※正式名称はcinema staff × 夜の本気ダンス 2018.9.11. SHIBUYA CLUB QUATROです
 
6月から4ヶ月連続で開催されているcinema staff10周年を記念したツーマンシリーズ
この企画では1ヶ月毎にユニークなテーマを掲げ、ライブを行っているのだがその第4弾は日本語縛りというこれまたユニークなもの
このテーマに対して、cinema staffはどんなライブを行うのか
 
・夜の本気ダンス
今回のツアーゲストは夜の本気ダンス
がっつり見るのは昨年のロッキン以来
 
ほぼ定刻に暗転
勢い良く登場した鈴鹿を筆頭にメンバーが姿を現し、
 
「渋谷、踊れる準備できてますか?」
 
と米田がいつものように煽ると、早速「WHERE?」からダンスタイム開始
米田は早くも足を蹴り上げ、マイケルもしょっぱなから煽っている
 
最新シングルの「Magical Feelin'」は勿体ぶることなく2曲目
 
「ドレスコーズの「人間ビデオ」をイメージした」
 
と米田が話している非常に緩急のついた1曲
夜ダンというと最初から最後まで最高速でぶっぱなす曲が多い
だからこうして1曲で静と動を付けているこの曲の存在は今後の活動における良いスパイスとなりそう
 
と感じていたら米田がハンドマイクに持ち変えたため、早くも「「fuckin' so tired!?」か!?」と思いきや、そんなはずはなく「Can't you see!!」
よく考えてみると夜ダンをイベント以外で見るのはこれが初めてだ
フェスだと最近は本気ダンスタイムというコーナーを設けることにより、本領を発揮しやすくなってしまうが、それでも縛りは多い
そのため、フェスより持ち時間が若干長い今回のイベントが本来の夜ダンではないだろうか
 
「cinema staff、呼んでいただきありがとうございます‼シネマとはあと2本、ツアーを回ります‼三部作のようなものですが、三部作の最初でこけるわけには行きません‼最高傑作のつもりでいきたいと思います‼」
 
と鈴鹿が実に上手いMCを行うが、マイケルは
 
「cinema staffとは長い付き合いで、2〜3年くらいになるんだけど、あいつら最初はまともに見てくれなくて、四国でライブが重なったから、やっと見てくれるようになりました。それから俺達のツアーに誘ってくれたり…誘ってくれたりってなんだ(笑)ツアーに呼ぶようにしてくれたり…」
 
とシネマを攻撃するもどんどん会話が破綻していく(笑)
最終的には「呼んでくれてありがとう」という形に着地したが
 
恒例の本気ダンスタイムはサビ前で声を掛け合っていく「Japanese Style」から始まり、直後に米田がハンドマイクに切り替えるのだが、ここからが凄かった
この最中、米田はひたすら躍りつつけるのだが、アンサンブルはテンポを落とし、グルーヴに特化
高速四つ打ちで踊らせるというよりは身体を揺らさせて、暖めていく状態に
 
「シネマは今日、日本語縛りでセットリストを組んでいるみたいですね。僕たちは日本語タイトルの曲…4曲しかない(笑)。それでしたら、その4曲を1曲にまとめて、新曲のように行ってもよろしいでしょうか?」
 
と米田が煽り、なんと日本語タイトル4曲を1曲に集約
それもcinema staffのクノによれば、この日のために作ってきたという
3本しかツアーを回れないとはいえ、ここまでシネマに貢献してくれるのは、頭が下がる
 
そのタイミングで米田がネクタイを投げ飛ばす「fuckin' so tired」、西田のギターリフが強烈な「B!tch」、シリアスな「By My Side」と音を切らさず移行していくのが凄い
映画で言えば、一瞬たりとも見逃せないシーンを見ている感覚
更に随所でギターソロを加えることによって、緩急をつけることができる
今後、このゾーンが進化すれば、更に夜ダンは本領を発揮できる
 
先日誕生日を迎えたマイケルはライブが始まる前にcinema staffとそのスタッフに祝福してもらい、三島は「HAPPY BIRTHDAY TO YOU」まで歌ってくれたという微笑ましい話をするが、
 
「レストランで「HAPPY BIRTHDAY〜」が聞こえたら、小さな声で祝福したくなるよね?」
 
と鈴鹿がいった辺りから少し雲行きが怪しげ
そこに、
 
マイケル「俺29だから、若いなんて言えない(笑)。」
鈴鹿「「ベイビーベイビー」みたいな?」
 
と言ってしまい、元ネタが分からない方が多いためか、完全に凍りつく(笑)
おまけに残り3曲と告げたところで、
 
「映画で言うたら終盤、熱いラブシーンのあるところや‼」
 
と鈴鹿が言うも誰も反応せず、特に米田に向かって、
 
「ボーカルは嘘でも反応しろや‼」
 
とダメ出し
そんな前振りがあったから「LOVE CONNECTION」が来るのは誰でも予想できただろう
 
「気持ち良くなりたくありませんか?」
 
と米田が煽って、「Feel So Good」で気持ち良くさせれば、最後はミラーボールが回り出す「TAKE MY HAND」で絶頂
本気で踊らせて、シネマにバトンを繋いだ
 
持ち時間が長い時の夜ダンは静と動をより有効に活用している印象 
こうして長尺で見れば、夜ダンはただ踊らせるだけのバンドではないということが良く分かるしグルーヴの上手さ、歌詞の鋭さなど新たな良さが見えてくる
それだけにフェスでメインステージにたどり着いてくれないだろうか
そうすればこのバンドに対する偏見を減らすことができるはず
 
セトリ
WHERE?
Magical Feelin'
Cant you see!!
Japanese Style
スペシャル楽曲(「ロシアのビッグマフ」、「夜に本気ダンス」、「戦争」、「愛は終わり」を1つに集約)
fuckin' so tired
B!tch
By My Side
LOVE CONNECTION
Feel So Good
TAKE MY HAND
 
・cinema staff
夜ダンのお陰ですっかり沸騰したフロアにはいよいよcinema staffが登場
 
20:30頃に暗転し、2月にEX THEATERで見たときは異なるSEでまず三島達が登場
辻は最後に登場し、客席に向けてご挨拶
 
すると壮大なアンサンブルが響き渡り、野音の光景(ステージにプロジェクションマッピングが施された)を思い出す「望郷」からスタート
最初こそ、辻達は大人しめ
しかし、
 
「岐阜から来ました、cinema staffです‼」
 
と三島が告げると、一気に音が爆発
三島と辻はガンガン動き回る
 
とはいえこの日のセットリストは日本語縛り
なので「GATE」も「great escape」も「them of us」も出来ない
それでも軽快な「世紀の発見」、静と動に合わせて三島と辻が動きを大胆に変える「優しくしないで」とルールの範囲内で盛り上げていく
 
「こんばんは‼cinema staffです。4ヶ月連続で続いてきたツーマンシリーズもいよいよ最終章を迎えました。マイケルが「シネマは夜ダンを変な目で見ていた」と話していましたが、そんなことないですよ‼僕たちにはmudy on the 昨晩という仲間がいますから(笑)ここまでのツーマン、やりきったと思ったことは1度もございません‼だからやりきります‼」
 
と挨拶がてらに飯田が軽く話すと、辻のギターリフが何度もリフレインする「白い砂漠のマーチ」、美しいメロディーと共に、
 
「海はもう、すぐそこだ」
 
と今すぐにでも「海について」が聞きたくなる「火傷」とここのところ、何度も耳にする曲が連続
だが、三島が何度もゴリッゴリのベースを弾いて始めたのはまさかの「いたちごっこ」
何重にもリフが繰り返され、次第に螺旋を描いていくのだが、途中で
 
「早く、早く消えろ‼」
 
と歌詞が一変するのが実にユニーク
そのまま何事もなかったかのように戻っていくのも魅力
 
更に「eve」のレコ発ツアーで1度しか演奏されなかったと飯田が話す「境界線」も続く
シネマはセットリストを頻繁に変えるバンド
だからアルバムのレコ発でもやれない曲があってもおかしくない
ただ、
 
「逃げろ、逃げろ、逃げろ。」
 
というシンプル極まりない歌詞の羅列は中毒性がありそうな気もしなくないが
 
ドラムのクノが夜ダンサイドによるシネマへの見解を改めて否定し、
 
「初めて見たときに「凄い良いバンドだなあ」と心を一瞬で鷲掴みにされた」
 
と夜ダンを賞賛するが、その一方で夜ダンが若く振る舞っていることに異議を唱え始め、
 
三島「俺らと2つくらいしか変わらないのにな(笑)」
飯田「マイヘア(My Hair is Bad)…、フレデリック…どれくらい年下だ?雨のパレードという先輩もいるけど(笑)」
 
と弄り始める一方で、唐突に同じ事務所だった雨のパレードを弄り始める(笑)
そしてこの流れはここで終わらなかった…
 
まさかの遊☆戯☆王オープニングとなった「切り札」からは、辻が暴れまくるハードな「西南西の虹」、野音ワンマンを象徴する1曲となった「希望の残骸」とリード曲を連発
しかしながら「切り札」はタイアップがついていたにも関わらずほとんど演奏されず、むしろ同じシングルに収録されていた「deadman」の方が目立つ印象
この企画を終えたら次聞けるのはいつになるのだろうか…
 
すると、飯田が自信が映画好きであり、生き方を教えてくれると話したところから、
 
「共感できないから面白くないって勿体ないと思うんですよ。少しでも物差しを広げれば見えてくるものがある。音楽や映画って受け取ってくれるものが受け止めてくれないと意味がない。僕らの本気が皆さんに伝染して、また周りの人に伝染していきますように」
 
と繋げた
 
確かに人間、共感できないものには興味が持たない
ただそこで終わるのではなく、興味を持つように心掛けることが大切と三島は訴えたかったのではないだろうか
特に芸術作品は少し聞いたり、鑑賞して駄目だったらそこで打ちきる傾向がある
でもすぐに見切りをつけるのはなく、もう少し長い目で見る
そうすれば新しい発見が些細なものでも生まれるはずだ
三島は俺の本気ダンスと言い出さないかひやひやしていたようだけど(笑)
 
そしてラストは「西南西の虹」のカップリングとして収録された「発端」と「いらないもの」
この2曲、今はストリーミングで解禁されているから良いものの、リリース当初は生産限定販売で入手困難となっていた曲達である
 
「始まりは終わり」
「終わりから始まる」
 
のように全ては終わり、また始まる
先日見たAIR JAMもそうだった
Hi-STANDARDは1度は終わり、そしてまた始まったのだ
今cinema staffとツアーを共にしてるアルカラだって事実上1回終わって、また始まっている
終わりは悲観的なものではない
そう訴えるように夜ダンとの3部作、第1作の本編は終わった
 
アンコールでいつものようにクノがビール開封の儀式を行うと、辻が夜ダンのマイケルを連れてきて、改めて祝福
その上で、
 
「もう若手ぶるなよ‼」
 
とクノが渇(笑)
それでもメジャーにまだ5年も在籍してないんだから、若手に見られるのも無理はない
 
マイケルがステージを去り、飯田と飯田が戻ってくるとここで来月行われるこのツーマンシリーズ最終章、O-EASTにて行われるツーマンのゲストアーティストを発表
 
その相手はまさかのBRAHMAN
cinema staffとの関係性は全く浮かばないが、珍しく辻がマイクスタンドに近づくと、
 
辻「この間、TOSHI-LOWさんと会ったんだけど、「お前ら潰す気でかかってこい」って言われた(笑)」
 
と爆弾発言(笑)
O-EASTでBRAHMANなんて見る側からしても戦場でしかない
この危険なツーマン、cinema staffは無事に生還できるのだろうか
 
そしてラストは彼らの最新音源である「first song(at the terminal)」 
変拍子を駆使しながらもストレートなギターロックにするのは彼らの十八番
彼らの今後にますます期待せざるを得ないラストだった
 
セトリ
望郷
世紀の発見
優しくしないで
白い砂漠
火傷
いたちごっこ
境界線
切り札
西南西の虹
希望の残骸
発端
いらないもの
(Encore)
first song(at the terminal)
 
それにしても来月のツーマン、既にチケットを入手していたとはいえ、まさかBRAHMANが来るとは…
冗談抜きでこれ、シネマ帰ってこれるの?
 
Next Live is ... PIA MUSIC COMPLEX 2018 @新木場若洲公園(2018.9.29.〜9.30.)