先月末に眼科手術受けて以来、目の不調により、

ネットやスマートフォンの使用を抑えています

そのためこのブログの更新も、久々になってしまいました

そのような中、

結構ヘロヘロになっていましたが、

ようやく会期終了前に、

明石で行なわれていた『エルマーのぼうけん展』に、

何とか行くことができました

 

大袈裟にいうと無意識のうちに、

苦しんでいる他者への真直ぐな共感と、

同時に敵対する存在とも、決して思考停止して戦うことなく、

状況を切拓く知恵の面白さ、

そして(ノラ)ネコやりゅうたちのように、

物語の中で命が脅かされている存在を全肯定する姿勢を、

小学校入学前に、心からワクワクして何度も読んでいました

今回も、今でも愛している絵本の世界に、

浸ることができました

 

で、特にその2冊目の『エルマーとりゅう』の中で、

相棒のりゅうの大好物ということで、

りゅうが喜んで食べようとしている、楽しい挿絵と、

何よりその名前の不思議さにひかれたのが、

スカンクキャベツ

だったことを、改めて思い出しました

 

子どもの頃は、

そんな食べ物というか野菜など、

架空のものと思っていました

ところが後に、もちろんキャベツ

(アブラナ目アブラナ科アブラナ属)ではないですが、

スカンクキャベツとは、実在の、

和名アメリカザゼンソウ(単子葉綱オモダカ目サトイモ科ザゼンソウ属)

と知った時は、本当に驚きました

 

りゅう(3作目でやっと名前がボリスと分る、のんびりさです)が、

おいしそうに食べようとする、

好物のスカンクキャベツは、

軽く渦を巻いた形で、

これはお菓子のつもりかと思っていたら、

本当にスカンクキャベツの姿でした

 

スカンクキャベツは、同属のザゼンソウ、

また近縁のミズバショウ(サトイモ科ミズバショウ属)と似た形で、

まるで黒いミズバショウと言えるような花をつけます

花と言っても、本当の花は、細長い花柄にたくさん密集してつく形です

それを、花びらのように見えて、中心の集合した花を包むように広がる、

苞=葉の変形したものが囲んでいます

 

このような形の花は、サトイモ科に共通のもので、

同科のアンスリウム(アンスリウム属)の花(と苞)を、

思い浮かべてもらうと良く分るでしょう

その苞が、ミズバショウ属やザゼンソウ属では、仏像の光背に似た形で、

仏炎苞と呼ばれます

 

その花からは、きれいな姿と不釣合いのようにも思える、

臭い匂いを出すのですが、

その匂いでハエ類を呼び寄せて受粉させるのです

 

スカンクキャベツの名もそこから来ているようですが、

この匂いを長く留めておくためのようです

その仏炎苞を横から描いた本の挿絵が、

渦を巻いているようなものなので、

実在の植物の絵と思えなかったのです

 

本の挿絵で、りゅうが喜んでスカンクキャベツを口に放り込んでいた姿を見て、

お菓子のような印象を受けていたのですが、

それが美しい姿と、臭い匂いを持つ、

アメリカザゼンソウとは、

ずいぶん驚かされました

 

スカンクキャベツも、ザゼンソウや水芭蕉と同じく、

体内にシュウ酸化合物の毒を持ち、

動物に食べられないよう、身を守っています

(りゅうにはきかないようですが)

日本でも米国でも、鉱山等の湿地帯に生息し、

絶滅が心配される植物です(2024.5)