一部、前に書いたことですが、

昔水産学を研究していた時、

セキトリイワシ類に少し関わったことがあります

大学と院では学校が別でしたが、

どちらももう少しで、直接セキトリイワシ類を、

研究材料として扱えるところでした

 

最初はある冊子に深海魚の標本図を書くことがあり、

標本室にある魚の中で、たまたま「目があった」、

セキトリイワシ類(セキトリイワシ科ヒレナガイワシ属の1種)の魚の,

正確な絵を描くための準備として、色々文献等調べていました

 

その中で、親近感を感じるようになったことと、

当時の硬骨魚綱条鰭亜綱の分類では、

ニシン目セキトリイワシ亜目とされていたのが、

セキトリイワシ類でした

そこでいずれ始めようと考えていた、

ニシン科の系統分類学的な研究のため、

近隣群でもあり、深海という、かなり違う環境にいながら、

形態の特殊化があまり見られないセキトリイワシ類は、

触ってみる価値があると思ったからです

 

ところが病気で2年以上足踏みし、別の大学院に進むことになって、

ニシン類やセキトリイワシ類の研究は、

出来なくなりました

 

その次の場所では、キュウリウオ目キュウリウオ科ワカサギ属を扱い、

卵や仔稚魚の生態と、

このグループの中での種分化の関係を調べるのが、

新しいテーマとなったので、

セキトリイワシ類からは離れてしまいました

 

とはいえ、共同利用施設として、

学校には4千t級の調査船があり、

深海に網を入れて調査する機会が、かなりたくさんあると思われたので、

将来的にセキトリイワシ類に関わる可能性を考え、

標本や、苦手な外国語の文献を調べ始めていました

ところが、いくつかのことがあり、

研究者を断念することになったため、

今度も幻で終わってしまいました

 

その頃からずっと、セキトリイワシ類は、

また会ってみたい憧れの存在でした

先年のヨコヅナイワシ(セキトリイワシ科クログチイワシ属)の実物標本と、

生きた姿の映像を見た時は、

憧れの人を初めて目にした、大興奮でした

ただ、そのヨコヅナイワシの姿は、

どちらかといえば、セキトリイワシ類の中でも特化が見られる、

セキトリイワシ属の姿に近いようです

 

ところで、現在セキトリイワシ類は、

多くニギス目セキトリイワシ亜目に位置付けられます

どちらのグループにも、

鰓の基部の骨である鰓弓の各上部に、クルメラル器官という、

複雑な構造をした器官があるのが大きな理由です

 

しかし遺伝子関係の研究では、

サケ目に近いニギス目よりも、

ニシン目やコイ目に近いと考えられています

その場合、両グループのクルメラル器官は、相似進化の結果となります

ニギス類のクルメラル器官は、

餌のクラゲ類の刺胞付きの触手を、

口腔内を痛めずに鰓から排出する働きがあるようです

セキトリイワシ類の主要な餌は、クラゲ類ということです

生息する水深はセキトリイワシ類の方がかなり深いとはいえ、

似た食性から相似器官を持つようになったという可能性も、

小さくないかもしれません

 

そこから私は、セキトリイワシ類はニギス目から切離して、

目として再び独立するのが適当なのではと思うのです

そしてその際、名称はハゲイワシ目が相応しいのではと、

勝手に思っています

 

学名ではセキトリイワシ目=アレポセファリフォームス

    セキトリイワシ科=アレポセファリデ

    セキトリイワシ属=ローレイナ

    ハゲイワシ属  =アレポセファルス

これはシーラカンス←→コエラカントゥスのように、

上位分類と下位分類で、和名と学名の関係がズレているのです

 

だから、あまり知られていないのを逆手にとって、

和名をハゲイワシ目ハゲイワシ科とすれば、

ズレは無くなるのではないでしょうか

だいたい、セキトリイワシ,ハゲイワシ共に、

なぜこのような名になっているか、詳細は不明です

本当に、戦前の魚類学•水産学の元締めの方々は、

ネーミングセンスが、全く⁇です

 

私はすでに研究者とは離れた世界にいるので、

勝手に口走らさせていただくと共に、

この際、この文章での自分の名を、

私の姿にまさに当てはまる、「ハゲイワシ」に改めることにしました

よろしく、お願いいたします(2025.9)