3月。今年も私の誕生日がやってきました。

まず楽しみなのは、高校の同級生、H田からのプレゼント。今年はおしゃれなマスクとアロマスプレーが届きました。

思いきり爽やかな香りのスプレーをマスクに含ませて、お出かけです。いい気分。

H田とは、もう何回プレゼントを交換したことでしょう?ショップの店員だった彼女は、私の好みをちゃんと知っていて、私は毎年イケてるプレゼントにときめいてきました。

マリクワの赤とゴールドのネイル、編み物の本に純正の毛糸、使い勝手の良いかごバッグ、海外ブランドのお鍋…。ありがとう、H田!

私が贈って喜ばれたのは、ストッキングかしら?

今は会社員である彼女、これは実用的で良かったようです。

今年は誕生日の翌日、ミーコとナナちゃんが公園でお祝いしてくれました。

満開の桜の花吹雪のもと、ミーコはスマホで私の大好きなスピッツのメドレーをBGMにかけてくれました。ランチのおにぎりもおごってもらっちゃった。

ナナちゃんからは、小さなほうき、ポストカード、消毒液のプレゼント。ランチ前、消毒液は早速役立ちました。

スピッツに、3月生まれの女の子にハンティングナイフをあげるという歌があり、毎年待っています。今年も届かなかったなあ。

キャンドルの香りで誕生日を思い出す私は、何と恵まれている事でしょう。

我が実家は、両親と兄と私、それぞれに誕生祝いを毎年行ってきました。

部屋を暗くして、ケーキの上の、年の数のキャンドルをふううーと吹き消しました。

ひとつだけ、苦かった思い出があります。

母の誕生日に、私は銀のサラダトングを贈りました。

プレゼントを開けた母は、『ふう~ん?』と何かよく分からない反応。

確か欲しがっていた気がしたのは、私の勘違い?

次に母が開けたのは、兄からのプレゼント。

ブルーのカップ&ソーサーを見て、『あら素敵!気に入ったわ』と笑顔です。

その時、私は一瞬悲しい顔をしてしまいました。

兄は母を責めました。『お母さん僕は今りせ(私)の顔をみたぞ!』『お母さんりせに謝れ』大げんかになってしまいました。

母は反発しました。けんかは長引き、私が『もうどうでもいいから終りにしてよ』と母に乞うと、『どうでもいいだろう?』と不満顔です。うーん、お兄ちゃんの気持ちはすごく嬉しいんだけど…。

母は茶だんすの引き出しから財布を取り出し、『実家に帰らせてもらいます』とまで言い出しました。

兄は『そんな事したら帰って来づらくなるからやめてよ』と止めています。

私が『帰りたいなら、帰らせてあげれば?』と口を挟むと、母は(何てひどい娘なんだ)という表情をして私を見ていました。

その後の事は忘れてしまいましたが、時は過ぎ、カップ&ソーサーは茶だんすの一画に仕舞われ、サラダトングはどこに行ったのか、見ることはなくなりました。

兄が、結婚して2人の子供をもうけ、一家として実家に遊びに来たとき、上の男の子がどこからかサラダトングを見つけ出し、おもちゃのように楽しそうに手にしています。

けんかをしていたあの時の張りつめた思いは、一気に温まり、心の闇から流れ出ていきました。

お兄ちゃん、どうもありがとう。

お母さん、今年の誕生日はどうしようかな?