先日のライブで、斎藤が

「秋にやるツアーはシュガーソングもやりませんし、オリオンもなぞりませんし、新曲もやりません。カップリングだけで2時間やります。だから今日初めて見た方には「来てね!!」って言いづらい… しかもこれ終わったあとで準備に取りかかるので、「この曲をのどこで盛り上がるんだろう」と思いながらライブするチャレンジングなツアーになると思います。怖いもの見たさで来たいという方だけ来て下さい(笑)」

と話してたのもつかの間、いよいよユニゾンのB面ツアーが開幕する日となった

このツアーはホールツアーで行われるが、その前にFC限定ツアーとしてライブハウスツアーを開催
よりによって初日に参加することになった(翌日も行われるが、翌日はぴあフェスが行われるため、帰りの電車が混雑しやすくなることを踏まえると初日の参加で正解だが)

なおこのツアーのライブハウス編にはFC会員だけが得するあるコーナーが設けられているが、特にネタバレ禁止令は設けられてないので躊躇なくそのコーナーにも言及していく
なので、FC会員の方だけはなるべく閲覧を避けることをおすすめする(お楽しみを奪ってしまうため)
逆にホールツアーに参加される方はこれを見て、ホールツアーへの期待を膨らませてくれると嬉しい

FC限定ツアーということで入場が電子チケットだけになっているのはある意味斬新(SpitzのFCツアーは当日、整理券で座席などが分かる仕組みになっていた)
ユニゾンをこよなく愛している方のみがこの日のライブに参加しているのでCDコーナーを設ける必要があるのかは疑問だけど

定刻を少し過ぎた頃にゆっくり暗転し、「絵の具」をSEにTKO、この前よりも更にアグレッシブになっている気がする田淵、やはり挨拶は欠かさない斎藤とほぼ普段通りに登場するが、この日のライブはB面オンリーという制約がある
そんななかでの1曲目は「リトルタイムストップ」
4月に行われたFC限定ライブでは演奏されてなかったため、この日が初演奏であるが、

「たくさんもらったあれやこれ必ず何かで返さなきゃ」

は、この曲が来るべき今日のために用意されたのではと錯覚してしまうほど輝いている

「時間が止まりそうです」

なんてファンの気持ちを代弁すると、アッパーな「セク × カラ × シソンズール」でぐいぐいあげていき(「桜のまえ」でもやっているので、そこまでレアという感じはしない)、

「UNISON SQUARE GARDENです!!今日はB面しかやりませんよ!!ついてこれますか!?」

と斎藤が煽ると、「ここでそれやる!?」な「flat song」をやる展開に大半が脱帽(バラード的な位置付けなのでここでやるのは予想外)するが、「マスターボリューム」への導入ポジションとしてかつては機能していた「Over Driver」が照明が燃えるように会場を照らし、一気に熱狂の地へ

ピストルから放たれた弾丸のような殺傷力を秘めた「ピストルギャラクシー」への繋ぎは、ある程度予想できたとはいえ実にお見事
そこに「ギャクテンサヨナラ」で歓声が起こったのは初期の名曲を聞ける喜びか、それとも久々にこの曲と出会えた嬉しさか

「放浪息子」にインスパイアされた曲であるので、原作をある程度知っていると切なさが倍増する「僕は君になりたい」を1年に何度も聞けるなんてかつては思いもしなかったが、ようやく聞けた「スノウループ」はこのツアーで聞けると分かったのが嬉しい
何故なら自分は後半のホールサイドにも参加する上、時期が12月だから
この曲を冬に聞いたらより心に響く予感

センチメタルトラックが続いたので「スノウリバース」を投入しそうな雰囲気もしたが、リズム隊が不穏なグルーヴを作り始めそれはあっという間に山崎洋一郎に「歌詞が全く分からない(笑)」と言わしめた「ここで会ったがけもの道」へ

「けもの道」というと、自分の頭にはSpitzの「けもの道」が浮かぶ(「けもの道」表記はSpitzの影響?)
田村のように暴れまくるわけではないが、

「成敗!!成敗!!」

を聞いて、かつての戦隊ものを思い出してしまったのは自分だけだろうか

夜桜四重奏の主題歌に起用されたことを思い出しつつ、原作を最近読んでないので「どうなっているのだろうか」と感じながら聞いていた「ノンフィクションコンパス」を経て、

「遂にこのツアーが始まってしまいました。置いていかれてない?冗談抜きに始まるのが怖かった(笑)」

と斎藤が吐露すると、

「この1年色んなことやって来て。大阪で野外ワンマンやったり、ここでトリビュートアルバムのレコ発をやったりと祝われる側なんでこれまでやって来てないことやってるんですが、その分負担も大きくて(笑)特にこのツアーなんて、ほとんどの曲が新曲なんですよ。だから練習しているときに「何このフレーズ…」、「作曲したの誰だよ…」、「またこれか!!」ってなりながら練習してました(笑)」

といかにこの1年が大変かを力説

その上で、

「今年カップリング総選挙をやったんですが、そのなかで30位を獲得した曲を(笑)」

と斎藤に紹介されてしまったのは「三月物語」
曲名通り卒業シーズンを意識した曲ではあるが、この順位になってしまったのはベタすぎたからだろうか(この曲も「桜のまえ」で演奏されていたが、それ以来やった記憶は全くない)
ちなみに自分はあの同期を聞くと真っ先にMr.Childrenの「Reply」が浮かぶ

少ないリフにブルジーな曲調、そしてストレートな歌詞が斎藤節(ユニゾンで斎藤が作詞作曲したのはこれと「スカースデイル」のみ)を匂わせる「三日月の夜の真ん中」では、終盤にTKOがドラムソロを始め、「どうすればこんなプレイ出来るの!?」と驚愕するドラミングから相変わらずの手数の多さ、並びに緩急つけたプレイを見せて最後に戻ってくるアレンジを加え、「ただこれが言いたかっただけだろ!!」とツッコミを誰もが入れてそうな「サンタクロースは渋滞中」と続けていくと、「スノウリバース」はやはり大歓声(雪の結晶をイメージさせる演出も素晴らしい)
現在PVも公開されているが、この曲は初期ユニゾン屈指の名曲だ
ここまで埋もれていたのが不思議でならないし、こうなると演奏機会も増えて欲しい

そんななか、

「U-side Corner〜!!」

と斎藤が開会宣言して困惑する場内

「本当はやりたくないんだよこういうの…。でも毎年5000円(年会費)払ってもらっているし、汚いマンガ(会報に載っているマンガのことだろう)も読んでもらっているから…」

と話し爆笑を巻き起こすが、このコーナーはホール編にはないもので4月のFC限定ライブで行われたアコースティックコーナーをやろうというもの
そのアコースティック曲とは「きみはいい子」と「たらればわたがし」であり、斎藤がダーツを投げて決めることに(田淵は何故かダーツボードを確認)

「飲まない状態でやるの初めてかも」

と若干緊張していた斎藤は1回目を失敗し(この時、田淵は「何やってんだよ」という表情(笑))、2回目で成功するがそれが偶数だったため「たらればわたがし」をやることに

という訳で斎藤はカズーをスタンバイ

「これかっこいい曲なんだよなー」

と斎藤は話していたがアコースティック編成とは思えないほどこの曲は良い
アコースティック編成をほとんどやらないだけに、このツアーを終えると封印されそうなのが悔やまれるが

だがFC限定コーナーはこれで終わらず今度はサイコロで曲決め(ちなみにこの時、斎藤は田淵の長すぎる会報文章を弄っていた)
その出目は、

1.空の飛び方
2.UNOストーリー
3.さよならサマータイムマシーン
4.ぼくたちのしっぱい
5.mouth to mouse(sent you)
6.スノウリバース

であり、しかも1と2は「もうやらないかも」と斎藤の告白に誰もが悲鳴(逆に6はハズレと話していた)

そんな大事な曲決めを任されたのはTKO
マイクを握る(TKOがライブで話すのを見るのは「桜のまえ」以来?)と、

「個人的にやりたくない曲がありまして。「mouth to mouse」やりたくないんだよな〜」

と話し出すが、出た目はその5(笑)
そのため、「あちゃー」という顔をするTKOの裏でマイクに響くのは田淵の笑い声(笑)

が、よほど自信がないのか天井を見つめ、

「練習しないで!!」

と斎藤に突っ込まれるほど「やべえ…」という表情(TKOに至っては「今年初詣行かなかったからかな…。お賽銭、ケチんなければ…」と反省の弁を述べてる(笑))

そんな状況であったが、この「mouth to mouse〜」、「センチメンタルピリオド」が好きな方なら間違いなく気に入りそうな曲
どうやらこれ、あるバンドが解散する際に作られた曲らしい
それはシングルの早期予約者特典がもらえるインタビューで判明するのだろうか

イントロから大歓声が起こった(そんなに人気があったのか!?)「シグナルABC」、「MORE MODE MOOD」に収録される予定だったものの「フィクション〜」と差し替えになった「ラディアルナイトチェイサー」と再びアッパーに降りきると、「TIGER & BUNNY」ように書き下ろされていた「I wanna believe〜」では一際大きな歓声が

実際に起用されたのは「harmonized finale」だが、

「ヒーローなんていらないし」
「退屈ガール」

なんてフレーズは「オリオンをなぞる」を彷彿とさせるのでよっぽど起用されることを前提に作っていたのは明白
曲そのものも「オリオン〜」そのもの

そしてラストはラスト以外に演奏する場所がない「Micro Paradiso!」
ある国の国旗をイメージさせる照明やこれまでほとんど動いてなかっただけにここにきて躍動する田淵、更には決めを入れて止まるはずなのに平然と動く田淵(笑)

でも最後は、

「この番組はご覧のスポンサーの提供でお送りしました」

とテレビ番組のようにして終了

このツアー以降も見ることが出来そうだ

アンコールで戻ってくると、初期の名曲「5分後のスターダスト」をじっくり聞かせ、

「どうなるかなと思いきや、なんとかなりましたね。年内までツアー回って、15周年を締めくくってまたライブで会いましょう!!」

と再会を誓うと、TKOはヘッドフォンを装着し「さわれない歌」
このツアーでこの曲をやらないわけがない
何故ならばこの曲は田淵の数少ない独白曲であるから(FCの会報より)

ユニゾンの歌詞は分かりにくい歌詞が多いけど、意味のないことを歌っているわけではない
でもこの曲は田淵が音楽を続けている理由が綴られている
「DUGOUT ACCIDENT」でこの曲が収録されたのはそういうことだったのだ
ましてやカップリングのみのツアー
この曲はいつも以上に生きる

そしてラストはアレンジがより進化した「ラブソングは突然に 〜」
最後はTKOがフードを被ってドラムを叩きまくり
田淵は去り際に「またな!!」と叫ぶようにして帰っていった

FC会員のための特典コーナーもあったが、カップリングオンリーだというのに盛り上がりはいつも通りだった
それはユニゾンは名曲しかないと誰もが理解しているからである

斎藤は途中、

「シングルが入口でそのあとアルバムを聞いて、最後にカップリングを聞く」

と話していたが、ユニゾンの曲は全てA面級だ
だから盛り上がりも普段通りなのである

A面もアルバム曲もやらない上にライブに置ける切り札「ガリレオのショーケース」もない
食事に例えるならベジタブル料理を味わってる感じだが、それでもこの満足度
そんなライブが年内にもう1度見えるなんて花マルだね

リトルタイムストップ
セク × カラ × シソンズール
flat song
Over Driver
ピストルギャラクシー
ギャクテンサヨナラ
僕は君になりたい
スノウループ
ここで会ったがけもの道
ノンフィクションコンパス
三月物語
三日月の夜の真ん中
サンタクロースは渋滞中
スノウリバース
たらればわたがし
mouth to mouse(sent you)
シグナルABC
ラディアルナイトチェイサー
I wanna believe、夜を行く
Micro Paradiso!
(Encore)
5分後のスターダスト
さわれないうた
ラブソングは突然に 〜What is the name of that mystery?〜

Next Live is ... PIA MUSIC COMPLEX 2019 〜Day2〜@新木場・若洲公園(2019.9.29.)