タイトル:「エスカパレード
アーティスト:Official髭男dism

という訳でようやくレビューできたというべきか、満を持してレビューというべきでしょうか
Official髭男dismの「エスカパレード」
昨年のベストアルバム第1位です

この作品を置き土産に髭男はメジャーに進出したわけですが、やっぱりこのアルバム凄い
非の打ち所が見つからないんですよ
タイトルの「エスカパレード」は、「突飛な行動」や「常軌を逸したもの」という意味だそうですが、確かにそうでした
始めて聞いたとき、ここまでポップに突き抜けたアルバムは聞いたことないと感じました

しかも彼らの場合は洋楽をJ-POP化させるのではなく融合させてしまう
藤原の音楽理念は「あってほしい曲を作ること」
このアルバムの後にファンクとハードロックが融合した「Fire Ground」、R&Bとポップのミックスというべき「Stand by you」が生まれるわけですが、このアルバムでもそうした曲が多い

ドラマ主題歌として彼らの名前を広げた「ノーダウト」はファンクとラテンテイスト(鍵盤を聞くとラテンの香りを匂わせていることが分かります)の融合、「たかがアイラブユー」は80年代のR&Bに現代のエレクトロミュージックの結合体、更に「Second LINE」はパレードにグルーヴィな感じを混ぜ合わせると新感覚の音楽だらけです
音楽リスナーは保守派と革新派の2組がいると僕は考えていて、前者は同じジャンルの曲を好み、後者は好みは多岐に渡る
となると後者は同時に斬新な音楽を求める
なので昨年のヒット曲で言えばDA PUMPの「U.S.A.」を好んだと思われますが、髭男の音楽って斬新なんですよね
新しい音楽を創造しているのですから
一気に人気が拡大したのはそうした層に支持されたのもあると思われます

でもそれだけじゃない
彼らは保守派も虜にできてしまう音楽性
そこで浮かび上がるのがあの「Tell Me Baby」
関ジャムで蔦谷好位置がこの曲を取り上げたことがきっかけで音楽リスナーが一気に注目するようになりましたが、彼ら、ファンク色がかなり濃い
表題曲の「ESCAPADE」、これインタビューで藤原がぶっちゃてますがEarth, Wind & Fireのオマージュ
「September」を聞けば分かるかと思われますが、雰囲気がもろ似てます(笑)
でも彼らはファンクとJ-POPを混ぜている
なのでファンク濃度が薄まならないのです
よって保守派にも受け入れられる音楽となるのでしょう

そして歌もの
オープニングから世界観に酔わせる「115万キロのフィルム」、美しきピアノバラードである「LADY」、アコギと美しい鍵盤が共存する「されど日々は」、失恋ソングだけど繊細なアルペジオが美しい「相思相愛」
J-POPリスナーをも引き寄せる極上バラードがずらり
このアルバム、何でも揃えています
今振り返ってもやはりこのアルバムは恐ろしい…

昨年末に星野源の新作が騒がれました
あれも凄い
でも個人的にはこの「エスカパレード」が僅かに上を行くかな…
昨年、髭男は一気に飛躍しましたがこのアルバムを聞けばその理由が分かると思います
今からでも!!