私にとって世界で一番向いていないと思われる自動車免許というものに、嬉しいニュースがありました。『オートマ限定』が制定されたのです。

周囲もそれなら、と応援してくれました。

金銭面は母が私の証券をおろしてくれましたが、自分ひとりでタウンページの連絡先から調べ、まるで大きなプロジェクト!送迎バスに乗り、手続きをしに行きました。

学生、おじさん、主婦?色んな人たちがいます。今日からここで、私頑張ります!

顔写真を撮影し、あれやこれやとピカピカの教科書をもらいました。何も読まずに技能も実技も参加しました。

実技の数回目、父に『クルマ動かせると楽しいだろ?』と言われ、うなづきました。それでもまだ教科書を読んでいませんでした。

実技の教官は指名が出来ましたが、指名したい教官がいません。お任せにしたら3回続けてヤな教官です。

教官『コレはわかってんの?』私『わかりません』。

教官『コレはわかってんの?』私『わかりません』。

教官『コレは?』私『…すみません』

ここで教官大笑いです。『サイフ、忘れてっていいから』楽しそうに車を降りて行きました。

その後私はやっと教科書を読みました。よくもまあここまで来れたこと。

それから、心理テストを受けました。結果は、円グラフが『まん丸』が理想と思われます。私は『若葉マーク』のような形でした。

ある時、実技の教官にめちゃめちゃに否定され、帰り送迎バスにうるうると涙目で乗り込んだ時、皆の視線が『わかるよ!!』と言っていました。皆、ありがとう!!

また別の教官より『アンタ、クリープ現象で角曲がってるの?』と指摘されました。私の夢はクリープ現象で世界一周です。

そしてとうとう仮免許!昼間仕事がヒマな時、『仮免許練習中』という札をパソコンで作りました。

実技にて、下り坂でお婆さんが道を渡りたがっています。『徐行、徐行!』と急ブレーキをかけました。後ろはどうやら高級車です。ものすごいクラクションでした。教官が『あっぶねー』と真っ青です。

また別の下り坂。『犬がいる。徐行、徐行!』教官『まだずっと先だよ?』。

ともあれ、緑豊かな住宅街での仮免練習。彼の車でも練習させてもらって、楽しい体験でした。

いよいよ試験当日。有給休暇をとりました。地図が読めない私は、とにかく皆に続いて試験場に行きました。

結果は不合格。翌日職場で『どうだった?』と訊かれ、私はカーテンで顔を隠すしかありませんでした。

そして二度目の試験日の朝。虹を見ました。

結果は何とか合格!嬉しくて点数を見るのも忘れてしまいました。

晴れて免許取得です。

人けのない公道にて運転中、『もしかして今、私飛ばしてる?』とミラーを見たら、後ろには四台の車が列をなしていました。

高速道路にも挑戦しました。助手席の彼に『ねえねえ、あそこ、紅葉が綺麗だよ!』と言われ、『ほんとだあ』と見とれていたら、車線を越えていました。彼は『俺もう何も言わねえ!!』本気で怖がっていました。

今、免許証は『運転経歴証明書』になっています。

こうなることが一番予想出来ていなかったのは、他ならぬ私だったかも知れません。