昨年のCLUB CITTA公演は事実上、「にゅ～うぇいぶ」のリリースイベントのようなものだったが、アルバムのレコ発ツアーは3月から開始
昨年からほぼ止まることなくツアーが続いてるキュウソネコカミ、今月下旬には新作のリリースも決まっているが、この新木場STUDIO COAST公演でいよいよワンマンツアーは残り3本
東京は今日と明日(ZEPP DiverCity Tokyo)の2日間に渡って開催される
新旧問わずに邦楽の名曲がBGMとして使用されているなかで、ステージに幕が張られ、中身がどうなっているのか分からないのが今回の特徴
ただライブが始まる前には「なんか映像でも投影するのかなあ」という微かな予感がしている
そんな予感がしていると定刻を少し過ぎた頃にAT-FILEDのP青木がネズミくんと共にアニメーションで登場(本人がtetoのツアーに
同行しているため？)
幕張メッセで行われたワンマン同様、注意事項を説明しながらここでも噛みまくるという相変わらずのポンコツぶりを見せた後、スクリーンにカウントダウンが表示され0になると、文字が投影され始め、幕が開くとともに「5RATS」で始まるのだが、ステージには城をモチーフにしたセット、加えてレーザが会場を飛び交うなどシンプルなセットが多かったキュウソのライブには見られなかった光景が広がっている
加えて物凄い音
今回、セイヤはツアーが始まる直前Twitterで耳栓の使用を強く推奨していたのが、この爆音ならそれも納得
耳が壊れないか不安になるほどである
シャッター音に合わせて決めポーズを行っていた「サギグラファー」では、観客のみならずメンバーもシャッターを切る素振りを行い、互いに写真を取り合うシュールな構図を産み出すと、「ファントムバイブレーション」のイントロはCDJでも披露された新しいアレンジで
今後はこのアレンジが基本になりそうだ
「みんなに最高のラブソングを」
とセイヤが告げた直後には「メンヘラちゃん」を行うあまのじゃくぶりを見せるが、続いたのはまさかの「イマジネンス」
「久々の曲で盛り上がれるか‼」
とセイヤが煽っていた通り、確かに久々、それも「人生はまだまだ続く」のレコ発では一切やってなかったが、それ以上に会場に「これでもか‼」と放たれるレーザの勢いが凄い
去年のツアー同様、オカザワとカワクボが向かい合って演奏するシーンが印象的な「邪邪邪 VS ジャスティス」から、
「37秒間の本気‼」
とセイヤが叫んでから「家」を連発するのだが、2回目では文字通り「家」が背景に描かれTamaHomeのロゴに変化したことから、「タマホーム ハッピーソング」まで演奏してしまう
同社のCMソングはこれまで数多のアーティストがカバーしてきたが、まさかライブで演奏するバンドが現れるとは
しかもシンノスケのメロディーラインのお陰でしっかりオリジナリティまでもぎ取っている
ここまで間髪を挟まず演奏してきたので、一度ブレイクを入れるが何故か背景にはTamaHomeが映ったまま(笑)
これはツアーを通しても初めてらしく、
「折角だからもう1回「タマホーム」の曲をやって、次の曲やっていいですか？ロゴも出したままで。スタッフ、今慌てとるで(笑)」
とセイヤがスタッフを弄り出すと、本当にスタッフは慌てており(顔が「マジで!?」って表情になっていた)、なんとか対応した上でもう1度「タマホーム ハッピーソング」をやると、「OS」にちなんでか、煙がステージに上がりまくるのだが、勤務帰りにこの曲をライブで聞くと無性に温泉に浸かりたくなる
「知らない曲でも踊れるか!?」
とシンノスケが煽った通り、聞いたことないイントロを奏で出すとそのイントロは「ファッションミュージック」に変化し、勿論踊りまくるのだが、
「売れてる音楽意味不明 商業音楽オケ流し 人数集まり大合唱 チャートは嘘ばかり」
のフレーズを聞く限り、キュウソも当時のチャートには怒りを抱いていたのは明らか
当時のチャートはどこもかしこもアイドルでバンドは蚊帳の外
正当に評価されないまさに不毛の時代だっただけに今こうして良い音楽は評価される時代になったことにはホッとしている
でなければキュウソもこうして安定した活動はできていない
対バンツアーでSHISHAMOがカバーしていたことが今でも印象深い「ウツロウココロ」がトランス調のアレンジに変化していたことに驚くと、暗転とともになにやら転換が
カワクボのベースアンプ付近に鍵盤が用意されていたので、それを使用するための転換ということは多くの方が推測していただろうが、急に「東京ディズニーランド」、「スプラッシュマウンテン」、「ビックサンダーマウンテン」なる固有名詞が飛び出し、徐々にネタ臭が
すると「ギンギラおじさん」のイントロが始まり、ステージ左上には何やら派手なスーツを着たセイヤが
この曲、不倫の歌であり、どう見ても歌謡曲がやりたかっただけの曲なのだが、スーツの裏にうっすら文字が見え、その文字とは「ダンディー坂野」(笑)
ゲッツまでパクり、完全にネタとして消化されてしまった
しかしそんなネタ要素を一瞬で浄化するようにセイヤがスーツを脱ぎ捨てると、「TOSHI-LOWさん」で客席に突入
しかも歌い方は以前見たときよりもTOSHI-LOWの歌い方そのものに
そのうち、歌い方がTOSHI-LOWそのものに変化してもおかしくないだろう
再びステージが暗転すると、セイヤとシンノスケがステージには居らず、残りの3人でMCを行うとするが、ソゴウは遅れて登場
というのもカワクボ曰くソゴウがライブで使用する短パンを持ってきてないことに、本番30分前に気付いてスタッフに買ってきてもらったとのこと
「後でお金な」
とカワクボが告げたため、おごらせる気は一切なし
またオカザワはプライベートでProphets of Rageのライブを見て、ギターがギターの裏側に「大阪もうかってまっか」と貼り付けていたのに触発されて、ギターの裏側に文字を貼っていたとのことだが、下手側の人しか気づかなかったとのこと
一方、ソゴウは新幹線で隣に座った外国人が「fxck」ばかり言いまくっており、向こうでは「すごい」という意味で使用されていることを明かすが、ここでトークが続かなくなり終了
セイヤとシンノスケが戻ってくるが、
「その場で起こったことで乗り切ろうとするな(笑)」
と評価は辛口だった
観客の体調を気遣いつつ、
「次の曲は2回くらい、音が止まりますからね‼」
とセイヤが予告した「NO MORE 劣化実写化」では間奏のダメダメダンスに乱入した映画泥棒を爆音で追い払うと、レーザーや背景に映された星達がコズミック空間を想像させる「GALAXY」、だらしない彼氏に振り回される女性を描いた「自由恋愛の果てに」とポップな曲を連発
盆踊りサークルを作らせることでお馴染みの「KMDT25」では、
「今回ここがツアーで1番大きい会場なんだよね。もっと来いよ‼」
とシンノスケが煽りまくって見事とサークルを作り上げるが、そんな光景も「わかってんだよ」の前では一蹴
CDとライブではアレンジが異なるが、喉をぶっ飛ばしてでもいいくらいの覚悟で歌うライブバージョンの方が圧倒的に好き
気迫が段違いだから
観客をゆっくり1歩後退させてラストスパートに入ると、
「こんなにやってながら、まだやってない曲ありますよね!?」
とセイヤの宣言通り、いつまで経っても変わらない初心を歌う「ウィーアーインディーズバンド」、オカザワのスクラッチソロが更に進化した「良いDJ」とここに来てキラーチューンを一気に連打
メンバー1人1人に照明が当たり、途中で某テーマパークに喧嘩を売るイラストを掲示した「KMTR645」を経て、「DQNなりたい、40代で死にたい」では本日2度目の客席突入を行うが、1度立ち上がろうとしたところ、「痛い」と悲鳴をあげたお客さんがいたため、一時的に移動し、
「誰かを助ける、それがロックバンドだろ‼」
とエモい名言を放つ
色鮮やかなレーザーが会場を舞い、セイヤとオカザワ、カワクボがセットに登って「ネコ踊る」を演奏すると、最後は「ハッピーポンコツ」
2時間近くやったがなんと本編だけで26曲演奏していた
すぐにアンコールで戻ってくると、
「こんなにやったのにアンコールを求めるということは、まだ聞きたい曲があるということですよね!?」
とセイヤが発するとこのタイミングで「家」を演奏
アンコールまでやってくるとは本当に器用な曲だ
余程今日のライブが気持ち良かったのか、「ビビった」をいつもよりBPM早めで演奏すると最後の曲は新曲の「The band」
既にPVが公開されているが、これまでの歴史を振り返る映像で実にエモい
「ロックバンドは最高だね」
「ライブハウスは最高だね」
と実にエモい歌詞が並び、こうしてこのバンドにまた感動させられるんだろうなと思いながらライブは終了した
かつてのキュウソのライブといえば、何が起こるか分からない飛び道具要素満載、遊び心に溢れたエンターテイメント的ライブだった
しかし今回は演出、演奏を徹底的に磨きあげてきた
2時間で30曲近く、それもほとんどノンストップでやるのは至難の技だし、相当スタジオに入ったのだろう
セールス的に見るとキュウソのピークは去った
「にゅ～うぇいぶ」はオリコンTOP10から落ちたし、後発のヤバいTシャツ屋さんなどからも抜かれ始めている
しかし今日の彼らのライブを見るとパフォーマンスは向上し続けている
むしろ今が黄金期ではないだろうか
自分の中でシーンが大きく変化したのは2013年
KANA-BOON「ないものねだり」が突破口をこじ開けてから
しかしその突破口を更に拡大させたのがキュウソである
「良いDJ」や「ファントムバイブレーション」
これらがシーンに更なる風穴を開けさせ、今のバンドシーンを構築していった
キュウソがロッキンのGRASS STAGEに立つ
その瞬間が訪れたらどれだけエモーショナルなんだろう
これまで見せてくれた光景や感動を踏まえて、やはりキュウソは最高のロックバンドである
セトリ
5RATS
サギグラファー
ファントムバイブレーション
メンヘラちゃん
イマジネンス
邪邪邪 VS ジャスティス
家
家
タマホームハッピーソング
タマホームハッピーソング
OS
ファッションミュージック
ウツロウココロ
ギンギラおじさん
TOSHI-LOWさん
NO MORE 劣化実写化
GALAXY
自由恋愛の果てに
KMDT25
わかってんだよ
ウィーアーインディーズバンド
良いDJ
KMTR645
DQNなりたい、40代で死にたい
ネコ踊る
ハッピーポンコツ
(Encore)
家
ビビった
The band※新曲
Next Live is ... indigo la End @ 中野サンプラザ (2018.4.13.)
