1年前の2月、「志村會」が行われた中野サンプラザでの追加公演も含む「STAND!」のレコ発ツアーを終えたフジファブリック

それから恒例のフジフレンドパーク、一昨年から始めたアコースティックワンマンを行いつつ、中島愛に楽曲提供したり、NHKで放送されている「メディアタイムズ」、Canonのショートフィルムに新曲を提供するなどマイペースに活動を続けてきたたが、この日から始まるツアーは2年前に行われ、好評を博した「三日月ADVENTURE」の続編
レコ発ツアーではないため、何をやって来るかは一切予想できない
ちなみに神奈川でワンマンが行われるのは徒然流線TOUR以来、約5年半ぶりである

ステージの関係上、久々にいつものバンドセットになり、映画音楽が多数BGMとして使用されているが、相変わらず時間ギリギリで音出しを始めるため、暗転したのは18:10頃
2年前のツアーの続編ということで今回もインディージョーンズのテーマ曲をSEにメンバーが登場するのだが、大きく異なるのはサポートドラムがBOBOではなく、玉田豊夢であるということ
普段からBOBOのドラムに慣れているため、彼のドラムはフジの曲と上手く適合するのか

すると開幕早々山総の激しいギターリフが鳴り響き「モノノケハカランダ」から始まるまさかの展開
更に変態節に最初からどっぷり漬からせる「カンヌの祝日」とハードな曲が赤い照明と共に続く衝撃の開幕
今回のツアーは前述通り、レコ発ツアーではない
なので降り幅は自由なのだが、こんなに飛ばしてくるのは嬉しい悲鳴
更にお馴染みのイントロから始まる「Sugar!」では加藤が前に出て来て煽る早くもたまらない展開になっている

山総の挨拶代わりのMCと共にメンバー紹介、ならびにこのツアーのコンセプトを話すと、

「三日月ADVENTUREといえば、この曲」

と2年前のツアーでも演奏され、お客さんを大いに喜ばせた「熊の惑星」を今回も披露
この曲のドラムは現在RADWIMPSのサポートを勤める刄田綴色が担当(当時のサポートは刄田だった)していたため、彼にしか出来ないドラミングにどう対処するかがポイントになってくるのだが、玉田はオリジナルを忠実に再現する形で対応
この曲との相性はBOBO以上に良さそうだ

「たくさんのこれからを待っていることにしたんだ」

と冒険の始まりには打ってつけの「スワン」で金澤の美しい鍵盤を堪能させ、「GIRL」に収録されているポップセンス溢れる「マボロシの街」という縛りのあるレコ発ツアーではなかなか選ばれないような曲を選曲すると、オープニングで帽子を客席に投げ込む演出があったのだが、前回同様「要返却」と書いてあったため、今回も回収
なお前回の帽子は最終的にボロボロになってしまったとのこと

ここで新曲が「Sugar!」以来9年ぶりにJ-SPORTSの野球テーマソング(最近だとフレデリックの「FUTURE ICE CREAM」も使用された)に起用されることを明かすが、野球を全然知らないという誰もが仰天する事実を明かし、

「君はこの機会に野球を勉強しなさい‼」

と金澤がお叱りを受けることに(笑)
スタッフに甲子園球児がいるにも関わらず
その新曲は、

「「Sugar!」では「全力で走れ」というメッセージを込めましたが、今回の新曲も僕たちからのメッセージを込めました」

と解説し、いざ演奏しようとするも、

「その曲今じゃないでしょ‼」

と金澤、加藤に指摘され曲順を間違えたことが発覚する事態
このように山総の天然ぶりが露骨に現れるのだが、これはまだまだ序の口だった…

協議の結果、曲順が入れ替わり新曲の「電光石火」が披露されるが、「Sugar!」を想起されるフレーズはあるものの音楽リスナーにとどまらず、野球ファンを新たなる感動へ誘う名曲
フジでは珍しい転調も盛り込まれているが、「Sugar!」に匹敵するキラーフレーズがあるのか、早く知りたいので早めに歌詞を公開して欲しいところ

その直後には現時点での最新音源となる「かくれんぼ」も演奏されるが、アコースティック形態で聞いた前回と比較するとアウトロが凄かった
かつてアニメの主題歌に起用された「ブルー」は終盤に爆音セッションパートがあったのだが、それに匹敵、いやそれさえも越えるほどのセッション
昨年のCDJでも演奏されていたらしいが、もしかすると今後、フェスではこの曲が最後を担う曲になるかもしれない(個人的見解だが、演奏にフォーカスされるセッションパートの方が初見に与えるインパクトは大きいと見られるため)

この曲の前には、新年1発目だからか「明けましておめでとうございます。」と伝える、「今更!?」と突っ込んでしまう天然ぶりを発揮したのだが、「かくれんぼ」の直後には、

「この前雪降ってましたね。まだ雪降るのかな?」

と「知るか‼」と誰もが叫びたくなるド天然ぶり
山総の暴走は止まらない
だがこれは次の曲への橋渡しだったようで、

「雪が降っているなかでもレコーディングをしていたんですけど、雪にまつわる曲をやりたくなって久々に「春の雪」をやります。」

と本当に久々な「春の雪(やるのは「Voyager」のツアー以来か?)」へ

子供の頃、雪が降ると誰もが喜び、雪だるまを作ったり、雪合戦をして楽しんだもんだが、社会人になると雪に対してマイナスのイメージを抱くようになる
だが大雪のおかげでこの曲を聞けたとなると、たまには雪もいいかなと思う
今年はもうごめんだが

「遅い曲ばかりやってたけど大丈夫?次の曲滅茶苦茶早いけど(笑)。」

と観客を気遣いながら、飛ばされたのが明白である「Splash!」で金澤と山総のギターソロの洪水を浴びせつつ、合唱を起こすとノイズを残しながら山総がギターをシタールギターに持ち替え、「炎の舞」をここで演奏
一昨年のCDJでも演奏されたが、ここでも演奏してくれるとは
近年のフジの曲では「カンヌの休日」に並ぶ変態曲なので、このまま定番になるかもしれない

改めてメンバー紹介に入ると、金澤と加藤がかつてないほどの天然ぶりを発揮している山総を弄りまくるのだが、注目はツアー初参加の玉田
「LIFE」からレコーディングに参加しているのだが、

「今回のツアーは「帰って来た‼」ってあるけど、こちらは初めましてだから(笑)」

と早くも笑いを誘う
トークスキルには期待できそうだ
なお、玉田と山総は斉藤和義のツアーで一緒になったらしく、いつかツアーを回りたいと話していたようだが、今回のツアーでようやく実現したことに

すると山総が、

「ところでなんで今回のツアー、今日から始めたかわかる?」

と節分とツアータイトルを結びつけようとするも鬼退治は桃太郎なので失敗

「冒険も最後の方にはモンスター級がいますので」

と強引に着地させると、終盤のブロックに入るわけだが長いセッションから始まったのはまさかの「打上げ花火」
前半こそ沈黙を保っているが、激しいドラミングが刻まれると一変
志村正彦にしか作れないであろう天才的1曲であるがやるのはいつ以来だろうか

そのまま大きな歓声を浴びた「TAIFU」、とうとう山総が自身のギターパートを弾きながら演奏するようになった「銀河」と往年の名曲で駆け抜けるのだが、ここでBOBOとの違いが如実に出てしまう
というのは「TAIFU」をやる際、BOBOは最後のサビ前でドラムを一瞬停止させて、爆発力を呼び起こすのだが、玉田は音源のままで行ってしまった
更に「銀河」もラストの迫力がどう見ても劣ってしまう
ツアーが始まったばかりなので致し方ないとはいえ、この辺りは今後のツアーで課題になりそう

エッジの効いた山総のギターが特徴の「夢見るルーザー」では最後のサビ直前を

「さあ さあ さあ さあ‼」

と溜めまくる新たな側面を見せつけ、「星降る夜になったら」で美しいコーラスワークを見せた後、

「ありがとうございました。フジファブリックでした。」

と早くも告げるが最後は、寂しさすら燃え付くす「夜明けのBEAT」
山総名物の背面ギターソロはなかったものの怒濤の6連弾で上げて上げまくって終わらせた

アンコールでメンバーが戻ってくると節分だからか、豆袋がばら蒔かれるが、山総は鬼の仮面をつけており鬼が豆をばらまくシュールな構図が完成(笑)
久々に物販コーナーを行うと告知として、恒例のフジフレンドパークが5年目を記念して5箇所で開催されることを発表
東名阪ではあるが、東京は滅多にやらないLIQUIDROOMが含まれているためこれは抑えなければ
ちなみに今回のゲストはみんなが絶対好きなアーティストとのこと

「14年前、対バンの時に控え室の部屋に閉じこもっていて、友達が出来なかった自分達もたくさんの仲間が出来ました…」

には突っ込みかけたけど

その流れで先日加藤がカメオ出演を果たした「メディアタイムズ」に触れ、昨年のFABRIC THEATERで告知していた「1/365」のフルバージョンを遂に解禁
王道のようで王道に行かないフジの変態節が炸裂した1曲
フルサイズになったということは年内にリリースされることは間違いないだろうが、他にも新曲を用意しているらしく、もしかしたら年内にアルバムが出るかもしれません

「色々ありましたが、今日のライブは…自分で言っていい?大成功だと思います」

の一言に「ほんとかよ‼」と誰もが疑問を持つなか、最後は「STAR」
BOBOの時のような高まる期待はなかったのだがやはりこの曲のパワーは凄まじい
ステージに巨大な星を注がせて初日は終了した

「春の雪」や「打上げ花火」のような懐かしい曲を聞け、更にセトリも変動するのはありがたいが、それ以上に山総の天然度合が過去最強クラスで完全にぐだっていた
初日なので緊張していたのかもしれないが、次に見る浜松ではこんなことないよね!?

セトリ
モノノケハカランダ
カンヌの休日
Sugar!
熊の惑星
スワン
マボロシの街
電光石火※新曲
かくれんぼ
春の雪
Splash!
炎の舞
打上げ花火
TAIFU
銀河
夢見るルーザー
星降る夜になったら
夜明けのBEAT
(Encore)
1/365※新曲
STAR

Next Live is ... BRAHMAN @ 日本武道館(2018.2.9.)※その前にポルノのライブが入る可能性有