昨日に続きEX THEATER ROPPONGIにてフジファブリック
2月から始まった「帰って来た三日月ADVENTURE」は今日でいよいよファイナルである(追加公演もあるがあれはデビュー14周年記念ライブなので除外)

ということは玉田を迎えた現在の4人編成を見れる機会は残りわずかということである(BOBO不在時にフェスで見れる可能性もあるが、あらきゆうこが参加する可能性もあるため)
冒険は終わりに近づくと寂しさが隣り合わせ
気がついたら感情が爆発していることも充分あり得る

この日もチケットは完売しているので超満員なのは言うまでもないが、スムーズに暗転した昨日とは異なり、定刻を5分過ぎた辺りで暗転するいつものフジ方式
「インディージョーンズのテーマ」で登場するこのツアー恒例のオープニング(4回も見ていると流石に書くことがなくなってきた)でステージに玉田を含むメンバーがステージに現れるが、よく見ると加藤がホイッスルを口に加えており、このオープニングの指揮を取っていたことが今更ながら判明
このツアーで最も距離が近かったのは窓枠だったので「そこで気付くのでは?」と思う方もいらっしゃるだろうが、窓枠の時はベイホールで全く見れなかったメンバーの表情を見るのに必死だったので全く気づかなかった

オープニングは常に変化しているのでこの日も必然的に昨日と別の曲になるが、この日はまさかの「SUPER!!」
なので金澤がギターを弾くこの曲の定例行事を早くも体感することになるのだが、間奏で山総や加藤と並んでギターを演奏している彼の姿は本当に楽しそう
CDJ16/17で彼がギターを弾く姿を始めてみたときは、若干緊張している様子も見られたが、今では彼もれっきとしたギタリスト
彼のギタリストぶりを堪能できるのがこの曲だけというのは実に惜しい(同時にギターアンプが最後まで放置されている光景はシュール)

素早く金澤がギターを下ろすと、「スワン」までこのツアーで磨きに磨きあげたゾーン
山総のスリリングなギターが会場に広がる「カンヌの休日」、加藤が前に出て煽る「Sugar!」はスーパードラマー(山総が命名)玉田のバックアップにより、鉄壁の水準までに磨きあげられているが、

「空をまたいで 君に届けに行くから待ってて」

と冒険らしいフレーズも登場
人気曲であるため、固定してセットリストに投入されていると思われているが、冒険を意識したこのツアーに置いてこの曲は必要不可欠
当たり前のようで大切な言葉だ

この日はツアーファイナルであることを山総が強調した上で、メンバー紹介を行うのだが、

「ツアーファイナルなのですが、各地の血や汗、その他もろもろが盛り込まれていたキャップは返却してください‼」

と山総が指示し、最終日にも関わらずキャップは回収(笑)
これは追加公演があるからそうせざるを得ないのだろう

レコ発ツアーが多いフジだけに、今回のような「良く言えば縛りがなく、悪く言えば締まりがない」ツアーにしか登場できない「熊の惑星」を毎回聞けるのは本当に光栄だが、

「北欧の熊に対するのは ヒゲの太極拳野郎 夢の対決が見たいんだ」

は全くもって意味不明
志村の歌詞は非常に個性的なものが多く、解読不能な歌詞が多々存在するが、この歌詞はその究極形
一体志村はどんなテンションでこの歌詞を作成したのか

冒険の高揚感を煽る「スワン」の直後には、加藤のファンキーなベースラインで踊らせる久々の「キノウ」で歓声が起こるが、イントロを途中で辞めると突如ステップを踏み出す(笑)
これに玉田も便乗し、和のリズムになってしまったため金澤と山総は思わず「何これ(笑)」と口にしていた

「桜が咲いてますね。今年は早いのかな?」

と山総が尋ねると春の歌こと「GUM」へ
山総のMCに思わず「?」となったが、

「新しい服は嬉しいんだと自転車でピース」

と盛り込まれているのは新学期、進級を連想させるワード
紛れもなく春の歌である
咄嗟に「桜の季節」や「桜並木、二つの傘」をイメージした方もいたかもしれないが

赤と白が対照的に映し出される演出がまさにタイトルそのものの「かくれんぼ」で轟音セッションを演じると、いよいよ本格的にオンエアされる「電光石火」はファンの間では完全に定着したが、この曲のメロディーは近年のフジで1番
間奏のメロディアスは飛び抜けている
金澤のボーカルパートを入れるギミックも仕込んでいるが、「突っ走し続ける」ためにも本当に届いて欲しい

不穏なギターリフが会場を支配する「炎の舞」、加藤のベースを筆頭にノイズを爆散させた「Splash!」を経て、メンバー紹介の時間ではまずやたら歓声を浴びた金澤がツアーファイナルを強調するなか、改めてこのツアーについて言及
毎日セトリが変わることから

「常に初心の気持ちでやっております‼」

と発し、観客から拍手をもらうが、恐らくこれは昨日のMC(「初日のつもりでやっている‼」と言ったため、山総に突っ込まれた)を修正したのだろう

しかしながらこの日の注目はやはり加藤であの謎のダンスを金澤が真似し始める公開処刑(笑)
それを見て、

「恥ずかしくてもうできない(笑)」

と加藤が嘆いたがこのMCは最後の伏線に

玉田はと言うと、このツアーが終わることを惜しみながらも、

「盛岡で「B型がいると落ち着く」って話したら、ダイちゃんが「BOBOだ‼(山総と玉田がB型、金澤と加藤がO型のため、なお当のBOBOはMIYAVIのツアーに同行中)」と拾ってくれたり、しどろもどろになってもお客さんが暖かくて、メンバーの3人も安心させてくれて…」

と話すのが苦手と言いながらも話しまくるため、山総がストップ
直後に金澤に紹介されたため、驚いていたが、

「玉田さんやBOBOさんの前にも刄田さんや城戸さん、足立くんと多くの方に参加してもらってまして。僕たちはドラムがいないから力を借りざるを得ないわけで、でもそんな方々や皆さんが支えてくれたから来月で14周年を迎えられます。拍手は来月まで取っておいてね(笑)。今回のツアーを通してたくさんの方に支えられているんだなと思いました。ありがとうございます。」

と歴代のサポートドラマー、並びにファンに感謝を述べて弾き語り形式から「LIFE」に入るわけだが、山総の心境は

「出会えた奇跡を信じたいな」

とリンクしていた
バンドを続けるのがいかに難しいかは、チャットモンチーの解散や忘れらんねえよから梅津が離脱することが証明している
それでもこうして14年間、悲劇に襲われながらも活動できているのはたくさんの方がフジファブリックを支えているから
こちらこそフジファブリックをずっと継続してくれていることに感謝したい

音を一切切らさないノンストップゾーンらしく、聞いたことがないイントロから「徒然モノクローム」、昨日とは順番が逆になった「バタアシParty Night」を続けると、聞くのは初日以来となる「銀河」では山総のギターソロ直前にドラム以外の音を遮断する新しいアレンジ
最後のアウトロはBOBOの方がいいが、ギターソロ前のアレンジは是非BOBOも取り入れて欲しい

山総ご自慢の背面ギターソロが炸裂する「夜明けのBEAT」を終えると、メンバーが楽器を持ち替え
「何をやるの?」と思いながら見ていると最後にやったのはまさかの「ANTHEM」
他の会場でやったという話を聞いていたが、最後にやるのはこれが初

「このメロディーを君に捧ぐ」

の相手とは勿論志村正彦
「闇を裂く このアンセム」は最後に爆音と共に志村のもとに届けられた

アンコールが始まるとまずはいつもの茶番
山総と金澤の軽快なやり取りから金澤が叫ぶのはお約束だが、この日の絶叫は過去最長
最後だからかやたらテンションが高かったが、

「10年ぶりに解禁しました‼」

と話した金澤は徒然流線TOURのことを忘れたのだろうか
更に昨日同様、上座に「スベりませんように」とお祈りしていたことを山総に暴露され、

「神よ‼私を見捨てないでください‼」

と叫び出したのには笑いが止まらなかった

「ANTHEM」を良い曲だと称えながら、このツアー中に作成した新曲「ウォーターリリーフラワー」は不思議なメロディーが一瞬にして頭に入る素晴らしい曲
これも早く音源にして欲しいが、

「暖かいコーヒーを飲もう」

というフレーズが出てくる辺り作詞は金澤?

「このツアー中に皆さんからたくさんの感謝とエネルギーを貰いました。これを持ち帰って0から曲を作り直します。ありがとうございました。」

と観客に改めて感謝した上で、最後の「虹」に映るが「遠く彼方へ〜」合唱の後、金澤が

「トキオ〜‼」

とシャウトし、山総がギターソロで弾きまくるなか、加藤の番になるとソロに入ると見せかけ、またもステップを披露(笑)
その加藤からバトンを受け取った玉田も好き勝手に叩き始め、もはや何の曲かわからなくなったところで「虹」に戻る、といった最終日故に大暴走
やりすぎとはまさにこの事だった

フジファブリックはレコ発ツアーが非常に多いため、折角の新曲も次のツアーの頃には演奏されなくなることが非常に多い
だから今回のような縛りのないツアーはフジの良さを改めて認識させ、メンバー側にも新しい構想が浮かぶ良いきっかけになる
近くにいた方は

「対バンツアー(フジフレンドパーク)よりもずっとこれでいいよ」

と話していたが、フジフレンドパークもレア曲をやってくれるので、2年に1回くらいでやっていただけると有りがたい(金澤も山総も「大成功です‼」「またやりたい‼」と言ってたので、そう遠くない日に実現するのではないだろうか)

一方、来月にはデビュー14周年記念公演が控えているが、山総は今日とは違った「形」で行うことを強調していた
セトリはわかる
今回と同じコンセプトになると思われるから
だが今日と違った形とは一体何を指すのか
まさか…

時間がある方は来月のZEPP、必ずいった方がいい
次回のフジはとんでもないことをやりそうな予感がする…

セトリ
SUPER!!
カンヌの休日
Sugar!
熊の惑星
スワン
キノウ
GUM
かくれんぼ
電光石火
炎の舞
Splash!
LIFE
徒然モノクローム
バタアシParty Night
銀河
夜明けのBEAT
ANTHEM
(Encore)
ウォーターリリーフラワー※新曲

Next Live is ... くるり @ ZEPP Tokyo(2018.3.30.)