中高の一時期、草野球レベルですが、野球を少しだけやっていました

今は違うでしょうが、当時可能な競技の中で、

唯一、運動神経も体力もなくとも通用したのが、

野球の左下手投げ投手でした

 

一番の強みは、ほとんどの対戦相手が、初めてかはともかく、

まず練習することのない、左下からの浮上がる球で、

ストライクさえ投げられれば、

打順1回りほどは何とかなる、

リリーフ要員でした

 

それなりに速く投げるためには、

腕を真下に下げる必要があり、

マウンドのその辺りを足で掘って、

イニングが終わると次の人のために埋直す、その繰返しでした

 

もちろん高校野球レベルで通用するはずもなく、

投げる機会もなくなりその後40近くなり、

子供や親戚の小中学生とキャッチボールをする頃には、

体が硬くなったからか、

どうしても振被って下から投げると、

暴投になるようになりました

 

大谷投手や、イチローのロングスローのフォームでも明確なように、

綺麗な上手投げは、

投げ終わると体の反動を逃すため、

足が自然に前に流れます

ソフトボールのウインドミル投法も同じ、

横方面にずれない、縦移動です

 

しかし、横手や下手で投げると、

最後は投げた足の側が真横近く出ます

腰を中心とした体の軸が、

横回転するからです

 

横手投げはまだいいです

深い下手投げをすると、

上半身と下半身で回転の方向が違い、

負荷が大きく、長く続けられないと、

かなり後で気がつきました

 

下手投げの理想との評価があった、

元阪急の、山田投手も、

引退後、年が経つと、

ほとんど横手近くからしか投げていません

 

多分私たちが、

哺乳類のせいです

骨盤からほぼ真下に足の骨が出ていて、

どうしても縦運動中心に出来ているのです

 

陸に上がった脊椎動物のうち、

これが最も顕著なのは、鳥類含む恐竜の獣脚類です

おそらく縦運動ゆえに、

2足歩行に移れたようです

例えばほとんどの現世鳥類は、

ヒトでも同じ、片足を半分浮かせた姿勢を、容易にとれます

休止状態からすぐに動け、体がブレずにすむ、

縦運動への適応による、

2本足なのに3点で立つ、離れ業です

 

哺乳類については、

三畳紀に枝分れした、私たち哺乳類の先祖にあたる、

単弓類=哺乳類型爬虫類の研究が、

まだあまり進んでいないようです

確定していることは、

最も哺乳類で祖先形質を残しているだろうカモノハシ類でも、

すでに縦偏した、つまり縦に体を動かすための尾を備えていることです

これはイルカ含むクジラ類、ジュゴン類の尾鰭でも同じです

 

しかし残るグループ、爬虫類は横移動

トカゲもヘビも横にウネウネ

漢字では元々、虫の原意、這いつくばる下等な生物のイメージです

 

しかし、それは虚構です

まあゴジラのような、

2足歩行かつ尻尾が地面を左右に這いずるような生き物はいませんが、

一旦陸上に出たはずの爬虫類は、

恐竜類が果たせなかった海洋進出を、

中生代には、少なくとも2回果たしています

ジュラ期のイクシオザウルス類=魚竜類と、

まだいつからは未確定ですが、

少なくとも白亜紀前期以来の、海竜類です

 

これらのグループは、

陸上爬虫類が水圏に進出するための、

最大の課題だった胎内での孵化を成功させ、

それぞれの時代、海に適応し、繁栄しました

おそらく海生哺乳類と違い、

尾鰭を左右に振れる体制が、

体のブレをより小さく出来、

水中生活には有利だったのでしょう

 

最近は人気が出ている、海竜類のモサザウルス類も、

恐らく白亜紀末の大絶滅がなければ、

未だに海の王者だったかも知れません

(好きな表現ではないですが)神々のサイコロといわれることもある、

中世代末の絶滅がなければ、

もっと多様に進化した未来も、あったかも知れません

 

生物史含め歴史にifはない以上、言っても詮ない妄想ですが、

私がもしかしたら、

魚竜類や海竜類の陸上再進出の末裔ならと、

想わないことは、

ないのです(2023.12)