岩手三陸の中でも、一時期住んだこともあり、多くの記憶と、
震災後も何回も足を運び、ある程度の土地勘のある、
沿岸北部と呼ばれる、宮古,大槌,釜石といった地域は、
第2の故郷という思いがあります
そちらと比べ、
大船渡,陸前高田を中心とする沿岸南部は、
数回、しかも東日本大震災•大津波以前にしか訪れたことはなく、
馴染みがあるとは言難い場所ではあります
震災直後の支援活動の話で、
東北との関わりのかなり少ない関西では、
多くの方が余り分っていなくて、
三陸の広さ,長さを甘く見て、
短期間でのよ訪問計画を立てようとしているので、
北の久慈から南の陸前高田まで1日で行くのは、
被災前でも、神戸から淡路島を通って、
高知まで行く以上の感覚ですよ(個人的感想)と、
止めたことがあります
少し立寄っただけのことでしたが、
同じ岩手•三陸のリアス式海岸といっても、
沿岸北部の地形の急峻さに比べると、
南部の方が、多少とも穏やかな景色の印象がありました
そこで、山火事が大火災になったのです
強風,乾燥,高い気温で土壌の凍結が見られない等、
大火災となった要因が言われています
それに加え、さらに考えられる原因として、
荒れたスギ林も挙げられるのではと思います
火災現場では、スギ林、
それも分る範囲でのことですが、
荒れた状態の林が目立つのです
これは、大船渡•陸前高田に続いて山林火災が発生し、
26日現在、鎮火の目処が立たない、
岡山市,今治市,宮崎市の報道の映像•写真でも、
同じくスギ林を見かけます
スギ(裸子植物上綱マツ綱ヒノキ目ヒノキ科スギ属)は、
マツ類,ヒノキ類等と共に、裸子植物類の特徴として、
維管束が発達しておらず、
被子植物類では、縦に連なった細胞が外側の細胞壁だけ残して、
無くなってできる道管であるのに対し、
裸子植物類では、
それぞれの細胞の形が残った、仮道管になっています
これは、根から吸上げる力が弱く、
根自体も比較的浅いこともあり、
木全体に、保水力が弱い特徴があります
また、根が浅いことは、
土壌としての保水力が弱く、
大雨により土砂崩れを起こしやすい一方、
逆に乾燥期に、土壌を乾燥させてしまいます
また、スギ,マツ類,ヒノキ類等、
マツ綱植物の中で大きく成長し、
温帯-亜寒帯に生息する樹木は、
針葉樹と呼ばれ、
細く小さい葉を持ち、
木材に適した種が多数あります
この針葉樹は特に、
葉や幹に大量に油脂を貯込む特徴があります
これは寒冷地で冬期に、
組織が凍結することを防ぐ役割があるとされていますが、
木材の中では燃え易いという特徴となります
そして、近世から植林が行なわれて来た、
日本中に大量にある、針葉樹の人工林の大部分で、
木材の価値が下がり、管理が放棄されて荒れていることも、
山林火災が起こり易い要因になっていると思われます
これらの人工林は本来、枝打ちや間伐をして、太い木に育て、
落ち葉や下草を、肥料や燃料として持ち出すことにより、
日光が広く当たり、健康で枝の少ない木となるはずでした
要するに人工林は、畑の園芸作物と言って良い植物なのです
それが管理されず荒れると、
日光を求めて、間伐されず細く密集した、
そして枯れた枝を多数持った木が、
日光を求めて縦に長く成長します
これが落ち葉や下草と共に、一気に燃え上がり、
樹高が高いので、沢や比較的燃え難い雑木林を高く越えた飛び火となり、
一気に延焼面積を広げることになります
極端に言うと、
同じ重さの、1本の丸太と、長ぼうきの束、
どちらが燃え易いかということです
今週(27日以降)、場所によってはまとまった雨が降り、
今も各地で続く山林火災は、うまく行けば収束するかもしらませんが、
まだ予断はできません
温暖化の影響が強まれば、
来冬以降の山林火災の要因も、さらに強まり、
荒れたスギ林も、日本中に火薬庫のように備わっています
これから毎年、どこかで、
今も続いている韓国慶尚南北道のように、
さらに大規模な山火事が、
新たな過酷災害として、
襲い来るのは、ほぼ間違いないでしょう(2025.3)
