友人が、「夏の魅力つめあわせ便をお届けします」

という題の、YouTube動画を送信してくれました

 

そこに、可愛いナベカの写真もありましたので、

ナベカと、それから一応夏が旬のギンポの話を、

今日は取上げます

 

今まで、ナベカは分類学上は、

スズキ目ギンポ亜目イソギンポ科ナベカ属と、

されることが多数派です

九州以北、黒潮と対馬海流の流域の、

10㎝もない、岩場に普通に生息し、

タイドプールでも良く見られる、

色彩変異が大きい可能性ありながら、

多く体の前半が、黄色と黒の縦縞模様の魚です

 

同じナベカ属に、

後頭部に皮弁を持つトサカギンポや、

西表島以南の熱帯域に生息し、

汽水域に多いカワギンポがいます

 

しかしナベカ含め、

ギンポ亜目魚類は、

ほぼ食用魚となりません(味も知りません)

 

一方ギンポというと、

全く大きさが違い、30㎝までになる、

天婦羅ダネの、とりわけ高級魚として、

東京湾沿岸では珍重するので、

こちらを思浮かべる方が、

あくまで関東周辺限定で、多いと思われます

 

しかし和名ギンポは、同じく最近まで、

スズキ目ゲンゲ亜目ニシキギンポ科ギンポ属に分類

つまりギンポとギンポ亜目は、

全く別の分類群なのです

 

さらに最近、

ギンポ亜目は、

サンマやボラを含むオヴァレンタリア類へ、

もっと遠縁の分類群にと変わりそうなのです

 

さらにさらに最近、

ギンポ属の方は、

ニシキギンポ科ニシキギンポ属になりました

ますます、ギンポはギンポ類と呼べない、

和名限定ですが、

筋の通らない混乱状態になっているのです

 

推測ですが、

ギンポと、その近縁種や、

またギンポ亜目魚類は、みなハゼ,ドジョウに似た体型で、

その多くが、岩礁域を生息地とし、

ヘビガイ類貝殻やサンゴ等の、細長い穴の中に産卵し、

卵を守る生態なので、

近縁と誤解されたのではないかと思います

全く他人の、

生態を含む、空似です

 

一応ギンポ亜目のラテン語学名では、

ギンポ亜目=Blennioidei,イソギンポ科=Blenniidae

そこには和名はありませんが、

Blennius属,Spaniblennius属がいます

 

そちらの分類群の和名のうち、

ギンポ亜目をイソギンポ亜目に変更するだけで、

本当はスッキリ解決なのですが…

 

(余談)ギンポ(神戸の方言イタベラ)は食べたことのない、

あこがれのリストの1つです(2023.7)