「土に蒔くときには、地上のどんな種よりも小さいが、蒔くと、成長してどんな野菜よりも大きくなり、葉の陰に空の鳥が巣を作れるほど大きな枝を張る。」(マルコによる福音書4章31b-32)

 

今日4月9日日曜日はイースター(復活日)

イエス・キリストの復活を祝う、キリスト教の祭の日です

福音書には農業や自然を題に取った譬え話が沢山出てきます

からし種も、その1つです

 

からし種とは正確には、

地中海原産のクロガラシ(アブラナ科アブラナ属)の変種である、

カラシナの種を指すそうです

カラシナは、クロガラシとアブラナの交雑により生まれたとの説もあります

カラシナは香辛料ととして、もっとも古くから用いられ、

栽培されて来た植物の1つです

 

なお、現在、カラシナの種は主に和がらしの原料となり、

西洋マスタードは、

シロガラシ(アブラナ科シロガラシ属)から作られ、一応別のものです

 

ケシの種とほぼ同じ、栽培植物の中でも最小級の大きさの種を蒔くと、

草本植物では最大級といってよいほど成長して、

大きいもので2m以上にまでなります

 

原種のクロガラシの葉には、

毒性のある硫黄化合物が含まれ、

食用には適さないのですが、

アブラナ属のいくつもの植物と同じく、

カラシナの大柄な葉は、野菜として食べられています

鳥が来て巣を作るほどというのも、

決して大げさではありません

 

不思議な神のわざの譬えとしてイエス・キリストは、

ガリラヤ一帯に普通に自生もし、

また栽培もされていたカラシナを取上げ、

種を蒔くと芽が生えて、

「どんな野菜よりも大きく」成長するということを語っています

作物の譬えは、神の恵みの大きさ、不思議さを示すと同時に、

神の恵みが全ての者に等しく、

そして毎年の実りのように繰返し与えられるさまを、

表わしていると思われます

 

このようなたとえが語られていたということは、

語り手のイエスと聞き手の民衆が、

同じ文化の中に生きていたことを示すものです

辺境の地であるガリラヤの、

それも主に小さな町や村を中心に活動したイエスは、

農業や漁業により生活していた庶民の人々の心に向け、

これらの言葉を語りました

 

香辛料として膨大な数の種と、

野菜として大きく育った葉を収穫するカラシナは、

それが芥子粒ほどの小さな種から成長することが、

農業に携わる人々の中でもとりわけ不思議に感じるという、

皆が共通して持つ意識の中で、

イエスにより神の恵みを表わす1つのシンボルとして用いられました

 

恵みが必ず、そして思いがけないほど豊かに与えられることを、

イエスはいくつもの作物の譬えで語っています

農夫は、丹精込めて作物を育て、その実りを喜びます

神を農夫に譬え、1人1人が愛をこめて育てられていることを表現した話です

イエス・キリストの言葉には、

自然の恵みの中で生きる喜びが、ふんだんに込められています(2023.4)

 

(追記)

聖書とからし種については、

別に調べることもあり、2023.11に、新しい文章を書きました

こちらは削除しようかとも思いましたが、

間違いではないので、一応このまま残します