初夏に食べた魚の思い出の、

何といっても1番はマンボウです

外洋でプカプカ泳ぐマンボウはフグの仲間で、

抜群に美味しい白身魚です

春-夏にかけ太平洋岸の定置網で混獲されますが、

漁師飯として消費されるとのことで、

ほとんど市場に出回りません

 

しかし外洋に開かれた岩手県大槌湾には、

特に大量に回遊し、

東日本大震災前、

町のスーパーでは他で見たことのない、

マンボウの切身や煮付けが、

初夏にはパックで売られていました

(千葉・館山あたりでも、

良く食べられるという話を聞いたことはありますが)

 

魚市場でまだ生きているマンボウの口に、

ポンプで海水を注込んだり、

1畳近くある平たく固い体を縦に2つ割りにして、

片側の皮を皿にして身を切分けて乗せていく等々、

なかなか豪快な姿も見られ、驚きの世界でした

 

体の大きなマンボウでは、

脂ののった幅5cm以上もある腸も、

コワタという名で売られていて、

大槌の新鮮なコワタは刺身で食べると絶品で、

今でも美味しい魚の記憶No1です

 

昔東京の友人たちにマンボウを鮮魚店から送り、

喜んでもらいましたが、

電話を受けた人がアンコウと聞違え、

後で知合いの寿司屋さんに、

「アンコウの刺身を食べた」と言って、

変な顔をされたとの話がありました

そのスーパーも鮮魚店も、津波で今は跡形もありませんが、

今もネットを見ると、

いろいろ震災復興のためにマンボウが役だっています(2020.5)