土用の丑の日の話と、立秋前の夏の土用の丑の日に、
ウナギ(ウナギ目ウナギ亜目ウナギ科ウナギ属の各種)を食べる風習については、
「ウナギ考④」に記しています
その土用の丑の日については、今年(2025年)は、7/19,7/31の2回あります
今年の立秋の8/7の直前の18日間=土用の中に、十二支の丑の日が2日含まれると、
一の、二の丑の日と呼び、江戸時代中期以来どちらもウナギを食べる風習があります
ウナギにとっては、災厄の年と言えるでしょう
その今年、介護している家族の、久々に食欲を示した「ウナギが食べたい」
で、連合いがウナギをあまり好きではなかったので何十年振りかで、
スーパーでウナギの蒲焼きを買い、ご相伴で一緒にうな丼を食べました
これまでウナギの乱獲のことについて書き、
資源保持のため、需要逼迫して資源管理を圧迫する土用でなく、
本来の旬である秋冬に食べましょう、などと、
いつも言ってきた者としては、誠に申しわけない次第と思っています
今年はいくつものスーパーを覗いても、「うな次郎」等が売っていなかったので、
ネットで見た、チクワの蒲焼き丼を、前日に作って食べたところだったのですが…
どうせ食べるのならばというか、
ウナギの匂いをあまり好まない連合いが聞いて来た方法です
① スーパー等で買ってきた蒲焼きを水洗いし、軽くタレと脂を流し落とす
② オーブンで両面を、焦げ目がつかない程度に焼く
③ 改めて添付の蒲焼のタレをかける
ウナギは皮が固いと、味が良くても食べ難く幻滅ですが、適度な柔らかさになり,
脂を多少洗い落としても、十分美味しく感じられます
そして、いつもあまり匂いを好まない連合いが、
臭くなく良い匂いというほど、上品に感じられるのが大きいのです
関西のスーパーではどこでもほぼ関西風の直焼きなので、
とり分けこの調理法がよく合うのではと思われます
さて、上に書いた、今年は「うな次郎」が見当たらないという話ですが、
これは私の住む街だけかもしれませんが、
「うな次郎」のみならず、今ウナギ代替品が店頭で見られません
これは、今年のウナギの値下がりが影響しているのでしょうか
とはいえもちろん、天然ウナギが豊漁なわけでも、
養殖ウナギの生産量が大幅増加したのでもなく、
今年になって、日本沿岸でのシラスウナギの漁獲量が増え、
その価格が半減したことが関わってのことです
ところで、今店頭で安くなっているウナギが、シラスウナギ豊漁からかというと、
あまりそうとは言えないところがあります
シラスウナギ豊漁が2月ごろからだそうで、普通、養殖期間は6ヶ月以上必要なため、
そのウナギが出回るのは、ほぼ8月以降ではないかと思われます
今安くなっているウナギは、シラスウナギの値下がりのニュースで、
養殖会社・販売会社が、シラスウナギの豊漁が続くだろうと考えて、
安売り合戦をしている状態と言えます
ところで、このシラスウナギは、日本,中国ともニホンウナギの稚魚ですが、
なぜ今年になって豊漁とになったか、原因は不明です
この状況がどれだけ続くのか、責任ある見通しを発表している機関はありません
もっと言えば、日本のシラスウナギ漁獲量は、元々変動が大きかったとはいえ、
1960年代は、年間150-200t獲れていました
それがこの約十年は、多くて約20tにまで激減しているのですが、
養殖ウナギの出荷量は、近年ずっと、年間1.5-2万tで、あまり変わらず推移しています
(もし尾数の比較が出来ればもっと正確に分るかもしれませんが、統計はないようです)
これは日本のウナギ養殖が、中国からのシラスウナギ輸入にかなり依存しているためです
日本も中国も、沿岸で漁獲するシラスウナギはニホンウナギです
中国は、獲れたシラスウナギを大量に日本に輸出した上、
日本と共に欧州各国からヨーロッパウナギのシラスを大量に輸入していました
しかしヨーロッパウナギが2007年にレッドリスト絶滅危惧種の中でも、
危険性の高い「絶滅寸前」に指定され、輸出が制限されると、
絶滅危惧種の「絶滅危惧」に指定されているアメリカウナギに輸入を切替えたようです
ようです、というのは、アメリカウナギもヨーロッパウナギと共に、
ワシントン条約で輸出が制限されているはずが、ほぼ移入経路が分らない形で、
昨年日本に輸入された養殖ウナギの約4割がアメリカウナギという報告があるのです
どこでどれだけの漁のそれぞれのウナギ属魚類シラスウナギが漁獲され、
それがどこでどれだけ養殖され、日本内外に流通しているのか、
全くブラックボックスの中ということです
今年の「ウナギ豊漁」→値下がりという図式に、科学的および経済的根拠は、
ないに等しいのです
なお、関係の方々が危惧されていることですが、
アメリカウナギと同じく絶滅危惧種「絶滅危惧」に指定されているニホンウナギ含め、
今年のワシントン条約締結国会議で、ウナギ属全19種が、
「生きたシラスウナギだけでなくかば焼きなどの加工品も対象とし、輸出国に対し合法的な捕獲の証明を提示し輸出許可を取得することを義務付ける」(ウィキペディア「ニホンウナギ」)
生物種に指定され、2027年から輸出入が厳しく制限される可能性が高いと思われます
ウナギを食べること自体への禁止ではないですが、
現在のところ価格の高い完全養殖ウナギの低価格化が遅れれば、
養殖ウナギの価格高騰と、シラスウナギおよび天然ウナギ成魚の乱獲の圧が高まり、
野生絶滅の危険性が高まることが心配されます
今年ウナギを食べまくれば一層将来食べられなくなりそうなのに、
土用に食べてしまった私は、責任の一端を担ってしまいました(2025.7)
