タイトル:「情景泥棒」
アーティスト:THE BACK HORN

昨年から盟友のストレイテナーと共に結成20年という筋目の年に入ったバクホン
昨年のベストに続いて新作をリリースしたのですが、なんとミニアルバムはインディーズ以来とのこと
しかも各メディアで初期のバクホンを彷彿とさせるとのお墨付き
個人的に「イキルサイノウ」を最高傑作と評している自分からすれば、本当にそうなのかと疑心暗鬼
ってなわけで早速聴き込み

一通り聞いた感想としては確かに初期のバクホンを彷彿とさせるとアルバムでした
でも個人的には「アサイラム」に近いと思う
ポップな曲も所々見られるし

アルバムを覆い尽くすものを色で例えるなら灰色
ここ数年リリースされた「With You」や「あなたが待ってる」が陽性だったので、初期の作品に近い色合いを放っています
なので社会に吠える「がんじがらめ」は初期のファンにはかなり嬉しいのではないでしょうか

とはいえただ初期の作風に回帰しているのではなく、「Running away」はマリンバを取り入れたり、「儚き獣たち」はグランジと今日のバクホンのメロディーの良さを融合
自分がこの作品を「アサイラム」に近いと感じるのはこれが原因です

で面白いのは「情景泥棒」と「情景泥棒〜時空オデッセイ〜」
「情景泥棒」が完成した後にその続編として栄純が作詞したというユニークなバックグラウンドが
この2曲は歌詞を見ながら続けて聞くとより世界観を楽しめるでしょう

その他にもポップな「閃光」と「声」を彷彿させるアンセムもありますが、最後の「光の閃光」で見せたまだ始まりにすら立ってない彼らの姿勢
新年最初のアイテムがこれならその言葉に偽りはありません

流石に「イキルサイノウ」や「アサイラム」、「運命開花」に匹敵するとまでは行きませんが、2018年のキックオフを飾るに相応しい傑作であることには変わりありません
ストレイテナーと共に今年のバクホンにも期待できそうです

評価:★★★★


情景泥棒情景泥棒
1,500円
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ちなみに今回のアルバムジャケット、マツが描いたものなんですが、詳しくは「音楽と人」の最新号に掲載されているので是非