多くないバンドなので迷わず参加することに

平日18時に武道館は早すぎる気がするが、イベントそのものも2時間を予定しているとのことで電光石火の速さで終わると思われる


入口にて検温やアルコール消毒、セルフチケットもぎりをして入場すると当然ながらアニメソングのプロモーションは流れつつも、グリーン・デイやレッド・ホット・チリ・ペッパーズが流れたりしていて、「これアニソンのイベントだよな?」と混乱しそうになる


•fhána

武道館に入ると既に1番目のアーティストのセッティングは終わっているが、幾度も見てきたフォーメーションや鉄琴があることで最初のアーティストはfhánaだとすぐに判明

配信では何度も見てきたが、現地で見るのはCDJ19/20以来


冨田明宏による前説を経て、「Ethos Choir Caravan」をSEに佐藤たちが先にステージに登場

towanaは後からステージに立つがドラムは山本真央樹が担当し、この日もサポートベースはやはりandropの前田

翌日にはライブホリックでandrop本体の活動があるが、今ではfhánaのレギュラーベースとなりつつある(佐藤と前田が以前から親交深いのもあるけど)


このイベントではモニターに曲名が表示されるので、初見にも優しいイベントとなっているがオープニングが「世界を変える夢を見て」というのは「え!?」ってなるし、山本によるタイトなドラミングを見ると「これ、こんなに難しかった!?」と思ってしまう

fhánaはこの2年でフィジカルでも配信でも曲をリリースしまくっていたが、現地で聞けてない曲は非常に多い

それはこの曲だが、「星をあつめて」のカップリングをここでやるのはあまりに強気すぎる(ファン以外は完全に「?」)


Kevin(Sample, 鉄琴)が煽りまくって佐藤(Key. &Vo.)によるエレクトロチックなメロディーがEDMになったり2ビートになったりと性急な「Hello!! My World」でアッパーに振り切ると、佐藤はkevinにMCを委ね、そのkevinはリスアニとコラボしたTシャツを着用

このイベントに出るのは2017年以来ということで久々のリスアニを早くも楽しんでいる様子


kevinが前に出てきた(というよりは出てくるように佐藤が誘導した)ということで、昨年を代表するアニソン「愛のシュプリーム!!」を早くも演奏するのは持ち時間が限られているからだろう

気になっていたゴスペルパートは佐藤とkevinがコーラスで補っているが、towanaとkevinのラップは桁違いに上手くなっている

前田が所属するandropとのツーマンイベントで「reaching for the cities」でラップを行ったことが始まりであるが、そこからCDJでも披露した「Unplugged(「僕を見つけて」のカップリング)」でもラップをし、配信ライブでも佐藤の煽りでラップリレーを行っていたが、今やkevinのラップは切れ味が鋭い

無論、サビでは踊りまくっているが振付もほぼ全員マスターしているのが凄い


すると「愛のシュプリーム!」のカップリングである「GIVE ME LOVE」のfhána ver.も演奏

この日の客層は「愛のシュプリーム!」を相当聞いていると予想して選択だろうが、最後のサビになると山本がリズムパターンを大きく変化させるから油断できない

ライブではストロークを中心としたアレンジに変化しているのだろうか


ここに「青空のラプソディ」も続き、この流れもはや小林さんちのメイドラゴンメドレー状態(笑)

ファンキーなカッティングを刻みつつ、単音が多いギターソロをこなすwaga(Gt.)のギターはシューゲイザーの影響も受けているだけにやはり大きい

しかし手拍子を煽ったり振り付けしながら鉄琴を叩いたり、kevinが中央で踊りまくったりしていると「あなたのパートは何処なんですか?」とツッコミを入れたくなる(笑)(wagaも跳んだり、ステップを踏みまくっていたが)


でも「愛のシュプリーム!」、「青空のラプソディ」とこれらの曲を現場で大勢と踊るのは久々

コロナ禍になる前は普通だっただけに、こうして多くの方と踊れると嬉しかったり泣きたくなったりと色んな感情が混ざってくる


普段なら終盤、冷静を装いつつも熱く話す佐藤はMCを程々にしつつも、3月30日にリリースされる新作のキーワードとして「原点回帰」という言葉を残した

これは「Outside of Melancholy」の頃に戻るのか、それとも「View from New World Line」の頃まで戻るのか

詳細はまだ分からない


そして最後は、オルタナロックのようにバチバチにぶつかり合う「Outside of Melancholy〜」で終了

kevinはライブ後のトークで「青空のラプソディ」のラップをRHYMESTERの宇多丸が褒めていたことを喜んでいたり、佐藤は前回出演したリスアニライブが「小林さんちのメイドラゴン」1期が放送中だった頃を想起していたが、fhánaはアニソンに様々なルーツミュージックを散りばめているバンドでもある

だから一見J-POPに見えて様々な試行錯誤をこなしているのだ


次のアルバムでもきっとまたユニークな仕掛けを行ってくるはず

それにしても「Ethos」をやらなかったのが意外


セトリ

世界を変える夢を見て

Hello!!My World

愛のシュプリーム!

GIVE ME LOVE(fhána Rainy Flower ver.)

青空のラプソディ

Outside of Melancholy〜憂鬱の向こう側〜


•BURNOUT SYNDROMES

MUSIC MONSTERSに出演していた頃を知るものは「なんでここにいるの!?」となるだろう

しかしミクスチャーロックバンドだったFLOWをはじめ、nano.RIPEなどがメジャーにいってアニソンバンドとなったように今やBURNOUT SYNDROMESもれっきとしたアニソンバンドとなった(ラックライフもそうだけど)

昔、文学作品をテーマにしたアルバムをリリースしていたので、伏線は出ていたけど


この日のために制作しただろうSEには「リスアニライブ」が盛り込まれ、大きく拍手が起こる場内

そこにメンバーが一斉に登場するも、石川(Ba.)は勢いありすぎたし、ボーカルの熊谷に至っては文学少年のようになっており「マジ!?」となってしまう


そんな初めて訪れたリスアニの世界に挨拶するかのように「Good Morning World!!」からスタートすると、ドラムの廣瀬は気持ちよさそうに叩いている

この理由は後々判明するが、ヘッドフォンマイクを着用し、エレファントカシマシの宮本浩次みたく「総合司会」を名乗ったこともある石川はUNISON SQUARE GARDENの田淵やSpitzの田村を彷彿させるかのように、ステージを動き回っていく


サビの前にメンバー一同拳を突き上げるのが面白い「FLY HIGH!!」では「あなたの方がハイになりすぎでしょ!!」と思うほど、石川は動きまくっているが、「BLIZZARD」では和製音楽を同期で取り入れているように彼らは初期から凄まじい才能を見せている

令和の平沢進と例えられたこともあるほど、アルバムはぶっ飛んだりしており、自分が選定している年間ベストには彼らが2回ランクインしたこともある

シンプルなギターロックに見えて実はトリッキーなのだ


「念願のリスアニライブ出演です!!」


と熊谷は嬉しそうに宣言し、熊谷と石川はリスアニ読者であることを明言するが、それ以上に愛に溢れている廣瀬は毎年、このフェスに出演することを懇願していたものの、熊谷から「まあまあ」と見送られただけに、嬉しさは並大抵のものではなく、


「世界で一番アニソンが輝くフェス!!」


と宣言してしまう(笑)

夏にさいたまスーパーアリーナで行われるあのフェスこそ、世界一だと思っているが、廣瀬はあのフェスになにか思うことがあるのだろう(あの会社の力が強くなりすぎてる気がするし)


「折角なのでアルバム曲も!!」


とシングル曲を連発していたのから一転、アルバム曲をやることを宣言するが、そのアルバム曲とはCHiCOとのコラボでCHiCOを招こうとするも、そのCHiCOは出てきた途端に引っ込む(笑)

どうやら熊谷達が煽りまくって来たので出るのが怖くなったらしく、原因は熊谷達にある(笑)


CHiCOと熊谷はハイキュー!!のOPEDで共演した縁もあって対談したり、リスアニ誌上で展開されているCHiCOの連載でも対談、更にCHiCO with HoneyWorksの野音にゲストで登場したりと関わりが多い様子

けれども「逢いたい逢えない」をCHiCOと共に演奏するのは初めてな模様たが、こうした歌謡曲も手掛けられるのがBURNOUT SYNDROMESの強み

このバンドの音楽性の広さはどんなジャンルにも適用できる


CHiCOがステージを去ると、廣瀬による軽快な4つ打ちビートと共に「PHOENIX」を踊らせると、最後は熊谷のハイトーンボイスが会場中に響く「ヒカリアレ」

石川がこれでもかというくらい、ステージを駆け回る姿には「動き回るベーシスト」として彼が認定されないのが不思議に思うほどだし、熊谷はライトハンド奏法をギターを高く掲げつつ、決めていた


ライブを見るのはCDJ16/17以来

あの時から感じていたポテンシャルは大いに開花したけど、このライブはまだまだ彼らの一部分

富田も触れていたけど、アルバムには過去の名曲のオマージュもあれば、作品にインスパイアされて生まれた楽曲も数多く存在する


アルバムの完成度は尋常に高い

この日にはリスアニに寄せて、アニメタイアップに絞ったようだが、興味を持ったなら是非アルバムを聞いていただきたい

あまりの完成度に脱帽せざるを得ないから

ちなみに東京公演は1/27にZepp Hanedaで開催予定


セトリ

Good Morning World!!

FLY HIGH!!

BLIZZARD

逢いたい逢えない feat. CHiCO(CHiCO with HoneyWorks)

PHOENIX

ヒカリアレ


•CHiCO with HoneyWorks

この日のトリはリスアニ6回連続出演のCHiCO with HoneyWorks

この日の出演者の中で唯一、ライブを見たことがないアーティストである


BURNOUT SYNDROMESのトークタイム中に、メンバーが既にスタンバイしており、冨田によるトークパートを終えるとCHiCOが登場

自分は数曲しか知らない状況でこのライブに臨んでいるが、まずは宇都(Key.)による軽快な鍵盤が走っていく「ヒカリ証明論」からスタート

ここだけ聞いていると近年のボカロ音楽を思い浮かべるが、開演前のプロモーションで流れまくっていたBORUTOの主題歌になっている「我武者羅」は初見でもすぐ理解できる程、少年マンガに合うようなエモさ

ハニワと言えばポップなイメージがあるだけにこうした曲も作れることに驚く


MCになるとCHiCOだけでなく、HoneyWorksのメンバーもトークを行うため「やっぱりバンドなんだなー」と実感を湧くが、驚いたのはfhánaのtowanaがここで登場したこと

しかもリスアニとコラボしたCHiCOTシャツも着用している相思相愛ぶりだが、towanaとコラボしたのは「恋人から夫婦になる物語」と称した「ミスターダーリン」

こうした幸せ一杯の曲はカップルで聞くと幸福度は上昇するだろうが、そうでない場合は大いに嫉妬するだろう

ある意味現実を突きつけられるというか(笑)


本来ならtowanaにやってもらう予定だった煽りを強引に曲終わりにやらせ(fhánaでは佐藤が冷静に次の曲を紹介するのでtowanaが「お前らー!!」なんて煽るのはまずない)、バレンタインを意識したような歌詞が目立つのはバレンタインにリリースされる「LOVE FIGHT」

ボクシングをイメージさせるユニークな振付も行われるが、1ヶ月後の某イベントでマスターされている方はどれくらいいらっしゃるのだろうか


とここまでは10代の学生が好みそうな曲が多く、20代の自分にはピンと来ない瞬間もあった(自分が邦楽以外だとパンクやファンク、メタルを好むため)

それが一転したのは、タイトルからは考えられないくらいに「スーパーアイドル(笑)」がラウドサウンド強めだったから

これならロッキンを始めとする各地のフェスでも通用するのではないだろうか

1曲あれば雰囲気を変えられるし


そして最後は銀魂のOPとして起用され、大きく話題となった「プライド革命」で終了したが、自分が持っていたこのバンドのイメージは変わった

自分が思っていた以上にこのバンドの音楽性は広く、深く向き合ってみなければと思った

ただ最後の方に一部のファンが禁止されている発声したのが残念

あれはわざとなのか?

だとすれば問答模様で出禁にして欲しかったが…


セトリ

ヒカリ証明論

我武者羅

ミスターダーリン w/towana(from fhána)

LOVE FIGHT

スーパーアイドル(笑)

プライド革命


自分からするとアニソンイベントはやはりアウェイだ 

ペンライトについて「なんで振る必要あるの?」と思っている人間だし、演奏を楽しみにしているから

でも全曲バンドで聞けるメリットは大きい

Perfumeのように踊りをメインにしているならともかく、曲は生で演奏されてナンボだと自分は考えている

自分の好きな曲を生で聞けるのがライブの醍醐味だから


参加するかはどうしても出演者次第となってしまう(今年はfhánaが居たから参加した)が、来年以降も足を運んでみたいイベントがまた1つ増えた

2日目以降も成功しますように