ニシオンデンザメ

(ツノザメ上目ツノザメ目オンデンザメ科オンデンザメ属)という魚は、

脊椎動物の中でも、はなはだしく長寿とみられ、

5年前には、

500年以上生きた個体が記録されたという報告があります

 

ただ、硬骨魚類では年齢を普通、

耳石の年輪で調べるところ、

エイ・サメ類は、脊椎骨の年輪により調べます

この脊椎骨の年輪が、

どうやら年数が経ちすぎてはっきりせず、

それに代わる、

放射性同位体測定による推定です

 

この方法は、水産生物には未確定の手法による推定で、

推定年齢の幅には200年強ほどあり、

記事の個体も、もしかしたら、

300歳台なのかもしれません

 

ただ、ニシオンデンザメ(大西洋に生息)や、

駿河湾にもいるオンデンザメ(大西洋中-西部以外の世界中に分布)は、

メスが成熟するのに150年かかるとの報告があり、

こちらの方がむしろ驚異的かもしれません

深海生物の研究はこんなことが多いのですが、

解明が待ちどおしい魚といってよいでしょう

 

ツノザメ類は、深海に棲み肝油を取るため漁獲される、

サメの多く含まれるグループで、

生態や生息数も不明なまま、

世界中で漁獲されています

オンデンザメ属魚類もそのひとつであり、

その中でも最大の大きさのものです

 

ニシオンデンザメは7m以上、

オンデンザメでも4m以上の個体が、

捕獲されています

当然肝油を大量に採れることから狙われ、

健康食品の材料として、

乱獲が心配されています

 

オンデンザメ属の魚は、

おそらく口に入るものは何でも食べる食性で、

表層性の動物から海底の生物遺骸と思われるものまで、

胃から発見されています

その一方、目が大きい種の多いツノザメ類の中では、

例外的に目が小さく、

獲物の捕捉に、

視覚以外の方法を主に用いている可能性があります

 

このような貴重な魚が、

謎のまま、ヒトによって、

絶滅に追込まれるという危険性も、

小さくなく、心配なことです(2022.4)