私の文章で、行政の政策に文句を言うことが多いことは、
一応自覚しています
注目を受けるか否かに関わらず、事実上匿名でのSNSで、
無自覚に他者の悪口を無責任に撒き散らすことは、
思わぬ被害を与えるかも知れません
ブログを書くについて、心すべきことでしょう
そのうえで、書きます
数日前、奄美大島で繁殖していた「マングース」について、
環境省が会見を開き、
根絶出来たと確認したとのニュースがありました
その会見の中で、環境省職員が発した、
「おめでとうございます」の一言が、どうにも引掛っているのです
「マングース」は、ハブの天敵として有望として、
79年に奄美に30頭が放流されて以来、
ハブをほとんど獲ることなく、
アマミノクロウサギはじめ、奄美大島の貴重な動物類を、
食害により、絶滅の危機に追込みました
そこで環境省は、2000年から、
「マングース」駆除を始めることとし、
同省奄美野生生物保護センターで05年に組織した、
「奄美マングースバスターズ」が駆除活動を始めました
その後導入した探索犬の活躍もあり、「マングース」は、
2000年に個体数約1万頭まで増加していたのが、
19年度からは捕獲数0になり、5年以上継続しました
そこで今回、奄美での根絶が宣言されたのですが、
そこで環境省の職員が、根絶を告げた後に続いて、
はっきり「おめでとうございます」と口にしたことについて、
会見の一部を切取っただけのニュース映像でしたが、
どうにも違和感を覚えてしまいました
環境省としての発足は2000年ですが、
前身の旧環境庁発足が71年です
その際の設置理由の1つが、先日環境大臣との話合いで、
職員が被害者のマイクを勝手に切って大問題になった、
水俣病の対策のためということ
国の縦割り行政の課題を、
各省から専門部門を集めて、統合的に扱うためということでした
しかしそれから半世紀超、
今年(2024.5.1)「水俣病犠牲者慰霊式」後の話合いの席上で、
環境省職員が、マイク事件を起こしたのです
どこか、上記の「おめでとうございます」と通ずる、
対策責任当事者意識の不在性が、そこに感じられるのです
環境省本省HPと、同省奄美野生生物保護センターHPでは、
この根絶宣言までの取組みについての、スタンスというか、
どのように特定外来生物駆除事業と向き合っているのか、
決定的な違いがあるように窺われます
本省HPの宣言では、奄美大島が今まで世界にない規模で、
初めて、移入「マングース」根絶を実現したと、
大きく触れて自画自賛しています
一方奄美センターHPにはその記述はなく、
代わって冒頭近くに、次の言葉があります
「しかし考えてみてください、マングースは単に連れてこられたところで、なんとか生き延びるためにエサとなる生物を食べていただけです。これらの命は本来、人がマングースを連れてきさえしなければ、失わずに済んだ命であるということを、私たちは決して忘れてはいけません。私たちは生きている動植物を他の地域に運んでしまうようなことがないように、十分に気をつけなければいけません」
環境、そして生き物と、日常どのように関わっているのか、
中央と、辺境でもある現地の、
プロとしての姿勢の差が、図らずも露わになったと、
感じざるを得ません
「マングース」奄美放流は、直接は旧環境庁の責任ではありません
しかし同庁発足からしばらく後の79年であり、
その時は、1910年に沖縄に放流した「マングース」が、
生態系にどのような影響を与えているか、
さらに言えば、「マングース」が昼行性で、
夜行性のハブの天敵にならないことは証明済なのに、
奄美大島放流を止めなかった責任に、
言及していないことも、忘れてはならないと思っています
なお、「マングース」としているのは、
この種が南アジア-アフガニスタン原産の、
フイリマングース(食肉目マングース科カニクイマングース属)で、
それは近年まで、東-東南アジア原産の、
ジャワマングース(同属)と、同一種とされていたからです
一応、両HPではフイリマングースとも書いています
しかし報道記事では、検索した限り、マングースとだけです
おそらくその点について、環境省はチェックしていません
詳しすぎる表現が良いとは限りませんが、
世界各地に放流され、生態系撹乱を起こしているのは、
全てフイリマングースです
2007年、ジャワマングースが日本で、
沖縄,奄美での被害により、特定外来生物に指定されました
その後別種と分り、15年にフイリマングースも指定されましたが、
ジャワマングースは、その後も特定外来生物に指定されたままです
近縁種のため、同様の危険性なしとは言えませんが、
少なくとも、ジャワマングースの外来生物としての害は、
世界のどこでも報告がないようです
本当に害のある特定外来生物と、未だそれほど被害報告のない、
生態系被害防止外来種を、わざわざ分けて指定しているのです
環境省が近縁種を、指定し分けている例も多いにも関わらず、
ジャワマングースでは、放置されたまま、根拠も公表せず、
環境省自身が、制定基準の信頼性を損なっています
このような、お上の下で、現地奄美センターの方々が、
本当に地道に、捕獲数0以降も誠実に、
生物保全に取組んで来られたことには、頭が下がります(2024.9)
