今、通うことが余儀なく、

明石にほぼ週何日かいます

 

その明石で、「エルマーとりゅう」についての展覧会が開催されています

まだですが、もし時間と気力の余裕があれば、

何とか行きたいと願っています

 

「エルマーとりゅう」は、

記憶にある限り、

初めて読んで心から大好きと思えた本で、

前後作含めた3部作は、

多分、私の人格の中の、おこがましくとも言いますと、

一番良質と言って良い部分を形作った一つという、

実感があります

 

勿論ファンタジーの荒唐無稽さはあれど、

後から知って当てはめる言葉で言えば、

多様性の豊かさに触れる喜びと、

ヒトではない程遠くの相手とも、

他者の人格、

あるいは存在や尊厳を大切にする素晴らしさを、

教えられ、夢中になって何度も読続けた本です

 

そして小学校に進み、

以前に触れた「ファーブル昆虫記」と出会った頃、

もう一つ、夢中になったのが、

「ウルトラマン」シリーズでした

 

どうやら、評論家の間で評価が高いのが、

第1作に当たる「ウルトラQ」と、

3作目「ウルトラセブン」ですが、

私にとっては、圧倒的に、「ウルトラマン」です

 

前後作と比較しても比べ物にならない、

出てくるウルトラ怪獣の多様な姿に、

魅了されたのは確かで、

バルタン星人,レッドキング,アントラーはじめ、

同級生(秘密と言われたこともありますが女子も)

の間で絶大な人気でした

 

そして男子同士で、ずいぶん沢山、

怪獣ごっこをしたのですが

ほぼいつも、子どもの皆がやりたいのは、

(スペシウム光線のポーズは除き)

ヒーローであるウルトラマンでなく、

お約束で倒されること込みの、

怪獣役だったのです

 

まだ幼く、

誰も言葉化することはありませんでしたが、

ヒトの正義を体現し、

敵を平らげるウルトラマンより、

理由もなくその場にいて、殺されるしかない、

しかし多彩な姿で暴れる怪獣に、

私たちはシンパシー、

あるいは今で言えばリスペクトを、

どうしようもなく感じてしまったのです

 

おそらくそれが、私個人としては、

一度は水産学を選び、

生物と共にあることを、一生の仕事にしようとした、

原点、原風景かもしれないと、

何十年も経った今でも、

その思いは続いています

 

今回、文章を書くにあたって、ウィキペディアを検索して、

日本語訳では前記エルマーは、

男子としか思えない表現ですが、

原作者、 

の文章では、

ジェンダーはどちらとも取れると、

初めて知りました

 

内容としては、本質として、

権力、父権主義を無化する話です

改めて、素晴らしい文学

 

そして、私たちが、

何も考えなければただの他者である、

地球に生きる生き物と、

共存していること、そのものの大切さを、

あの時代に、すでに教えてくれた、

かけがえのない教えと、思返しています(2024.3)