琵琶湖・淀川の生物相は、

日本でも有数の豊富さを誇ります

そのような状態であるのは、

大きく2つの理由があるそうです

 

1つは、上流に琵琶湖という、

世界でも有数の大きさの淡水湖を抱えることもあり、

それを含めた淀川水系は、

渓流から太湖、

そして水量の多いゆったりとした大河川までと、

日本で他に例を見ない、

多様な環境が1つの水系に備わっています

当然、多様な生物環境もまた、

備えられています

 

しかも、河口大阪市あたりの湿地帯・干潟は、

残念ながらほぼ消滅していながらも、

それを補う河口近くの、

ヨシ場やわんどのような、

生物多様性を保つ場所が残されているためのようです

 

さらに言えば、大阪湾は静かな内湾でありながら、

流れの速い明石海峡と紀淡海峡を通し、

海水の循環が適度にあって、水質の良い、

多様な生物相を抱える海であることも、

海との往来のある、

汽水域の生物多様性に寄与しています

 

そしてもう1つは、琵琶湖がおそらく、

世界4番目に古い湖であるという、

歴史のためです

ザイサン湖(6千万年前),バイカル湖(3千万年前),タンガニーカ湖(1千万年前)、

多分その3つの古代湖に続く、

440万年前から完全に干上がることのなかっただろう湖です

 

最初は今の伊賀上野あたりにできた「古琵琶湖」が

場所と大きさを変えながら続いて、

現在の琵琶湖になったようなのです

 

さらに言えば、

琵琶湖ができる前の歴史です

古琵琶湖ができる前、

はるかに古い、約2200万年前に、

今の濃尾平野まで広がっていた「古瀬戸内海」が、

海と切離されて今の琵琶湖・淀川となったため、

他の古代湖と比較しても、

海生を起源とする淡水産固有生物の多い、

世界的にも珍しい水系なのです

琵琶湖・淀川水系全体を、

世界遺産にしても良いのでは、

と、私見では考えます

 

これは例えば、

日本産淡水ナマズ類

(ナマズ目ナマズ科ナマズ属)4種のうち2種、

ビワコオオナマズとイワトコナマズが琵琶湖固有種、

そしてタニカワナマズが濃尾平野固有種で、

さらに言うと、

イワトコナマズとタニカワナマズの、

2種が遺伝的にも近縁であるという、

古瀬戸内海の変遷に沿った、

海から陸水に上がったナマズたちの、

進化が見られることからも分ります

 

またビワマス、ゲンゴロウブナ等、

ユニークな魚たちも、

おそらく古瀬戸内海由来の歴史を担っています

 

ですから、琵琶湖・淀川沿線に住む人は、

世界的にも、

類を見ない貴重な環境を守るため、

水質保全に努めることが求められているのです

この点では、

琵琶湖を守る意識の高い滋賀県民と比べ、

淀川を担当する京都・大阪の両府民は、

正直なところ、落第点と思わされています(2022.5)