好きな花は何かと問われて、

いつも答えていたのは、春のタンポポおよび、

夏の、朝顔昼顔夜顔です

 

どれも美しい名前ですし

アサガオ,ヨルガオは昔実家で毎年、

祖母が小さな庭に巻付け棒を刺し、

両方育てていた思い出が強く残っています

 

アサガオおよびヨルガオはともに、

ナス目ヒルガオ科サツマイモ属に、

分類されます

ひそかに、ホタルイカモドキ属ホタルイカに匹敵する、

楽しい分類名と思っています

 

小学校時代は、

5月頃に祖母と一緒にコップの水に種をつけ、

膨れて発芽しかかったものを蒔いていました

どちらも俳句の季語は秋ですが、

普通でも9月中旬、

少し遅く蒔けば10月終わりごろまで花が咲くので、

実は秋の花と言っても良いのだろうと思っていました

 

実家は北側玄関横に庭があったので、

アサガオもうまくいけば、夕方まで、

咲誇っていました

アサガオの大輪種よりも、

ヨルガオの方が大きな花でしたが、

年1回もなかった記憶ですが、

様々な色彩の品種のアサガオが、

白一色のヨルガオと一緒に咲いている夕方は、

祖母の面影と共に、

今でも豊かな思い出です

 

ヨルガオの葉は大きなハート形で、

スズメガの幼虫が時々付くのも観察していました

ヨルガオはアサガオよりはるかに大きく育つので、

食欲旺盛な幼虫がいても平気でした

どちらもサツマイモ属で近縁なのに、

アサガオにはスズメガが来ないのも不思議なことでした

 

小学校の夏休みの宿題で、

毎日花の数を小さなアサガオを折り紙で貼付ける、

日課にした年には、

最盛期には1日数十枚折っていたのも思い出です

アサガオの折り紙は花弁を円く切取るので、

折り紙では邪道という人もあるそうです

折り紙の中でも、

芸術的に最高な作品の1つと、

勝手に思ってはいますが

 

ヨルガオは日本の冬には大抵枯れます

しかし原産の中南米では、

多年草と聞いた時も驚きでした

また、野生のヒルガオのピンクの花も好きで、

種を採って育てたいと思っていても、

見つからないのが、

長年不思議でした

 

ヒルガオは実は地下茎で増える多年生植物で、

自家受粉では実らず、

ほとんど種が出来ないことを後で知り、

同じヒルガオ科(ヒルガオ属)なのに、

相当生態が違うことに驚いたことを覚えています

 

なおユウガオは、

ウリ目ウリ科ユウガオ属で、

ヒョウタンやカンピョウを作る、

全く別の植物です

しかし実家ではずっと、

ヨルガオのこともユウガオと言っていました

多分、少なくとも昔の神戸阪神間では、

かなり多くの家庭で、

ユウガオと呼んでいたと覚えています

 

以前に比べ最近は、

アサガオを植える家が 

心なしか減っているような気がします

ましてやヨルガオは、

ほとんど目にしません

夏の風物詩がなくなった気がして、

残念です(2020.8)

 

追記(2023.7)

牧野富太郎をモデルにした朝のドラマでは、

ユウガオがヒロインに例えられていました

ヨルガオでないのが少し残念でした