ブルエンZepp Tokyo2日目

公式からのアナウンスを考慮し、この日もセットリストは公開を控えるが曲名には言及するので、ツアーに参加される方は引き続き閲覧を控えることを推奨する(「それでも!」という方は引き続きお楽しみください)


前日と同じくCOCOAの起動確認から検温、アルコール消毒を行って会場入りし、前日よりもやや押した頃に暗転

「Break Down The Clock」に導かれて、メンバーが姿を現すがこの日は田辺以外は全て黒服を着用し、白Yシャツの田辺が目立つ

辻村はやっぱりタンクトップ


前日のようなマイクスタンドのミスはなく、


「いつも通りのあなたでいいです。はーじめるよ!!」


と田辺が宣誓し、高村のフィルインを筆頭に江口が世界に光を照らすようなメロを鳴らし、


「希望の歌を明日に届けよう あなたとだから出せる声がある」


とあなたと共に希望を鳴らす「STAY HOPE」からこの日もスタート

というかセトリの解禁をしないように公式が事前に通知していることから分かるように、大まかな流れは前日とほぼ同じである


しかし流れは同じと言っても響く部分まで前日と同じとは限らない

ヒロアカのオープニングでありながらも、実際は田辺の決意である「ポラリス」の


「絶望を武器にして 生きると決めたんだよ」


はマイナスやネガティブな出来事すら自身の曲にするといった宣誓であるし、Zeppのミラーボールが輝く演出の直後の


「精一杯この涙かき分けて 君にすべてを上げるから お願い どうか 消えないでくれ」


は「何が何でもあなたを救う」と思いを込めているのだ


前日のレポでも書いたようにこの曲はフェスではほとんどやらない

それでもやって欲しいと願うのはこの曲が田辺の生き様であるから

これをオープニングしたら確実に全てを持っていく


前日は高村がリハ直前に到着する事件があったが、この日は突然田辺が冬のソナタの物真似をするも付いてこれたのは一部のみ


「今話題なんでしょ?」


と開き直ろうとするも話題になるのは今やアミューズメント業界のみ(2018年辺りから再びパチンコやスロットが稼働している。ちなみに自分は打ったことがない)、付いていけるのも一部の世代のみである

後に「なんでヨン様が浮かんだのかは分かりません」と釈明するけど(笑)


「1階!2階!!」


なんて終盤に行うやり取りを序盤からやる当たり、色んな意味で田辺が心配になるが、


「嫌な自分や嫌な世界を見なくていいよ。俺とあなたで最高の結末に連れて行くからな!!」


と約束し、コロナ禍でなければ確実にダイバーの嵐だった「HAPPY ENDING STORY」では高村が野菜を高速で切るかのごとくビートを刻んでいく


「Zepp!Tokyo!!」


と妙な振り付けが起こった「NEVER ENDING STORY」ではその振り付けを煽った辻村がバッキバキなベースを響かせるが、この煽りを近くで見て笑っていた田辺は「#YOLO」で


「横浜の元ヤンキーのベースソロ」


と辻村を紹介するので思わず吹いてしまったし、江口にもちょっかいをかけたりとどう見ても昨日よりテンション高いのは明らか


しかし、序盤で


「いつから こんながんじがらめになっちゃたんだろうね?」


と歌詞を変えるのはこの日も健在で、


「宇宙から見たこの星は 住心地が悪そうだった」


がより響く世の中になってしまうとは…


すると前日「SUMMER DIVE」だった箇所は「LIVER」に変更

セトリ非公開故に、「VECTOR」のレコ発みたくセトリを固定すると思いきやちょくちょく変えているようだ(それならセトリを非公開にしなくてもいい気がするが…)が、Zepp Tokyoでやるのは久々(恐らく「≒」のレコ発以来、あの時はPVに出てきた謎のベビーフェイスを田辺が着用して爆笑を誘った)


「ここでやるの久々だよ!エモくない!?」


と田辺も興奮気味で前日の「SUMMER DIVE」以上の爆風

こうやってライブハウスでタオルを回しまくるのも久々な気がするが、


「今日は一人残らず踊るぞ!」


の通り、外見では落ち着いても内面では派手に踊っていたに違いない


この盛り上がりに


「これ本当に座席指定のライブか!?」


と田辺は驚いていたが、どうやら田辺はライブ前にどのようにしてあなたと向き合うかを考えていたものの、1曲目でいつもどおりにやればいいって事に気付いたらしい

怒涛のボケに関してはメンバーが総スルーしていたが(笑)


「去年さ、みんな色んなことできなかったじゃないですか。だから今年に入って色んな人が声出して動かしていったけど、そこにみんな石を投げて怒りを通り越して「そういう行動するんだ」と思った」


と状況打破すべく立ち上がった人々に非難が殺到する現状を田辺の視点から話し、


「俺達も音楽止めたり口閉じてないといけないと思った。でもやっぱりそうは出来なかった。時間があったからたくさん曲作って、3年ぶりにアルバム完成させました。」


と「Q.E.D」完成までの経緯を話すが、本来だったら4ヶ月後あたりにリリースツアーを開催するのも時間がかかり、東京でライブするまで多くの時間を要したことから、


「海外アーティストみたい(笑)」


と自虐したが、


「俺たちの曲の上にはあなたがいます。」


とはっきり言葉にするのはあなたがいてブルエンが成り立つと考えているから

あなた無しでのブルエンは考えられないのだ


その上で田辺がライブにおけるルールを説明するのは、


「音楽の火を費やさないため」


あの音楽フェスもどきイベントのせいで業界関係者の苦労は台無しにされた

弱まっていた風当たりが急速に悪化したし、その中で開催を決行したSUPER  SONICは本当に大変だっただろう(でもSUPER SONICのお陰で風当たりは弱まった)


ライブ終了後、政府が発表したイベントの規制緩和策は非常に分かりにくく物議を醸していた(というよりあれは政府の成果アピールだし、曖昧な表現を盛り込んでいる時点で全く意味がない)

少なくともまだ発声は解禁するべきではないし、むしろライブ会場の安全性を高めていくべき状況である(最近はノーマスクや顎マスクが急増している地元の方が怖い)

何度もこのブログでは書いてきたが、音楽が鳴らない状況はもう見たくない


「信頼には信頼で返す、よっちゃん(高村)!!」


と合図を促しポップに見えて辻村によるゴリッゴリのベースや江口のライトハンド奏法が静かに決まる「棘」が、


「行かないで ずっと側にいて」


と「ライブから離れないで」と懇願しているように聞こえてくるが、前日「虹」だった場所は「涙」へ


「THE END」の収録曲は「City」や「HEART」以外はほとんど演奏されてない

「VECTOR」も「コンパス」、「Coffee, Sugar, Instant love」くらいでブルエンはアルバム曲はそこまでやる傾向にないのだろう

だからこの曲が演奏されたのが驚き

「虹」は変わらないと思っていたから


前日説明された辻村作曲のヒーリングミュージック(by田辺の弁)をバックにアコースティックセットにチェンジするのは前日参加された方も多いのだろうか、転換中は着席されている方も多かった

しかし転換が終わると起立される方が多く、座席があるのにアコースティックセットを立ち見で聞く方が多いのはブルエンくらいだろう


そんなアコースティックセットで演奏されるのは前日と同じく「Freedom」と「ユメミグサ」

疾走感を抑え歌に特化した「Freedom」のアレンジは前日聞いていても驚くが、


「奪い合って 汚し合って それでも守りたくて」


と人間の本能を浮き彫りにしたコロナ禍の今、やり響いてくる


分かち合えない生き物だって理解しているから傷つけあってしまうが、それはお互いに守りたいものがあるから

いわば正義と正義のぶつかり合い

それはいつだって絶えない

けどこうした未曾有の事態くらい、ぶつかり合いは最小限にと考える自分は甘いのだろうか


一方「ユメミグサ」では田辺の歌唱力の高さをこの日も見せつけられるが、


「覚えてて 今日のこと」

「あなたと生きた季節は 残して」


がまるでZepp Tokyoとの別れを告げるかのようだ


ブルエンに取って今日が最後のZepp Tokyo

これからのライブ、「今日でここは最後か…」と感じることは少なくないだろう

自分にとっても今日が最後のZepp Tokyo

このあと田辺は最後のZeppにかける思いを叫ぶのである


「オールスタンディングがやりにくい状況になっていて、ライブハウスには座席が置かれたり、フロアにマス目が貼られていて普段どおりのライブは出来ない。だったら普段出来ないことをやればいい。」


とアコースティックセットを設けた理由を説明する田辺


続けて転換中のBGMを辻村が作曲したネタバラシをしつつ、サビ前に曲が終わっていることを明かすと、


江口「物販で売ります(笑)」

田辺「ソニー通さなくて大丈夫かな(笑)」


と商魂を発揮する2人


そのうち何らかのシングルのカップリングとして収録されるのだろうか


またブルエンがデビュー7周年を迎えたことにも言及し、初めてZeppで2daysやった日のことに続けて言及するが、この日のメインはMステ

初めて出演した際、タモリに出身地を離したところ、CM中に触れてくれタモリの偉大さを実感したようだが、7年間で印象深かった芸能人を話す流れとなり、


田辺→桑田佳祐、ポルノグラフィティ

辻村→Dream Ami(辻村の同級生)

江口→指原莉乃


とそれぞれ名前を挙げたが、桑田佳祐には共演した際に歌を褒められ、この出来事がレコーディングで行き詰まったときに支えられているようだ


そこから田辺がどういうわけかDISH//の北村匠海をはじめとしたイケメン俳優に会いまくることなどを話していき、テレビで尊敬するELLEGARDENのカバーをやらせてもらったことに触れていくが、


「テレビで色々挑戦させてもらって、ラジオにも出させてもらっているけどやっぱり生が1番でしょ?」


という言葉に会場から拍手が起こるが、


「今日でここ最後なんだよね…。家にあるELLEGARDENのDVDはここでやったもので何度も見て育ててもらったんだね…」


とZepp Tokyoがまもなく閉館することに遂に田辺は言及


「終わりたくない…」


のはこちらも同じ

この日を終えたらもうZepp Tokyoに足を踏み入れない可能性があるのだから


「勝てないのは分かっているよ…でも今日くらいはELLEGARDENに勝たせてくれよ!!」


と宣戦布告して、江口のタッピングが迫りくる「囮囚」から終盤へ


「青色の決意を盾にして さぁ 派手に荒ぶれ」


の通り、派手には行かないものの辻村のベースで踊らせる「バッドパラドックス」、「VS」では辻村と江口がバンドセット前に集まることによってリアルな音のぶつけ合いを行うものの間奏で謎のダンスを辻村は行っている(笑)

けれども「派手に荒ぶれ」と「バッドパラドックス」で歌われたように心を解放してるし、


「さぁさぁ皆の衆!やっちゃって!」


を体で示している


コロナ禍前だったらこの辺りでリフトが凄いことになっていた

それだけ無法地帯になって心を開放していたと言えるけど、モッシュやダイブが出来なくても気持ちは爆発する

それくらいのエネルギーをブルエンは秘めているから


そして「DAY×DAY」で、


「あなたと共に戦うよ」


と共闘を約束すると、


「心で歌えないなら思いで示せばいいよ。伝わるから」


と田辺は優しく語りかけ、


「これから…誰かが助けに来るから安心してください。大丈夫。これからもよろしくお願いします。」


と「あなたは1人じゃない」と伝えるようにして「もっと光を」の歌詞を変えて、最後は久々に歌詞を変えることなく歌ったが、直後に田辺は


「これからライブハウス、たくさんの場所がなくなっていきます。」


と話した


これは残念ながら否定できない

なぜならライブハウスだけでなく、街中でシャッターを多く見かけるようになった

周辺のヴィーナスフォートやアクアシティ、もう1つのZeppがあるダイバーシティ…

どんどん閉店店舗が出てるし、数ヶ月前にはあったダイソーもなくなってしまった

コロナ禍の終息まで更に色んな物が消える

それは思い出の地がなくなってしまうことでもある

それでも田辺は、


「俺たちの音楽があなたの居場所になります」


と告げた


この言葉、聞き覚えがあるだろう

それはかつて「City」で歌っていた


「居場所なんてどこにもない ならば俺らが居場所になればいい」


である


2018年頃まで田辺は精神が不安定だった

リクエストツアーで上手く行かなかったらこちらに責任を取らせようとしていたし、「VECTOR」に収録された「こたえ。」のフレーズは賛否両論となっていた

でもこれがはっきり変わったと思えるのは2019

特に「ポラリス」が田辺の変化を如実に感じさせたのだ

そのうえであの発言である

「City」のフレーズを遂に有言実行した

任せられる、今のブルエンなら


アンコールはやれないと分かっている以上、次が最後になるのは分かっていたがその最後は「喝采」ではなく、


「間違っちゃいないから 今日 乗り切った一歩は 燦然と輝く足音なんだ」


とあなたを全肯定する「ハミングバード」だった


曲の終盤では、


「あんたはやべえよ!あんたはやべえよ!」


とこれ以上になく田辺は賞賛し、


「生きてまたここに帰ってこい!ありがとうございました!!BLUE ENCOUNTでした!!」


と鼓舞


ELLEGARDEN、細美武士を追いかけてきた過去に取り憑かれた逃亡者は最後のZepp TokyoでELLEGARDENに勝利した

圧巻、これ以外に言葉はいらなかった

Zepp Tokyoと生きた季節は忘れない


横アリでツアーが発表されたとき、勢いで複数公演取ってしまったが、その選択は間違いではなかった

来月もブルエンに会える

それも地元のZeppで

こんなに嬉しいことはない

辻村の地元だし何かサプライズでもあるのだろうか