※正式タイトルはBLUE ENCOUNT × My Hair is Bad 2018.1.18. 新木場STUDIO COASTです

ブルエン、新木場2daysの2日目
この日は前日がリクエストワンマンであったため、文字通り強敵と激突するツーマンライブの日である

名古屋では9mm Parabellum Bullet、大阪ではsumikaと強敵とぶつかってきたが、今日の対バン相手であるMy Hair is Badはいつ休んでいるのか分からないほどのライブ猛者
並びに椎木と田邊はタイプが重複するため、今回のツアー最大の強敵である
そして前日、飛ばしすぎた反動が来ないか、心配である

・My Hair is Bad
昨日は大雨のためか、開演が19:10分近くになるという定刻からかなり遅れてスタートする事態になったが、この日はそんなことはなく定刻通り
SEが流れるなか、ベースの山本とドラムのやまじゅんが先に現れ、

「新潟県上越市から来ました、My Hair is Badです‼ドキドキしようぜ‼」

と最後に現れて椎木の宣誓から「アフターアワー」でスタートするが、

「ドキドキしてくれ‼」
「これだけは言わせろ。「ライブハウスへようこそ‼」

とやはりこの日だけの用語を早くも取り入れている

「終え」は「追え」とのダブルミーイングではないか?という節もある「熱狂を終え」の直後に、椎木は自分の生い立ちを説明しながら即興で歌にするが、

「自分を好きな人はもっと好き‼」

と叫んで「ドラマみたいだ」に橋渡しする見事な言葉のキャッチーボール
セットリストが同じであっても同じライブは2度と来ない
ライブを頻繁に見る方ならよくわかると思うが、これはまだ序の口に過ぎなかった

「皆さん、仕事はもう始まりましたか?僕たちは今日が仕事初めです。それまで曲を作ったり飲んでは寝てを繰り返していましたが、その間にマツコ・デラックスさんに弄られて(笑)」

と先日、テレビ番組でマツコ・デラックスに弄られた件に触れながら、マツコ・デラックスへカウンターパンチを浴びせる「復讐」、30秒で終わる爆音ドラマ「クリサンセマム」、鉄板のダンスチューン「元彼氏として」と山本がステージを自由自在に動き、

「幸せになれよ‼俺はもっと幸せになるからよ‼」

と椎木が元カノにエールを送るが、「燃える偉人たち」が始まるとやはり雰囲気は一転

「馬鹿ばっかの中で歌う」
「その汚いディッキーズ脱がす」

なんてフレーズが出てくるから戦慄させるのはわかっていたが、この曲の力は想像以上に大きい
どんなに明るい雰囲気も楽しい雰囲気も一瞬で飲み込んでしまう
ちなみに山本が尊敬するベーシスト、ひなっちから拝借したフレーズがあるとこの曲の解説で話していたが、引用元はストレイテナーの「SPEEDGUN」ではないだろうか

そんな「燃える偉人たち」の直後にノイズを撒き散らして音が完全に消えたところで、

「ブルエンとはリキッドルームで対バンしてそのあと田邊と飲み明かした。でも思い出話はいい‼これはVS‼戦いの場だ‼」

とブルエンへの対決姿勢を鮮明に出し、その日限りの言葉で埋め尽くされる「フロムナウオン」では、

「カッコ悪いものは廃れる‼」
「変わりたいと思ってライブをやっている‼」

とエモい言葉を連発し、ブルエンにかけて

「もっと光ももっと闇も見せたい‼」

とも叫ぶ

本能的だが偽りのない椎木の言葉
その言葉は常に変化し、曲も進化し続ける
マイヘアが再放送一切なしのリアルタイムドキュメントと言われる由縁はここにある

そんな熱唱タイムを終えると、

「目が覚めたらやまじゅんになってるかも」

とやまじゅんを弄り、

「自分に歌っているようであなたに向けて歌っている曲」

とマイヘア1番のハッピーソング「いつか結婚しても」で濃厚な愛の形を見せ、

「ブルエンに捧げます‼」

と叫んだ「告白」でダイバーを続出させて終了

見るのは一昨年のロッキン以来だったが、このバンドのライブ力は若手のなかでも特段抜きん出ている
こんか熱いライブを毎回聞かされたら誰だって魅了されるのも納得する

だが忘れてはならないのは、このバンドはいつか「終わる」ことを覚悟して活動しているということ
冒頭、椎木は

「年を取る、それはろうそくが1つ減るということ」

と自らの人生観を話した 

終わりを受け入れる
だからマイヘアは人生の灯をバンドに燃やすのである
そしてそんなマイヘアのライブを見れば見るほど、「終わり」が来ることを意識してしまう

セトリ
アフターアワー
熱狂を終え
ドラマみたいだ
復讐
クリサンセマム
元彼氏として
燃える偉人たち
フロムナウオン
いつか結婚しても
告白

・BLUE ENCOUNT
スムーズに転換、サウンドチェックが行われていたため、気がついたら「Brake Down The Clock」が流れていよいよブルエンの出番 

マイヘアよりも歓声が少ないことに田邊が不満を漏らすも、それ以上に

「今日は平和にやろうと思ったけど、椎木が「戦いだ‼」って言うんで、ぼこぼこにします。」

と椎木の発言を受けて、すかさず宣戦布告
辻村と江口が楽器をぶん回したのを合図に、観客の目を覚まさせるように「JUST AWAKE」、「VS」よりも前に和の要素を取り入れた「ワナビー」と宣言通り、アッパーチューンを次々に展開していく

ひたすら赤い照明が使用され、このように熱い曲が続くと当然ダイバーも続出するが、更に会場を沸騰させるべくまさかの「HOPE」、田邊が足を思いきり上げまくる「HEEEY!!」、江口のライトハンド奏法が全てを持っていく「ロストジンクス」と昨日やってない曲がずらり
特に「HOPE」は「Survivor」のカップリングであったものの、リリース後数回やっただけというレアぶり

そんなレア曲をやっているのは間違いなく昨日までのリクエストワンマンの影響
いわばこの日のセットリストは、裏リクエストアワーなのである(となると、またも外野の声を気にしてしまったとも見られてしまうが…)

その証拠が「misgiving」
入手困難となっているシングル「SIGNALS」収録曲をここでやったのだ
2回目の途中経過の時点では「regret」や「走り出した感情」、そしてこの曲がランクインしていたが、最終的に東京で演奏されることはなかった
それでもこの日演奏されたのは恐らくこの曲が21位くらいに入っていたのだろう
つまり、あのリクエストアワーは決して無駄ではなかったのである
これを機にフェスやワンマンでやってくれたらなお嬉しいが

序盤飛ばしまくった関係でMCらしいMCは1箇所のみ
田邊はマイヘアが好きすぎるゆえに「いつか結婚しても」や「真赤」をことある毎に歌おうとするのだが、江口や辻村が制止
更には楽屋で椎木本人の前でもやったのだが、その椎木すら引いたという
マイヘアについて田邊は、

「マイヘアはIndiesmusic.comで見つけて、凄い才能だから早めに潰そうとしたんだけど(笑)、昔から対バンしたくて武道館のあと、リキッドルームで対バンさせてもらって、椎木も言ってたけど、そのあと恵比寿でストロング2本決めました。そのあとどんどん大きくなって日本武道館を2日間やるまでになってしまったけど、今回出演を快諾してくれました。大好きなバンドです。」

と話しマイヘア愛全開

その一方で、

「マイヘアは描写がリアルでブルエンはありがちだって言われるけど、そのありがちが人を救うことだってあるんだよ‼」

と叫んでお馴染みの出だしの「THANKS」からは定番曲の猛連打

「歌っていいんだぞ‼」

と煽った「DAY × DAY」は大合唱となり昨日以上の盛り上がりを見せると、

「椎木はさっき「戦いだ‼」って言ってたけど、やっぱり楽しまなきゃ‼」

と田邊が開き直り、「ONE」では弦楽器隊3人が背面プレイ(田邊は下手だったが(笑))を見せるが、辻村が「足りねえ‼」と納得いかず、ドラムセットに移動するとインディーズ以来、久々に高村が「ONE」でコールアンドレスポンスを行うことに
なおドラムは辻村が代わりに叩いていたのだが、細美から称賛されたボディとは裏腹にドラミングはあまり迫力を感じず
ドラムはほとんど叩いてないのだろう

だが高村のコールアンドレスポンスによって、一気に熱気は高まり、

「今回色んなバンドと戦ってきたけど、やっぱり最後は自分に勝たないとな。行けるか!?自分に負けんな‼」

と田邊が煽りまくった「VS」でバチバチと火花を散らし、

「今年こそはヒーローになろうぜ‼」

と叫んだダイバー続出の「LAST HERO」で終了

すぐにアンコールで戻ってくると、今回のツアーに出演してくれた9mm Parabellum Bullet、sumika、マイヘアに改めて感謝
そしてこのツアー、正真正銘ラストナンバーは

「他にもやりたい曲一杯あったけど、一番やりたかったのはこれ」

とやはり「もっと光を」
本音を言えば「走り出した感情」を聞きたかった
だが、昨日溜まりにたまった感情を放出したからか、完全に田邊は吹っ切れていた
その証拠に最後の歌詞は

「ずっと俺が君を照らすから」

昨日が昨日だったから今日のブルエンは本当に楽しそうだった

最後はマイヘアも呼んで記念撮影
打ち上げ会場へ誘導するなか、またしても田邊はピックを遠投し、1階後方まで届けてしまった

東名阪ツアーはこれにて終幕
だが5か月後には早くも次のツアーが控えている
春フェスにも出演するとなるとほとんど時間は残されていない
それだけに短期間でいかにビルドアップ出きるかが重要
ある意味ブルエンの命運は次にかかっているといっても過言ではない

セトリ
JUST AWAKE
ワナビー
HOPE 
HEEEY!!
ロストジンクス 
misgiving
THANKS
NEVER ENDING STORY
DAY × DAY
ONE
VS
LAST HERO
(Encore)
もっと光を 

Next Live is ... Kalafina@日本武道館(2018.1.23.)