信じられないことが2つある

まずは僕が普通にアニソン関係の現場に来ていること

周囲はサイリウムだらけだ

僕は使用していないとはいえ、装着型のペンライトを着用している

ロックだけで生きていた人間がここにいるなんて誰が想像しただろうか

 

もう1つ

アニメとロックが密接になったこと

今ではアニメのタイアップをバンドが担当するなんて珍しくない

だがかつては一歩間違えれば炎上することもあった

特に某深夜アニメなんてあるアーティストをオープニングに起用したら批判殺到

蛇足であることは承知だが海外の海賊版ソフトが件のオープニングがごっそりとカットされたという話もあるらしい

 

その昔、アニメタイアップは新人アーティストの登竜門のようなものだった

未だにソニー系列はこの戦法を続けているが生き残ったのはごくわずか

しかも全て肯定的に受け入れられたとは言いがたい

肯定的だったのはいまやアニソンバンドの象徴であるが当時パンクロックから正統派ギターロックに転換、今も路線を目まぐるしく変化させるFLOW、当時から独自のミクスチャーロックを展開しシーンの王者として君臨するUVERworld

この2組だけだった

アニメとロック、この2つは緊密とはとても言いがたい状況だった

アニメ「けいおん!」のヒットによって一時的に距離は縮まり、軽音楽部も入部希望者が増えたが、ブームを終えると元通り

今2匹目のドジョウを狙おうと、某会社がリズムゲームを元にしたバンドアニメを制作し来年には続編も行われるようだが、「けいおん!」のような現象は全く起こっていない

 

しかしながら時代は大きく変わる

それがLiSAの登場である

 

2011年に「oath sign」でデビューすると、翌年に代表曲の1つ「crossing field」で一気にシーンへ

それも今やアニメコンテンツを代表するソードアートオンラインの主題歌に抜擢

このヒットで彼女はアニメシーンではすっかり新世代の旗手と後に同アニメの主題歌を引き継ぐ藍井エイルとともに名を知られるようになった

 

だがこの頃、彼女の名前はロックシーンまでは届いていない

「best day, best way」がノンタイアップでオリコンTOP10にランクインするようにはなったものの、まだ彼女はアニソン側の人間と思われていた

それでも良かったのかもしれない

彼女は歌が好きでこのシーンに飛び込んだのだから

 

そこに待っていた武道館での屈辱

これを契機にあの「Rising Hope」が生まれたわけだが、それにロックメディアが目を付けたのか

その年のTRESUREやCDJに呼ばれるようになっていく

 

そして2015年のロッキン、この辺りからロック色が強くなり満を持しての登場となったわけだがまだこの年はアウェイ

「アニソンシンガーは出て行け」という書き込みがあったのは今でも覚えている

それでもその声に屈することなく今年を含め4年連続出演

気がつけばLAKE STAGEに昇格

オリコンも1位2位独占、さいたまスーパーアリーナでワンマン

アニソンシーンを担いつつもロックシーンを牽引

完全にシーンの中心となった

それはアニソンシーンとロックを結び付けたことを意味するのである

 

これだけだとLiSAの歴史について触れているだけではないかと思う方も多いだろう

しかし冷静に考えて欲しい

LiSAの曲調は以前と比べるとロック、それもラウド色が濃くなった

だがアニソンシーンからは一切離れていない

要するにだ、LiSAは方法論を変えることなくシーンの架け橋となった

アニソンシーンとロックシーンを完全に繋いだのである

 

アニソンシーンとロックシーンを別に考える方はまだ多い

しょうがない、人の好き嫌いはみんな違うのだから

でもこうしてLiSAがいればアニソンシーンとロックシーンの距離は更に縮まるんじゃないかなあ

そう期待している