毎年、賛否両論を起こしながら結果的にはシーンに有望な新人、あるいは発展途上が見込まれるアーティストを掘り起こすRO69 Jack
このコンテストに優勝したバンドは、特典としてアルバムを1枚リリース
昨年、話題となったパノラマパナマタウンもここからCDをリリースしています

で、昨年の12月にこのレーベルからCDを初めて全国流通させたのがおいしくるメロンパン
結成わずか1年でのリリースとなります

このバンドを一言で表すなら、「王道」
ただ、その王道とは今主流になっている四つ打ちギターロックではなく、KANA-BOONやアジカンのようなエイトビートを基調としたギターロックです

まだ20という若さゆえ演奏には粗削り部分も残ります
しかし、一瞬で耳に入ってしまうほど研ぎ澄まされたメロディーこの強みがそのマイナス要素を消し去るほど強力
このメロディーセンス、凡人のそれとは違います

またこのバンドの歌詞は非常にユニーク
恋の終わりをやがて溶けるかき氷に例えた「色水」、「シアン」や「パルマ」などユニークなワードを用いた「シュガーサーフ」、五月病と恋を掛けた「五月の呪い」、喪失をテーマにさ迷う姿を描いた「砂と少女」、紫陽花に恋の終わりを描写させた「紫陽花」と1曲1曲が独立
短編小説のような世界は最近のバンドでは珍しいのではないでしょうか

某所で格好のターゲットにされてしまったおいしくるメロンパンですが、恋の終わりを多種多様な手段で表すリリック、一瞬で心を鷲掴みにしてしまうメロディー
この二つをあわせ持つのは簡単そうで非常に困難
この若さ、結成1年でここまでのクオリティーを作り出してしまえば、RO69のグランプリ取れますよ、間違いなく

とはいえまだ1枚目
次のアルバムか結果を残せれば、シーンを動かせるまでになるでしょう

この若き才能、僕は全面的に支持します