タイトル:「MAJESTIC
アーティスト:Dragon Ash

先月レビューしたUVERworldのアルバムが前作から3年ぶりと話しましたが、まもなく横アリで18年ぶりにワンマンを行うDragon Ashはその上を行く3年4ヶ月ぶり
まあコンスタントにツアーや作品を発表し続けるUVERworldに対して、Dragon Ashは近年は非常にマイペース(途中でソロ活動もしてましたね)
なのでリリースまで3年半近く要したのは仕方ないかな(笑)

まず前作との決定的な違いはベースにKenKenが本格的に参加したこと
自分もすっかり忘れていましたが、「THE FACES」ではkjがベースも担当してました
それが全編KenKenに変わるとなるとグルーヴは当然代わり、ライブに近いアンサンブルへ変化します

更にどちらかというとオルタナティブサイドが強かった「THE FACES」と比較すれば圧倒的にラウド
それもただのラウドではなく、シンセを盛り込んだ21世紀の最新鋭ミクスチャーロックです

そんな新しいミクスチャーロックは序盤から
先行で配信された「Mix it up」の破壊力は凄まじいものでしたし、ただ頭を振らせるために作られた「Headbang」のヘビーなサウンド、獰猛までに攻める「Faceless」と新たなラウドサウンドの威力は絶大
シンセとラウドが化学反応を起こし、DAにしか出来ないラウドロックを見せてくれます

ただラウドサウンドだけが魅力ではないのがDA
かつて「静かな日々の階段を」、「morrow」といった名曲で現れていたkjのメロディーセンスはいまも健在であり「STARDUST」、「SINGIN' IN THE RAIN」ではその片鱗が
ラウド色が強いアルバムとはいえ、メロウサイドもしっかり兼ね揃えています

一方で歌詞はkjの内面が強く出た印象
このアルバムについて、各所で難産ではなかったとそこまで時間を要してないことを明確に述べていますが、「SINGIN' IN THE RAIN」ではkjが歌い続ける理由がはっきりと
強気に活動するkjの弱さも若干垣間見られます
それは「STARDUST」や「FACELESS」がバンドについて歌った曲であるだけに尚更
この理由がDAの活動方針にも影響を及ぼしているのでしょう

ドラムが非常にタイトでPVも製作された「Odd to joy」、ラウドとEDMが融合を遂げアルバムの最後に出来たと話す「JUMP」と他にも魅力的な曲は多々ございますが、特筆すべきはやはり「A HUNDRED EMOTIONS」
誰もが抱く感情、それらを解き放つ音楽の魔法を体感させてこのアルバムは終わります
フェードアウト形式で終わるのは音楽は終わらない
それを証明したかったからでしょう

自分はDragon Ashの作品では「LILY OF DA VALLEY」、「MIXTURE」がかなり好きな人間です
なので前作の「THE FACES」と比較すると今作の方が聞き込むと思います(ならなぜ昨年の推薦アルバムに入れなかった)
これだけのアルバムなら横アリでどうなり響くのが楽しみでありますが、個人的には次の作品を早くも聞きたくなってしまいます(渋谷陽一に当分作らない‼って断言してましたが(笑))

活動20年目の記念碑的作品
まだまだDragon Ashは我々を驚かせてくれそうです