ちょっと必要があって、親が数十年集めて死蔵状態だった、

大量の食器や置き物をリサイクルショップに、処分してもらうことがありました

買いに来てくださったバイヤーさんが、

判断の理由をそのまま教えてくれながら、作業を進める人で、

精神的に疲れる家財処分の立会いの中でも、

興味深い話を伺いながらというのは、少なからず心惹かれるものがありました

 

例えば、最近は昭和レトロという、フワフワしたブームで、

骨董未満ともいうべき新しい時期でも、自然に使込んだ雰囲気のものが意外に人気が高い

今は九谷焼のような綺麗な彩色の陶器より、

立杭焼,備前焼のような土の印象の濃いものが好まれる

漆器は全く売れない

白地に青い植物の幾何学模様のようなシンプルな洋食器は、全部買います

近年、大皿は全く人気なく銘々皿の嗜好が強い

核家族化で、皆で1つの皿から食べる文化が、消えかかっているのかもしれない

そして、

買取った品の多くは、中国,アジアの市場に行くため、

トランプ関税の話があった瞬間、全く売行きが悪くなった(タイミング最悪)

そんな話をたくさん聞きました

もちろん、1人のバイヤー、それも関西ローカルの中のことで、

どれだけ一般的な傾向かは、話す本人も全部は分らないという話でした

 

そのようなやり取りでしたが、

少し生き物の話にも、繋がった話もありました

私の親が集めた食器や置き物には、それなりに、動物の意匠のものがありました

そこには、カエルとネコのものが、割合に沢山あり、

バイヤーの方は、それを喜んで引取ってくれたのです

ところが、魚と鳥は、人気がないということ

なぜカエルに魚が負けるのか!

気になって、どういう動物が人気あるのかを聞くと、

ウサギとカエルとネコなのだそう

ペットとして人気はあっても、イヌとトリは売れないとのこと

 

それは、干支の動物は売れそうと思えるのにどうしてと聞くと、

答えは、逆に干支の動物は売れないとのこと

ただ、ウサギだけは例外で、可愛いと言われ、とても人気があるそう

とうやら、干支の動物の意匠,図柄は沢山出るけれど、

それぞれが欲しい動物は限られる

つまり、親や親戚の干支のものは、後に引継がれず、大量に売出されるのだそうです

それならば、ペットの主流でも、干支からは外れた説話のあるネコと、

10番目トリ(ニワトリ,酉)11番目のイヌ(戌)に、

売行きの差がついても、おかしくないことになります

 

ただ干支の中で、4番目ウサギ(卯)だけが大人気な理由、

また、金魚がいるのにそれを含め、魚がカエルに完全に差をつけられているのは何故か、

不思議に思って尋ねると、どうやら、鳥獣戯画の印象からとのことなのです

つまり、鳥獣戯画の代表作

ウサギとカエルの相撲の絵のイメージが、その2種類の動物のものを、

多くの買い手に手元に置きたいと思わせているのではないかとのこと

目からウロコの話でした

 

リサイクル品の中国•アジアからの引合いとの兼合いは分りませんが、

日本の多くの人にとり、あの、カエルがウサギを投飛ばして、

それを他のカエルたちが大笑いして見ているあの絵が、

生き物への印象の大きな部分を占めているという

言われてみれば、それなりに説得力あると思える話でした

 

鳥獣戯画、正式には鳥獣人物戯画

「一部の場面には現在の漫画に用いられている効果に類似した手法が見られることもあって、『日本最古の漫画』とも称される。成立については、各巻の間に明確なつながりがなく、筆致・画風も違うため、12世紀-13世紀(平安時代末期-鎌倉時代初期)の幅のある年代に複数の作者によって、別個の作品として制作背景も異にして描かれたが、高山寺に伝来した結果、鳥獣人物戯画として集成したものとされる。」(ウィキペディア「鳥獣人物戯画」から)

 

ネットで検索して確認すると、改めて日本に住む私たちは、いかに生き物のイメージを、

鳥獣戯画から得ているか、興味深いものがあるように思えます

だってあのカエルたちですよ

私は好きだけれども嫌う人の多いヘビやトカゲの、親戚のヌラヌラですよ

(四肢動物上綱の爬虫形類と両生類の遠さではあれ)

ある動物たちは、GとかKとかミッキーとか、

名を口にすることさえ気持ち悪がられる空気が、珍しくもないのに

 

なぜ、ピョン吉やケロロ軍曹やケロヨン程度で、

ミッキーの世界的人気に遥かに及ばないアイドルしかいないのに

そう思うと、面白く感じられるものです

そこから、鳥獣戯画に沢山出てくる、もう2種類の動物のことにも思いがつながります

 

その1つはサルです

ウサギとカエルに追いかけられるサルの絵(検非違使と泥棒なのだそう)も、

多分、カエルとウサギの相撲の次に有名な図ですが、

かなり情けない顔で逃回る姿ですから、これはサルの印象はかなりマイナスかも

 

そして鳥獣戯画に最も沢山描かれている動物

それはヒトですが、

軽妙に描かれているし、2人の男が引張りあっている首相撲の絵など、

相当有名ではあるけれど、でも、可愛いとはほとんど感じない

考えてみれば、不思議なことではあります

 

でも、そういえば、置き物や飾るためのプレートはともかく、

食べ物を乗せる面に、ヒトのはっきり描かれた食器はあまり目にしません

おそらくこれは、世界中のかなりな人々に共通です

真ん中に他の動植物の描かれた皿は少なくないので、

かならずしも、絵柄の生き物を食べるイメージではない気がします

なぜヒトは、ヒトの絵が描かれている皿を避け勝ちなのか

調べても、ヒントになるような報告は見つかりません

答えがあるのか、気になります(2025.6)